シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/10 04:32 UTC 版)
概要
北条司の漫画『シティーハンター』を、フィリップ・ラショーの監督・脚本・主演によって映画化した作品。『シティーハンター』の実写映画としては1993年に製作された香港映画以来26年ぶりとなる。また、『シティーハンター』の劇場作品としては、2019年2月に公開された劇場アニメ版(『劇場版シティーハンター〈新宿プライベート・アイズ〉』)に次ぐもので、1年に『シティーハンター』の映画が2本公開されるのは初めてとなる。そのため、予告編では「シティーハンターで明けた2019年は、シティーハンターで締めくくれ!」というナレーションが入っている。
映画の舞台は日本からフランスに変更されており、原作では飛行機恐怖症という設定の獠が本作では飛行機に乗って目的地に向かう[注 1]などアニメ版に準拠した描写も見られるほか、『シティーハンター』の映像作品では初めて、原作に登場する麻薬組織「ユニオン・テオーペ」が描かれている。さらに、日本語吹き替え版では他の北条作品や出演声優に関する小ネタも登場する。
制作経緯
フィリップは小学生の頃から『シティーハンター』の大ファンであり、権利元である北条の事務所へ実写版の企画書・プロットを直筆の手紙と共に送ったところ、それが気に入られたことから、今度は18か月をかけて書いた脚本を携えて来日し、映画化を快諾されたという[4][6]。また、フィリップは同じくファンである『ドラゴンボール』の実写化映画『DRAGONBALL EVOLUTION』の辛辣な評価を見て、ファンを失望させないよう「原作に可能な限り忠実であること」を目指したという(ただし、一部の漫画独特な表現は抑えられている)[7]。
北条は国内公開決定の際、「今年は、シティーハンターの劇場アニメ版(新宿プライベート・アイズ)公開からはじまり、このフランス版の日本公開で締めくくることができ、まさに“シティーハンターイヤー”となりました。大変うれしく思います。監督の愛が詰まった、ワクワク、ドキドキするアクションコメディ映画となっています。シティーハンターを応援してくれる方には是非ご覧いただきたいです」とコメントしている[4][5]。
日本語吹き替え版での冴羽獠と槇村香については、アニメ版で担当した神谷明と伊倉一恵から、山寺宏一と沢城みゆきに変更されている。これは、神谷が「今回は実写作品の獠である」という理由で辞退し[注 2]、その代わりとしてテレビアニメ版のレギュラー[注 3]として出演経験がある山寺に獠役のオファーが来たことによるもので、山寺は当初固辞したものの、神谷からの後押しと「他の誰かがやるなら」という思いから決意したという経緯がある。これに合わせる形で神谷と伊倉の後押しにより、沢城が香役に選ばれることになった。神谷と伊倉は、スペシャルゲストとして別役で出演する[9]ほか、海坊主は玄田哲章、槇村秀幸は田中秀幸、野上冴子は一龍斎春水とオリジナルキャストがそのまま起用されている[3]。
日本人ファンに向けてのオマージュやリスペクトのみならず、本国フランス版へのオマージュとして、同国でのアニメ放映時に獠(ニッキー・ラーソン)を演じたヴィンセント・ロピオンがジャーナリスト役、同じくフランス版のテーマソングを歌ったジャン・ポール・チェサリーニ(Jean-Paul Césari)がシンガー役でカメオ出演している。
なお、日本向けの特報と日本語吹き替え版のエンディングにはテレビアニメ版第1作のエンディングテーマ「Get Wild」が使用されている[10][注 4]。
注釈
出典
- ^ “Nicky Larson et le Parfum de Cupidon”. JP's Box-Office. 2019年3月3日閲覧。
- ^ 『キネマ旬報 2020年3月下旬特別号』p.69
- ^ a b “冴羽リョウ役は山寺宏一!フランス実写版「シティーハンター」吹替版キャスト決定”. シネマトゥディ (2019年9月19日). 2019年9月19日閲覧。
- ^ a b c d e “「シティーハンター」フランス実写版が日本上陸!11月公開決定!”. シネマトゥデイ. 2019年8月19日閲覧。
- ^ a b “フランス実写版「シティーハンター」11月に公開!リョウがスカートめくる特報も”. ナタリー. 2019年8月19日閲覧。
- ^ a b “【パリ発コラム】「シティーハンター」実写版がフランスで公開 2週間で動員100万人超”. 映画.com ニュース. 2019年8月19日閲覧。
- ^ “Après Babysitting, Philippe Lacheau sera Nicky Larson”. Allociné (2017年7月13日). 2018年6月19日閲覧。.
- ^ “開拓者”神谷 明×山寺宏一だからこそ言えることより
- ^ “神谷明&伊倉一恵、仏実写版「シティーハンター」から痛いほど伝わってきた原作愛”. 映画.com. 2019年9月20日閲覧。
- ^ “フランス実写版シティーハンター、「Get Wild」流れる特報映像解禁”. ORICON NEWS. 2019年8月19日閲覧。
- ^ “シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション”. ふきカエル大作戦!! (2019年11月18日). 2019年11月18日閲覧。
- ^ “映画『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』が本日(5/7)19時よりBS12で放送。原作者も太鼓判を押すフランス実写版。もっこりもあるよ”. ファミ通.com (KADOKAWA Game Linkage). (2022年5月7日) 2022年5月7日閲覧。
- ^ “「海坊主が完全に海坊主(笑)」で話題のフランス実写版シティーハンターが超ヒット公開!”. Japaaan (ワノコト). (2019年2月15日) 2022年5月7日閲覧。
- ^ a b “Critiques Presse pour le film Nicky Larson et le parfum de Cupidon” (フランス語). AlloCiné. 2021年7月12日閲覧。
- ^ “«Dragons 3», «Nicky Larson», «La Favorite»… nos choix ciné de la semaine” (フランス語). Le Parisien. (2019年2月5日) 2021年7月12日閲覧。
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