グアラニー語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/06 16:06 UTC 版)
グアラニー語(グアラニーご)またはグアラニ語(グアラニご)、ワラニー語(ワラニーご)、ガラニ語(ガラニご)[3]、Guaraní、原語名: アバァニェエン[4] (Avañe'ẽ)は、トゥピ語族に属する南アメリカ先住民の言語である。パラグアイではスペイン語と共に公用語として用いられるほか、同国人口の88%がこれを解し、地方部では住民の半数がグアラニー語のみを母語としている[5]。またパラグアイに限らず、アルゼンチンのメソポタミア地方やブラジル南西部など近隣諸国の住民の間でも用いられており、ボリビアでは他の先住民言語とともに公用語のひとつとして、アルゼンチンのコリエンテス州ではスペイン語に次ぐ第二公用語に指定されている[6]。
注釈
- ^ なお、「ニャンデバ語」についてはタピエテ語の別名の一つともされている。詳しくはタピエテ語#名称を参照されたい。
- ^ Gregores & Suárez (1967:116) ではまず音素 /k/ について 1. a、o、u の前で c、e、i、î の前では k と綴られるか、あるいは 2. 常に k と綴られるかの2通りであるとされている。また、これとは別に /kʷ/ という音素が設定されており、その綴り方は cu か ku の2通りが示されている。
- ^ Gregores & Suárez (1967:116) では基本的に鼻母音の前では m、強勢のある非鼻母音の前では mb となるとされている。また強勢のない非鼻母音の前の場合いずれの表記も見られるが、mb と書かれる傾向の方が強いともしている。
- ^ Gregores & Suárez (1967:116) では基本的に鼻母音の前では n、強勢のある非鼻母音の前では nd となるとされている。また強勢のない非鼻母音の前の場合いずれの表記も見られるが、nd と書かれる傾向の方が強いともしている。
- ^ /j/ に対する注も参照。
- ^ Gregores & Suárez (1967:116) では /ŋ/ と /ŋʷ/ という音素が見られ、それぞれ ng、ngu という綴りが当てられている。
- ^ Gregores & Suárez (1967:116) では、個々の音素としては扱われていない。
- ^ Gregores & Suárez (1967:116) には見られない。
- ^ Gregores & Suárez (1967:116) には ch または x と綴られる /ś/ が見られる。
- ^ Gregores & Suárez (1967:116) では見られず、代わりに /x/(綴りは jh または h)、/xʷ/(綴りは jhuまたはhu)が見られる。
- ^ Gregores & Suárez (1967:116) では /v/ に v、b の表記が当てられている。
- ^ Gregores & Suárez (1967:116) では /y/ という音素が見られるが、これは鼻母音の前では ñ となり、それ以外の場合には y となるとされ、j という綴りが当てられる場合もあるとされている。
- ^ Gregores & Suárez (1967:116) では /γ/ と /γʷ/ という音素が見られ、それぞれ g、gu という綴りが当てられている。
- ^ 一方、Gregores & Suárez (1967:116) にはこのような制限については特に記されておらず、語頭に現れる場合には表記されないとの旨が記されている。
- ^ González (2005:36) や Goedemans & van der Hulst (2013) では鼻母音やアクセント記号のことについては特に触れることなく、単に最後の音節に置かれるとしている。また González は同時に彼女が主題としているタピエテ語の他、シリオノ語やアバ・グアラニー語(Ava-Guaraní)といった同系統の言語はいずれも最後から2番目の音節に強勢があるものとしている。
- ^ González (2005:106) は Jensen (1998) がいわゆるトゥピ・グアラニー語族の言語における人称標識を4組に分けたとしている。
- ^ a b Gregores & Suárez は一切用いていない表現であるが、それぞれの接辞に反映されている二者の関係が分かりやすくなることを期し、便宜上用いることとする。
- ^ 一方、タピエテ語については González (2005:35) においてSOV型であると明言されている。
出典
- ^ Lewis et al. (2015a).
- ^ http://www.romanistik.uni-mainz.de/guarani/texte/Ley5598.pdf
- ^ Azuma, Shōji; 東照二. (2009). Shakai gengogaku nyūmon : ikita kotoba no omoshirosa ni semaru sociolinguistics. Tōkyō: Kenkyūsha. ISBN 978-4-327-40157-3. OCLC 469672689
- ^ カウフマン(2000)。
- ^ Mortimer (2006).
- ^ Website of Indigenous Peoples' Affairs which contains this information (スペイン語)
- ^ González (2005:11f).
- ^ 青木(2003:91)。
- ^ Lewis et al. (2015e).
- ^ Gregores & Suárez (1967:116).
- ^ たとえば Gregores & Suárez (1967:150) などを参照。
- ^ Nordhoff (2004).
- ^ Estigarribia 2020, pp. 50–51.
- ^ a b c d e f 青木(2003:102)。
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