ナゼルの夜会 ナゼルの夜会の概要

ナゼルの夜会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/29 04:53 UTC 版)

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概要

タイトルにもある『ナゼル英語版』とは、プーランクが余暇に訪れたフランスの土地のことであり[1]、そこで何夜にもわたる夜会が催される中、ピアノに向かった作曲家がひとつの主題を基に即興で友人たちの「肖像」を描いていくという趣旨となっている。作曲は1930年に開始され、1936年10月1日ノワゼ英語版で完成された[2]。楽譜の冒頭には次のように記されている。

この作品の中心をなす変奏曲は長い田園地方の夜会期間中にナゼルにて即興され、作曲者のピアノを囲んで集まった友人たちの「肖像」をその中に描きました。
この変奏集の、草稿から決定稿に至る何処かのそれぞれが、この戯れとその情景 - 夜に向かって窓を開け放ったトゥーレーヌのサロン - を思い起こさせられるものでありますように[3][4]

曲集は前奏曲Preambule)とフィナーレ(Final)に挟まれた8つの変奏とカデンツァから構成される。フィナーレについて、作曲者自身は「一種の自画像」であると説明している[1]。第4~6変奏を演奏しない短縮版での演奏も作曲者によって認められている[4]

楽曲は「ナゼルの記憶の中の、おばのリエナールの想い出へ(à la mémoire de ma tante LIÉNARD, en souvenir de Nazelles.)」捧げられている[5]。楽譜はデュラン社より出版された[2]

演奏時間

約17-23分[4][6]

楽曲構成

各曲は下表のようになっている[2]

変奏 標題 テンポ
前奏曲 (Preambule) Extrêmement animé et décidé
I 分別の極み (「やんごとなさの極み」とも。Le comble de la distinction) Vif et gai
II 手の上の心臓 (「つつみかくさぬ心」とも。Le cœur sur la main) Modéré
III 磊落と慎重と (「無遠慮と遠慮深さ」とも。La désinvolture et la discrétion) Presto
IV 思索の続き (「一途」とも。La suite dans les idées) Très large et pompeux
V 口車の魅力 (「心をとろかす魅惑」とも。Le charme enjôleur) Très allant
VI 自己満足 (Le contentement de soi) Très vite et sec
VII 不幸の味 (「不幸せの風味」とも。Le goût du malheur) Lent et mélancolique
VIII 老いの警報 (「年をとっても明るく元気」とも。L'alerte vieillesse) Très rapide et bien sec
カデンツァ (Cadence) Très large et très librement
フィナーレ (Final) Follement vite, mais très prècis

  1. ^ a b ナゼルの夜会 - オールミュージック. 2017年4月6日閲覧。
  2. ^ a b c Partition Éditions Durand Paris, France
  3. ^ Piano Society
  4. ^ a b c Booklet from "Eric Parkin, Poulenc: Works for Piano," CHAN 10014
  5. ^ à la mémoire de ma tante LIÉNARD, en souvenir de Nazelles
  6. ^ Pascal Rogé, Poulenc: Piano Works - オールミュージック. 2017年4月6日閲覧。


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