ソーシャル・ネットワーキング・サービス 歴史

ソーシャル・ネットワーキング・サービス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/16 09:19 UTC 版)

歴史

コンピュータ登場以前のソーシャルネットワーキング理論の起源としては、六次の隔たり理論などがある。

コンピュータネットワークによる新しい社会交流の形態は、コンピュータが開発された初期からその可能性が示唆されていた[6]。コンピュータ通信によるソーシャルネットワーキングの試みは、UsenetARPANETLISTSERVBBSなどを含む初期の多くのオンラインサービス上で行われた。SNSの前段階としての特徴は、AOLProdigyそしてCompuServeなどのオンラインサービス上にも多く現れていた。

ワールドワイドウェブ上の初期のSNSは、Theglobe.com(1994)[7]Geocities(1994)、Tripod.com(1995)のようなオンラインコミュニケーションの形態で始まった。これら初期のコミュニティの多くは、チャットルームのほか、使いやすいサイト開設ツールと自由で安価な場を提供することによって、個人のウェブページを通して個人的な情報やアイデアを共有することに注力していた。Classmates.com(クラスメーツ・ドット・コム)のようないくつかのコミュニティはEメールアドレスを公開して人々がお互い結びつくような方法を取っていた。

1990年代後半、ユーザーが友人のリストを管理し、似たような関心を持つ他のユーザーを探せるようにするなど、ユーザープロフィールの編集がSNSの中心的な特徴となっていった。

ユーザーが友人を発見し管理できるような新しいSNSの方法が開発されたことを契機に、多くのサイトがさらに進んだ機能の開発を行い始めた[8]。この新世代のSNSは、1997年から2001年まで運営されユーザーが100万人にまで達したSixDegrees.com、そして2002年のFriendster(フレンドスター)の登場により本格的に普及し[9]、すぐにインターネットの主流の一角を占めるようになった。Friendsterに続いて、2003年にはMySpaceLinkedInが、そして2005年にはBeboが登場した。SNSの知名度の急速な高まりは、2005年の時点でMySpaceページビューGoogleを上回ったという事実が物語っている。

2008年にはさまざまなバラエティのソーシャルネットワーキングモデルが登場し、これらのモデルを使った200以上のサイトが稼働していると報告されている[10]

米最大級のSNS、Myspaceは公式の発表によると米国の会員数だけで6,000万人を記録しており、総ユーザー数は1億2,000万人と発表されている(2006年11月)。2006年には月に600万人のペースでユーザーを増やし続けていた。マドンナ、U2、ビヨンセ、マライア・キャリーなど300万のアーティストが参加しており、若者に人気が高い。なお、Myspaceは2006年11月に日本語版のベータ版を開設した。市場調査会社の米Pew Research Centerは米国のインターネット利用者の65%が米Facebookや米LinkedInのようなSNSを利用しており、3年前(2008年)の29%から2倍以上に増えたと公表した(現地時間2011年8月26日公表)。

2004年にはのちにビッグ・テックの一つとなるFacebook、2006年にはミニブログの元祖といえるTwitterが開始し、良くも悪くも世界に大きな影響を与える存在に成長していく[11][12]

2007年にはアメリカのSecond Lifeなど仮想世界のSNSが急成長を見せたが、技術の未成熟もあり一種のバブルで終わった[13]

日本

日本では従前から数多く存在していた「Web日記サイト」「グループウェアサイト」「インターネットコミュニティ」などの機能を上手に取り込みつつ、さらには各新聞社やマスコミの記事を取り扱うなど、一種のポータルサイトとしての機能も持っているものが見られる。企業・教育機関でも内部向けコミュニケーションから始まって、内定者や学校の卒業生の囲い込みなど、さまざまな用途に使われるようになった。熊本県八代市が運営する「ごろっとやっちろ」を皮切りに自治体や非営利団体・企業などが運営する地域型のサービスもある。

