バイオハザード: ヴェンデッタ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/07 03:23 UTC 版)
概要
2008年に劇場公開された『バイオハザード ディジェネレーション』、および2012年に劇場公開された『バイオハザード ダムネーション』(以降、『DM』)と同様、ゲーム版の設定を継承した完全新作である。時系列上では、『6』と『7』の間に位置する。
CG映画シリーズでは初めて登場するクリス・レッドフィールドが、『DM』から引き続き登場するレオン・S・ケネディと初めてタッグを組むほか、レベッカ・チェンバースが『0』以来の登場を果たす。また、バイオハザードシリーズを代表するクリーチャーのゾンビが前々作以来の登場を果たし、その大群をクリスとレオンがCG映画ならではのアクションとレイアウトで倒していくシーンも盛り込まれている。
タイトルの「ヴェンデッタ」は「復讐」を意味する。
製作
制作会社は『DM』から一新されており、ホラー要素とダイナミックなアクションシーンが増やされている。製作総指揮の清水崇によれば「元々は原点回帰としてホラーの部分を強化してくれと言われていたため、その部分を強める予定だったが参加した時点では監督すら決まっておらず、後に辻本貴則が監督を務めることに決まったのでどう考えてもアクションに転がした方がいいに決まっている。」と判断して現在に至った[3]。また、脚本家の深見真は本作の時系列が『6』の後であるという設定を明かしている[4]。
清水はゲーム版の本編キャラクターを死亡させたいことやレオンの幼少期を描きたいことへの要望を出していたが、カプコンの小林裕幸に「ごめんなさい。」と断られた。小林によれば「カプコンを背負うキャラクターなので映画で設定を固めてしまうとゲームのスタッフに怒られてしまいます。」ということであり[5]、「ホラー映画で幼少期を描くというのは正しいセオリーとしてあるとは思いますが、うちで長年やってきたキャラクターはゲームを楽しみにしてくれているファンのものでもあるので、簡単に新しい設定を決めることはできない。」ということでもあった[6]。小林いわく本作の女性キャラクターはジル・バレンタインという案もあったが、すでに彼女はゲームや実写映画の方で活躍していたこともありゲーム版との時間軸の兼ね合いで採用しにくかったうえ、その時期に小林が『1』と『0』HDリマスターに関わり久々にレベッカと再会したことと、彼女が旬のキャラクターであったことが決め手となり採用となった[3]。
ストーリー
この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
中国のバイオテロ事件(『バイオハザード6』)から1年後の2014年。対バイオテロ組織BSAA北米支部隊長のクリス・レッドフィールドは、生物兵器を扱う武器商人グレン・アリアスの調査中に捕らえられたエージェントを救出するため、メキシコ軍特殊部隊と共に拠点の洋館へ突入する。しかし、エージェントは家族共々殺害されていたうえ、部隊は洋館の各所に仕掛けられていたトラップと、アリアスによって敵味方を区別する高度に制御されたゾンビたちの襲撃に遭い、壊滅してしまう。
4か月後、クリスのS.T.A.R.S時代の元同僚でシカゴ大学の教授およびBSAAのアドバイザーを務めるレベッカ・チェンバースは、全米各地でゾンビ化病を引き起こしていた未知のウイルスを発見してワクチンの作成に取りかかるが、その直後に大学で発生したバイオテロに遭い、ウイルスの解析データや試作ワクチンを焼き払われてしまう。
救助したレベッカからゾンビ化病の特性が欧州で発見された寄生虫プラーガのそれと酷似していることを知り、クリスたちはかつてプラーガを用いるカルト教団と戦った(『バイオハザード4』)DSOエージェントのレオン・S・ケネディに接触する。
注釈
- ^ ノベライズ版ではレオンを含むDSO職員15人中12人が死亡。映画版では現地SWATにも多大な被害を出したことがレオンの口から語られるのみ。
- ^ 『6』の時点で完成していたが、レオンが受領する前にトールオークスでのバイオハザードが発生してしまったため『6』では登場しなかった。
- ^ ノベライズ版ではマリアに頭部を狙撃され死亡。
- ^ ノベライズ版では2人の息子を持つ。
- ^ ノベライズ版において、t-ウィルスとA-ウィルスの混合型を用いた改造を施したとされる。
- ^ さらにノベライズ版では体長が3メートルほどにまで大型化している。
- ^ 実際には発症を完全にコントロールできず、作中では五大湖周辺を中心に全米各地で発症者による被害が頻発している。
- ^ ノベライズ版では、この時に容疑者の上院議員も死亡している。トールオークスのバイオテロにはシモンズをはじめ、多数の政府関係者が関わっていたとされ、DSOの捜査によって詳細が明るみに出ることを恐れた何者かが口封じの為にエアーを抹殺したとされる。
出典
- ^ 『キネマ旬報』2018年3月下旬 映画業界決算特別号 p.51。
- ^ あべくん (2016年12月15日). “『バイオハザード:ヴェンデッタ』2017年5月27日にフルCG長編アニメ映画として公開。ストーリーの詳細も”. 電撃オンライン (KADOKAWA Game Linkage) 2021年4月21日閲覧。
- ^ a b c d e f g 劇場版パンフレットより。
- ^ “『バイオハザード:ヴェンデッタ』公開記念! 血と硝煙のアクションを描く脚本家・深見 真さんインタビュー”. アニメイトタイムズ (アニメイト). (2017年5月24日) 2021年4月21日閲覧。
- ^ ばしを (2017年4月26日). “『バイオハザード:ヴェンデッタ』清水崇エグゼクティブ・プロデューサーらが登壇した完成披露試写会を開催”. ファミ通.com (KADOKAWA Game Linkage) 2021年4月21日閲覧。
- ^ 山崎伸子 (2017年5月27日). “『バイオハザード:ヴェンデッタ』清水崇Pと監修・小林裕幸が語るホラー描写”. MOVIE WALKER PRESS (MOVIE WALKER) 2021年4月21日閲覧。
- ^ “"Resident Evil: Vendetta" IMDb作品ページ”. インターネット・ムービー・データベース (2017年5月27日(土)). 2017年6月9日閲覧。
- ^ “スマスロ バイオハザード:ヴェンデッタ機種情報”. 777パチガブ (2023年7月24日). 2023年7月25日閲覧。
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