オベロン (オペラ) あらすじ

オベロン (オペラ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/30 01:09 UTC 版)

あらすじ

時と場所:中世(806年頃)の妖精の国。また幕によってバグダードフランスチュニスと大きく場所が移り変わる。

第1幕

第1場
妖精の国の森。妖精の国では、オベロンと妻ティタニアが、男女のどちらが心変わりしやすいかを巡って口論になり、熱烈に愛し合う2人の男女たちを発見するまで和解しない事を約束した。妖精パックは、ヒュオンとレツィアが夢で結ばれたことを王に告げる。オベロンは、直ちにヒュオンとシェラスミンを召集して魔法の角笛を持たせ、バグダッドにレツィアを捜索するために向かわせる。
第2場
パックの物語によってカール大帝の王子を殺したボルドーの騎士ヒュオンがその罪を償うため、バグダッドの太守の右手に座った男を殺したうえ、太守の娘のレーツィアと結婚することを大帝から命令されたことを知り、この2人を女王との和解の道具に使おうと思いながら、魔法によってヒュオンにはレーツィアの美しい姿を、レーツィアにはヒュオンの凛々しい姿を幻に見せ、2人の心に恋の焔を燃え立たせた後、ヒュオンには魔法の角笛を、従者のシェラスミンには魔法の杯を与える。
第3場
場面が変わってバグダッドの後宮の内部になる。ペルシャの王子バベカンと結婚することになっているレーツィアが、幻に見た凛々しい騎士を深く慕っているところに、侍女のファティマがヒュオンの到着を知らせる。

第2幕

第1場
バグダッドの太守の大広間。太守の右手にはバベカンが座っている。レーツィアとの婚儀がさっそくあげられるように彼が催促してると、突然シェラスミンを従えてヒュオンが現れ、レーツィアを抱擁したうえ、バベカンと闘って彼を殺し、彼の吹く角笛の音に一座の人々が騒然としているうちに、ヒュオンはレーツィアを、シェラスミンはファティマを連れてその場から逃げ去る。
第2場
宮殿の庭。シェラスミンとファティマが互いの愛情を誓い合った後に、オベロンが出現して4人の恋人たちに如何なる苦難に遭遇しても心変わりをしないように命じてから、彼らを港に連れて行く。
第3場
岩の多い浜辺。恋人たちを乗せた船は、嵐のために難破して浜辺に打ち上げられる。ヒュオンは気を失ったレーツィアを救い、魔法の力によって蘇生したレーツィアは、大海の恐ろしさに寄せるレチタティーヴォを歌う。そこに海賊が現れ、レーツィアをかどわかしヒュオンは気を失ってその場に倒れる。

第3幕

第1場
チェニスの太守の宮殿。船が難破したときに救われたものの、ファティマとシェラスミンは奴隷として暮らしている。ところがヒュオンもまたパックに連れられてそこに来る。ファティマはアルマンソルが美しい奴隷を海賊から買ったことと、それがレーツィアであることをヒュオンに語って、かの女を救うために園丁に変装することを彼に忠告する。
第2場 
レーツィアが不幸な運命を嘆いている。太守はかの女に言い寄るがレーツィアは従おうとしない。退場後、かの女からの便りを受け取ったと思ったヒュオンが来る。しかし彼を待っていたのはアルマンソルの妻ロシャナだった。ヒュオンを誘惑しようとするロシャナだが拒否したことで、アルマンゾルによって捕えられ、火刑に処せられることになる。連行された直後、シェラスミンがなくしていた角笛を見つける。
第3場
宮殿前広場。火刑の準備が行われると、レーツィアはヒュオンの助命を嘆願し、処刑されるならば一緒に死ぬことを求める。火刑が始まる直前にシェラスミンが角笛を吹くと、その場にいた人々は踊りだし、さらに強く吹くとオベロンとティタニアが現れる。オベロンは2人を救い「試練は終わった」と告げる。
第4場
カール大帝の宮殿。恋人たちは宮殿に運ばれ、大帝はヒュオンとレーツィアの結婚を祝福する。ヒュオンはバグダッドの王女を連れて来たことを報告し、一同が彼の勇気とレーツィアの美しさを称え、歓喜の大合唱で幕となる。

  1. ^ ヨハン・シュトラウス2世1858年に作曲した『芸術家のカドリーユ』(作品201)という作品では、モーツァルトやベートーヴェンなどの作品が至る所に引用されている楽曲であるが、無論『オベロン』の序曲も引用されている。なおウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるニューイヤー・コンサートでは、2006年マリス・ヤンソンス指揮)になって初めて披露されている。
  2. ^ ポケット・スコア (ページIII)





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