「ソーシャルネットワーキング」という概念を意識してフレンド相互リンク・私書箱・プロフィール表示という現在のSNSの主要機能を持つものとしては2002年に登場した内野晴仁運営のmyprofile.jp[14]が嚆矢であり、これに続いて2003年にはSFC Incubation Villageにてビートコミュニケーションによる期間限定のマッチング実験SIV Connectが、そしてネットエイジ社による有料の合コンマッチングサービスのGoccoなどのサービスが開始された。ただGoccoは長続きせず、最初から課金をするスタイルはハードルが高かったことが原因にあげられている(課金モデルは途中から変更)[15]

2004年、2月21日に田中良和の個人運営GREEと、イー・マーキュリー (現・MIXI) 提供のmixiがプレオープン、3月3日にオフィシャルオープンした。遅れて、Yubitomaのエコー、フレンドマップ、Miniiそしてキヌガサなどがスタートした。2004年の段階では、GREEがもっとも会員数が多く、イベント中心に盛り上がりを見せたが、当初はウェブメール機能や日記機能がなく、会員数が10万人あたりで、最初から日記機能のあったmixiに抜かれた(ただしmixiもリリース当初はまだコミュニティ機能などは実装されていなかった)。

総務省の発表では2006年3月31日時点の日本でのSNS利用者数は、716万人に達した。これは前年度(2005年3月31日)の111万人の約6.5倍の数字であり、急速に認知度が高まっていることが窺える。

YouTubeFlickrといった画像共有・動画共有サイトが人気になったことにより、日本でもニコニコ動画AmebaVision(終了)など類似のものが相次いで開設されている。2007年にはオタク文化・イラスト文化に特化したSNSのpixivが登場した。

2009年1月のSNS会員数は、7134.4万人に達した[16]2010年には、mixiのユーザー数(有効ID数)が2,000万人を超えたが、Twitter・Facebookなどの海外勢のブームの影に隠れる形となっていった[17]

国内勢では2011年より開始したモバイルメッセンジャーアプリのLINEが急速に普及。利用開始にあたり電話番号登録だけの単純さと、1対1のクローズドな空間でのコミュニケーションなどが、FacebookのようなオープンSNSに馴染めないユーザーをとらえたといわれている[18]

SNSの栄枯盛衰

SNS流行の移り変わりは早く、mixi、Twitter、Facebook、LINE、Instagramなどと次々に流行しては冷めていったり、逆に昔に流行したSNSが再評価されたりする[17]。ITジャーナリストの高橋暁子は若者が「大人があまりいない場所」を求めて流浪することが背景にあるとしている[19]

アメリカ合衆国でも2010年代に若者人気を誇ったtwitterfacebookが10年程度でsnapchatTikTokInstagramに取って代わられた[20]


