シンクレア ZX80
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/07/10 15:06 UTC 版)
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| 種別 | ホームコンピュータ |
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| 発売日 | 1980年 |
| 販売終了日 | 1981年 |
| OS | Sinclair BASIC |
| CPU | Z80互換CPU @ 3.25 MHz |
| メモリ | 1 KiB(最大16 KiB) |
シンクレア ZX80(英: Sinclair ZX80)は、イギリスのシンクレア・リサーチが1980年に発売したホームコンピュータである。
イギリスで初めて100UKポンドを切る価格を実現したコンピュータである。"100ポンドを切る価格"は具体的には99.95ポンドで、購入者がはんだ付けして組み立てる必要がある組み立てキットの価格であり、完成品のほうは100ポンドより若干高い価格で販売された。
技術的には優れたマシンではなかったが、その低価格によりイギリスとニュージーランドで新たにホームコンピュータ市場を開拓する役割を担った。
概要
コンピュータとしての設計は Jim Westwood。筐体とキーボードが一体化した特徴的形状は工業デザイナー Rick Dickinson の設計によるものである。
仕様
- CPU ─ Z80互換のマイクロプロセッサを3.25MHzのクロック周波数で駆動[1]。(ほとんどは NEC μPD780C-1 あるいはその同等品が使われた)
- 主メモリ ─ 1KiBのSRAM
- ROM ─ 4KiB。当時のシンクレアの技術ドキュメントによると、ROMに、4K BASIC、エディタ、"operating system"[注 1]、キャラクタデータ[注 2]が書き込まれている。
- 表示装置 ─ 家庭用テレビをRF接続する。モノクロ表示。ただし表示に大きな制約があった(後述)
- プログラムの記録・読出 ─ カセットテープレコーダーをデータレコーダとして使用可能
- キーボード ─ メンブレンキーボードが筐体と一体化している。
- 筐体 ─ 白いプラスチック製。幅 220mm(もしくは219 mm) × 奥行き 175 mm × 高さ 40 mm(もしくは37 mm)。カッコ内は資料による数字の違い。ペーパーバック本を2冊並べた程度の寸法。
- 本体重量 ─ 12オンス[2](約 340 グラム)
- 電源 ─ ACアダプタ。9 V、600 mA。非安定化(unregulated)。3.5 mmジャック。[3]
BASICのコマンドは綴りの各文字を打ち込む必要はなく、キーボードの各キーにコマンドが割り当てられているという特徴がある。
- オプション品
"RAM拡張パック"も販売された。当初は1KiB、2KiB、3KiBのSRAMを搭載したRAMパックだったが、後に16KiBのDRAMを搭載したものも登場した。
表示できるキャラクタ(文字)
64種類の字形(64 glyphs)および11種のブロック図形(11 block graphics)の字形(形状)データがROMに書き込まれている。 ZX80ではキャラクタの土台の枠(四角い枠)は 縦 8 ドット ✕ 横 8 ドット。ただしほとんどの文字の実際のサイズは7 × 6 ドット程度に収まっている。
アルファベットは全て大文字のみで、小文字は無し[4]。(キーボードのシフトキーを押してアルファベットキーを押しても、キーの右上に表示されている別の文字が入力される)
(イギリスのマシンなので)ポンド記号「£」が含まれ、キーボードにも配置されている。[4]
キャラクタの字形データは、1文字につき 8 バイトを使用。1 バイト(8 ビット)がキャラクタの横方向の線の1本分のデータである。ROMのアドレス448から始まる。
表示上の制約と発熱問題
- 表示上の制約
ZX80のビデオジェネレータは必要最小限のハードウェアにソフトウェアも組み合わせてビデオ信号を生成している。このアイデアは ドン・ランカスター が1978年の著書 "The TV Cheap Video Cookbook"[5]に書いたものであった。その方式を採用したため、ZX80は何もしていない状態のとき(つまり、キー押下を待っている状態のとき)しかディスプレイに表示できない。BASICプログラムを実行している最中や、ユーザーがキーを押下している最中は、ディスプレイは真っ暗になる。このため、グラフィックスを動かそうとすると、描画と描画の間に入力待ちをはさむ必要があり、実現が難しい。(なお、後継機のシンクレア ZX81 ではこの表示上の制約を、"低速モード"と呼ばれる定期的にディスプレイ描画を行うモードを追加することで改善し、"高速モード"ではディスプレイに何も表示せず計算を行う仕様とした。)。
