アヴァロン (アルバム) 解説

アヴァロン (アルバム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/15 04:16 UTC 版)

解説

経緯

1980年5月に発表された前作『フレッシュ・アンド・ブラッド』は、6月に全英アルバムチャートの首位を記録し、一週間でその座を降りたが、8月末に再度返り咲いて9月にかけて3週間居座った。彼等のアルバムが全英アルバムチャートの1位を記録したのは、サード・アルバム『ストランデッド』(1973年)以来のことだった。

同年12月8日にジョン・レノン射殺されると、彼等はドルトムントWestfalenhallenで12月19日と20日に開かれたRock Popに両日出演してコンサートを開いた際、最後にレノンを追悼して「ジェラス・ガイ」を披露した。彼等は翌週に同曲を録音して1981年2月にシングル発表すると、全英シングルチャートの首位を記録する大ヒットになった。これは彼等にとって初の快挙だった[4]。1981年の彼等は、1976年から約3年間の解散期間を除いた約7年間の活動期間の中で、商業上の成功の頂点を極めていた。

内容

アーサー王が死後に赴いたとされる伝説の極楽島「アヴァロン」をモチーフに、ブライアン・フェリーの美学が最高点に到達した作品。

正式メンバーのフェリー(ヴォーカル、キーボード)、フィル・マンザネラ(ギター)、アンディ・マッケイ(オーボエ、サクソフォーン)は、前作に起用したセッション・ミュージシャンに加えてパーカッショ二ストとヴォーカリストを招聘して、ナッソーコンパス・ポイント・スタジオとニューヨークのザ・パワー・ステイション・スタジオで本作を録音した[5]

タイトル曲でスキャットを歌うヤニック・エティエンヌハイチ出身のヴォーカリスト。本作がニューヨークで録音されていたある日曜日、フェリーがスタジオの廊下にあったコーヒーの自動販売機の側でハイチのコーラス・グループを偶然見かけて、そのメンバーだった彼女の歌声に圧倒されて起用したという[6]

「トゥ・ターン・ユー・オン」は、シングル『ジェラス・ガイ』[7]のB面収録曲として既に発表されていた[注釈 1]

ジャケットに後ろ姿が映る女性は、後に元フェリー夫人になったLucy Helmoreである[8][注釈 2]


注釈

  1. ^ この曲は本来フェリーがソロ・アルバムの為に録音した未発表音源だったが、『ジェラス・ガイ』を急いで発表する為に使用された。
  2. ^ 1981年にフェリーに出会い、本作発表直後の1982年6月26日に結婚。男子4人の母になるが2002年に離婚。再婚後、2018年7月に自殺により他界。
  3. ^ 1979年4月の初公演に続く2度目の公演。

出典

  1. ^ Erlewine, Stephen Thomas. “Avalon – Roxy Music”. AllMusic. 2010年3月17日閲覧。
  2. ^ ROXY MUSIC | full Official Chart History | Official Charts Company
  3. ^ The 500 Greatest Albums of All Time” (英語). Rolling Stone (2020年9月22日). 2021年12月28日閲覧。
  4. ^ Buckley (2004), pp. 243–245.
  5. ^ Buckley (2004), pp. 248–249.
  6. ^ Buckley (2004), p. 249.
  7. ^ Discogs”. 2024年3月16日閲覧。
  8. ^ Buckley (2004), pp. 248, 255–256, 293.
  9. ^ Buckley (2004), p. 251.
  10. ^ Discogs”. 2024年3月16日閲覧。
  11. ^ Buckley (2004), pp. 252–255.
  12. ^ Discogs”. 2024年3月16日閲覧。
  13. ^ Buckley (2004), p. 256.





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