  1. ^ https://news.mynavi.jp/article/sns-1/
  2. ^ Twitterについての調査レポートP16 (PDF) - ネットマイル
  3. ^ Twitterヘルプ ツイッターとは?、2010年5月14日閲覧(2009年12月26日時点のアーカイブ
  4. ^ https://www.cnet.com/news/twitters-not-a-social-network/
  5. ^ 朝日新聞2022年2月27日 (Sunday World Economy)SNS中傷、事業者にも厳しい視線:朝日新聞デジタル
  6. ^ The Network Nation」S. Roxanne Hiltz、Murray Turoff 共著 (アジソン・ウェスレイ出版, 1978, 1993)
  7. ^ Cotriss, David (2008-05-29). “Where are they now: TheGlobe.com”. The Industry Standard. https://www.infoworld.com/news/2008/05/29/where-are-they-now-theglobe-com. 
  8. ^ Romm-Livermore, C.、Setzekorn, K. 共著 (2008). Social Networking Communities and E-Dating Services: Concepts and Implications.、IGI グローバル社. 271頁
  9. ^ Knapp, E.著 (2006). A Parent's Guide to Myspace. DayDream Publishers. ISBN 1-4196-4146-8
  10. ^ Over 200 social networking sites、インフォジュース ウェブサイト、2008年1月19日掲載
  11. ^ Steve Rosenbush 著 (2005). News Corp.'s Place in MySpace、ビジネスウィーク誌, July 19, 2005. (MySpace 閲覧数の図)
  12. ^ "Social graph-iti": Facebook's social network graphing、エコノミスト誌 ウェブサイトの記事、2008年1月19日
  13. ^ セカンドライフはなぜ失敗したのか、そしてclusterはVRリビングルームで何を目指すのか? | TechCrunch Japan
  14. ^ myprofile.jp(フレンド相互リンク機能は2003年公開。2010年終了)
  15. ^ GOCOO閉鎖[1] [リンク切れ]
  16. ^ ブログ・SNSの経済効果の推計 平成21年7月 総務省情報通信政策研究所 調査研究部 (2009)
  17. ^ a b 平成の終わりに、“日本が生んだソーシャルメディア”、mixiを振り返る | 朝日新聞デジタル&M(アンド・エム)
  18. ^ “LINE1億人突破、次の標的”. 東洋経済オンライン (東洋経済新報社). (2013年1月18日). https://toyokeizai.net/articles/-/12564 2013年1月18日閲覧。 
  19. ^ なぜ? LINEからも逃げ出し始めた若者たち : 深読み : 読売新聞オンライン
  20. ^ 最新調査によれば、今の若者は(も)Facebook、Twitterがおキライ | ギズモード・ジャパン
  21. ^ 6-4 未成年者が使う場合”. 総務省 - 財団法人地方自治情報センター. 2015年5月21日閲覧。
  22. ^ 西川義経. “瞳に映る景色で住所特定……地下アイドルストーカー「住居侵入・強制わいせつ致傷」の異常手口”. 文春オンライン. 2020年7月8日閲覧。
  23. ^ ストーカー、「瞳に映った景色」で女性の自宅を特定 日本」『BBCニュース』、2019年10月11日。2020年7月8日閲覧。
  24. ^ “SNS通じ犯罪被害の子ども、最多 昨年2082人、中学生が大幅増加:朝日新聞デジタル”. (2020年3月14日). https://www.asahi.com/articles/DA3S14402504.html 
  25. ^ a b Salamon, Maureen (2022年5月1日). “Scroll smarter to protect your mental health” (英語). Harvard Health. 2022年5月4日閲覧。
  26. ^ SNS上で他人と自分を比較してばかりいる人はうつ症状であることが非常に多いことが判明
  27. ^ フェイスブックやめると幸せに? デンマークで千人調査
  28. ^ 上司が友達申請・いいね強要…「ソーハラ」増加 読売新聞 2013年1月10日
  29. ^ SNSの誹謗中傷減らすサイト開設 法務省など”. FNNプライムオンライン. 2020年8月13日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2020年7月23日閲覧。
  30. ^ 地震でデマ情報拡散 “冷静に行動を”|NHKニュース 2018年6月18日) - ウェイバックマシン(2018年6月24日アーカイブ分)
  31. ^ 東名高速事故でデマ情報拡散 11人を書類送検|NHKニュース 2018年6月19日) - ウェイバックマシン(2018年6月24日アーカイブ分)
  32. ^ a b 福長秀彦「「北海道胆振東部地震」と流言の拡散SNS時代の拡散抑制を考える」『放送研究と調査』第69巻第2号、NHK放送文化研究所、2019年、 48-70頁、 doi:10.24634/bunken.69.2_48
  33. ^ a b 岩橋瑠伊, 矢吹太朗「SNSにおいてフェイクニュースを拡散するユーザの特徴抽出」『第80回全国大会講演論文集』第2018巻第1号、2018年3月、 113-114頁、 NAID 170000176890
  34. ^ a b c SNSのニュース「信用しない」87% 日本経済新聞 2017/1/26 2:00





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