ダルマ (インド発祥の宗教)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/05 09:45 UTC 版)
ジャイナ教
ジャイナ教におけるダルマという単語は、あらゆる主要な文献に見出される。文献上の意味があり、数多の思想に言及している。広義にはジナの教え[9]や矛盾する宗派の教え[77]、最高の道[78]、社会宗教的な義務[79]、最高位のマンガラ(聖位)であるものを意味する[80]。
6つのドラヴィヤ(本質または現実)の理論の一環としてダルマという単語は、ジャイナ教では特定の存在論的で救済論的な意味もある。ジャイナの伝統では存在はジーヴァ(霊魂、アートマン)やアジーヴァ(霊魂でないもの)を含み、後者は不活性の無意識の原子物質(プドガラ)や空間(アーカーシャ)、時間(カーラ)、運動の主題(ダルマ)、安らぎの主題(アダルマ)の5つの分野を含んでいる[81][82]。運動を意味し存在論的下位分類に言及するのにダルマという用語を用いることは、ジャイナ教特有のもので、仏教の形而上学やヒンドゥー教の様々な宗派には見い出せない[82]。
主要なジャイナ文学タトヴァルタスートラは「10の高潔な徳」のあるダスダルマに言及している。このものは忍耐や謙遜、率直、純粋、正直、克己、質素、自制、無着、禁欲である[83]。ジャイナ文学プルシャールタシデュパーヤの著者アカーリャ・アムリタカンドラは書く[84]。
正しい信者は、あらゆる相容れない傾向から霊魂を守る為に最高の謙遜のようにダルマの徳について絶えず瞑想すべきである。他人の短所も隠すべきである。—プルシャールタシデュパーヤ(27)
- ^ a b c オクスフォード世界宗教辞典より:「ヒンドゥー教ではダルマは生命と宇宙を可能にする秩序と慣習に従ってその秩序の維持に相応しい行為に言及する基本的な観念である。」[9]
- ^ デヴィッド・カルパハナ:「ブッダはダルマという使い古されたインドの言葉を従前のとおり現象や事物を指すものとして用いた。しかしこのダルマを「他に依って生じた現象」(paticca-samuppanna-dhamma)として定義することにはつねに慎重であった……ダルマという語が存在論的な意味において実体(我; atman)を意味するというインドの観念から、このダンマの概念を区別するために、ブッダは結果、帰結、あるいは果実(attha, Sk. artha)という概念を利用してダンマの実際的な意味を明るみに出した。」[11]
- ^ モニアー=ウィリアムズサンスクリット辞典(1899年):「保有する、持ち運ぶ(産出するとも)、運ぶ、維持する、保存する、保つ、所有する、持つ、使う、雇う、実践する、経験する」[14]
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