プルトニウム238 その他の親核種

プルトニウム238

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 09:04 UTC 版)

その他の親核種

自然に生ずる崩壊モードに限定した場合、238Puの親核種には238Npのほかに242Cmが挙げられる[1]242Cmは239Puを燃料とする原子炉内で生成されるキュリウムの同位体では最も普通の核種であり、半減期162.8日のアルファ崩壊によって238Puになる。そのため、例えば加圧水型原子炉の使用済み核燃料には、238Puが1.3 - 2.7%含まれている。ただし、この状態から同位体分離を行うのは技術的に困難であるため、技術的用途には用いられていない[6]

[注釈 1]

上記で挙げたとおり最初の238Puは238Uから人工的に生成されたが、実は直接238Puになる崩壊モードも存在する。しかしそれは二重ベータ崩壊という非常に確率の低いモードであり、0.000000000219%(約46億分の1)の確率でしか発生しない。238Uそのものの半減期も44億6800万年と非常に長いため、この方法も実用できる量を生成するのは現実的な話ではない[1]

そのほか、親核種には238Amの陽電子放出が挙げられる[1]


  1. ^ ただし、この式のみ簡略化の為一部を省略している。「+n」が上についている矢印は、1個の中性子を衝突させ中性子捕獲したという意味になる。


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