- 発熱問題、耐久性
発熱問題を抱えており、耐久性、信頼性は低い。
販売
ZX80は発売直後から人気を呼び、キットも完成品も、注文から発送まで数ヶ月を要するようになった。
ZX80 の総計販売台数は約5万台であり、当時としては極めて大きな数である。ZX80のおかげでイギリスの "ホームコンピュータ保有率" の世界順位が上位に入ることになった。
後継機相当へのアップグレードキット
後継機のZX81が発売されると、ZX80をZX81相当にアップグレードするためのキット(下記のセット)が提供された。
価格はZX81の約20%の価格。
ZX80のカバーを取り外し、ROMを交換し、オーバーレイシートを装着するだけでアップグレードが完了する。元に戻すことも同様に簡単にできる。
ただし、ほぼZX81相当に出来るものの、ZX81の"低速モード"はROM以外のハードウェアに依存しているため、このアップグレードキットでは実現できない。
アメリカ版
ZX80/ZX81 にはアメリカ版として Micro Ace および Timex Sinclair 1000(TS1000)があった。Herr Liebert の ZX80/ZX81 ユーザーグループのウェブサイトには派生機種の一覧がある(ドイツ語版と英語版)。
現存機
設計が洗練されておらず、発熱の問題もあって、現在もよい状態で残っているマシンは珍しい。そのため、コレクターの間では高価で取引されている。
後継機
後継機はシンクレア ZX81 や ZX Spectrumである。
その他
- ZX80を自作する方法?
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この節には独自研究が含まれているおそれがあります。
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ZX80の回路は既製の汎用ロジックICで構成されている。独自技術と呼べる部分はファームウェアだけである。後継のZX81ではセミカスタムチップを使っているが、それは単に従来の回路を1つのチップにまとめただけで、ハードウェアとシステムプログラムはほとんど変わらない。違いはBASICのバージョンと、低速モードを実現するためのNMIジェネレータだけである。どちらのマシンも既存の汎用ロジックICやFPGAを使って再現でき、誰でも販売することができる[要出典] [6]。
脚注
- 注
- ↑ これをoperating systemと呼ぶのは、おそらく当時(1980年代)のイギリス人独特の言葉づかいである。ZX80のドキュメントに現れる operating systemなる用語が指すプログラムは、アメリカ人ならoperating systemと呼ばないようなプログラムであり、当時のコンピュータ業界で通常はmonitor program(モニタプログラム)と呼ばれている類の、キー入力の受け付けなどを担当するきわめて素朴なプログラムのことを指しているようである。なぜそれが分かるかと言うと、ZX80のROMの内容は後世の人々により完全に逆アセンブルして全部解析されているが、現代の人がoperating systemと呼ぶような内容のプログラムは含まれていない、と判っているからである。このようなイギリス人独特の言葉づかいはBBC Microでも現れる。BBC Microでは、monitor programを少し強化しただけのプログラムを(大げさに)Machine Operating System(MOS)と呼んだ。
- ↑ 文字や図形のビットマップ式のデータ。
- 出典
- ↑ クロック周波数は画面表示と密接な関係がある(シンクレア ZX81参照)
- ↑ Creative Computing. Vol.6, No.12.December 1980.. (1980)
- ↑ “ZX80 Operating Manual”. 2026年7月7日閲覧。
- 1 2 “ZX80 User Manual Users Manual”. 2026年7月9日閲覧。
- ↑ The Cheap Video cookbook by Don Lancaster, TV typewriter cookbook
- ↑ 要出典の注: ファームウェアの著作権を侵害するのではないか?
外部リンク
- ZX80のページへのリンク