バス (コンピュータ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/24 06:31 UTC 版)
シリアルバスとパラレルバス
シリアルバス
1ビットずつ順番にデータを転送するバスをシリアルバスと呼ぶ。通常はクロック信号線は存在せず、受信側での復調に必要なクロックのタイミングはデータ信号に重積して送っている。通信線路の本数が少なければシールドを充実させたり、平衡接続も比較的容易になるため高周波信号が扱いやすくなる。複数の通信線路では互いの信号間でのタイミングがずれるタイミング・スキュー問題が起きるがシリアル化によって回避できる。クロストーク(干渉)の問題も減少する。求められる通信容量の増大に対応してシリアルバスを複数組、束ねるものが現われているが、それぞれの伝送路に流れているのは個別のシリアル信号であって互いの信号間にクロックの同期はない。シリアルバスの多くが通信線路の両端に送信端と受信端を持つチャネルであり、物理的には本来のバス型トポロジーではない。チャネルであれば原理的には線端反射やスタブの影響を受けずにノイズの少ない高周波動作に適した通信路が得られる。初期のシリアルバスは、パラレルバスよりも遙かに低速だった。
など
パラレルバス
シリアルバスが1ビットずつデータを転送するのに対して、元データそのものや元データから切り出した複数ビットをひとかたまりにして、同時に複数本の通信路で情報を伝送するバスである。パラレルバスが必ずバス型トポロジーを採るとは限らないが、バス型トポロジーを採用するものが多い。クロック信号の専用線がデータ線と平行して設けられており、受信側でのデータ復調の同期に使われる。
信号線の本数が多いので、一般的には不平衡接続が採用されており、シールドの不足や線路間のクロストーク、路線長・LRC特性の違いなどによるスキューによって高速伝送にはあまり向かない。
ビット数すなわち平行する線路数は、8・16・32が多い。
コンピュータで使用されるデータバスやアドレスバスに採用例が多く、外部デバイスをつなぐバスとしても用いられ、GPIB、IDE/(パラレル)ATA、SCSI、PCIなどがある。高速化に限界があるため、PCIの改良版PCI ExpressやパラレルATAの改良版シリアルATAでは、データラインはシリアルバスとなっている。
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