PicoCELA
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/06/16 10:32 UTC 版)
PicoCELA株式会社(ピコセラ、英: PicoCELA Inc.)は、東京都中央区に本社を置く、無線通信技術の開発および製品の販売を行う日本の企業。九州大学発のベンチャー企業であり、独自の無線多段中継技術「PicoCELA Backhaul Engine (PBE)」をコア技術とする。2025年1月に米国Nasdaq(ナスダック)へ新規上場(Ticker: PCLA)[1]。
沿革
- 2008年 - 九州大学発のベンチャー企業として設立。
- 2018年 - JR東日本スタートアップ大賞受賞[2]。
- Google Launchpad Accelerator Tokyo(第1期)に採択[3]。
- 2019年 - Viva Technologyにて、Orange Fab Asiaに採択。
- JETROシリコンバレーイノベーションプログラム支援企業に選定。
- 内閣府主催のスーパーシティフォーラム2019において、出展企業28社の1社に選定。
- 2020年 - 第6回知的財産活用表彰において知的財産活用奨励賞(知的財産情報部門)受賞。第5回JEITAベンチャー賞受賞。
- Orange Fab Asia 5G Challenge Final Pitch Competition第1位[4]。
- 2021年 - High-Growth Companies Asia-Pacific 2021(アジア太平洋地域の急成長企業ランキング 2021)433位にランクイン。
- 2022年 - 令和4年度 知財功労賞「特許庁長官表彰(知的財産権制度活用優良企業)」を受賞[5]。
- 2025年1月 - 米国Nasdaq Capital Marketへ新規上場。
- 2025年 - 国連工業開発機関(UNIDO)によるウクライナの通信インフラ復興支援プロジェクトに同社の技術が採択される[6]。
- WiFi NOW Awards 2025「Best Wi-Fi Startup Award」ファイナリストに選出。
技術・特徴
同社の基盤技術である「PicoCELA Backhaul Engine (PBE)」は、OSI参照モデルのデータリンク層(レイヤー2)で動作する無線バックホール制御ソフトウェアである[7]。
- 動的ツリー制御(Dynamic Tree Topology)
- 一般的なメッシュWi-Fi技術が3〜4ホップ以上の多段中継で通信速度(スループット)が著しく低下するのに対し、PBEは10ホップ以上の超多段中継においても高いスループットを維持する制御を行う。
- 低レイテンシ
- 無線中継における遅延を1ホップあたり1.5〜2.0msに抑制。この特徴により、音声通話や移動体(ロボット・重機など)のリアルタイム遠隔操作への適用が可能となっている。
- 配線削減
- 無線によるバックホール網の構築により、従来の有線LAN敷設と比較してLANケーブルの所要量を約90%削減する効果を持つ。
主な導入実績・社会実装
有線LANの敷設が困難な環境や、一時的な通信環境の構築において導入が進んでいる。
- 建設・土木現場:大規模超高層ビル(麻布台ヒルズ等)の開発現場や、山岳トンネルの掘削現場における通信インフラ。
- 産業・物流DX:物流倉庫や工場内における、自律移動ロボット(AMR)や自動搬送車(AGV)の通信バックボーン。
- 国際支援:2025年より、国連(UNIDO)主導のもと、ウクライナ国内のデジタル復興および通信レジリエンス向上のための通信基盤として社会実装が開始された。
主な製品
- PCWLシリーズ:エンタープライズ向けWi-Fi 6アクセスポイント(屋内・屋外用)。最新モデルではバックホール側に6GHz帯を採用。
- PicoMesh:PBE技術を他社製品やIoTデバイス、監視カメラに組み込むための超小型通信モジュール。
関連項目
脚注
- ↑ PicoCELA (2025年1月20日). “PicoCELA株式会社 NASDAQ上場のお知らせ”. NEWS. 2026年6月11日閲覧。
- ↑ “JR東日本スタートアッププログラム2018の各賞が決定! PicoCELA(ピコセラ)が”スタートアップ大賞” “最優秀賞”はメトロエンジン、ANSeeN(アンシーン)、“青森市長賞”にファーメンステーション - JR 東日本スタートアップ株式会社”. JR 東日本スタートアップ株式会社 - あなたの夢を未来へつなぐ 『明日』創造ステーション (2018年11月30日). 2026年6月11日閲覧。
- ↑ “Google Launchpad Accelerator Tokyoに7社のスタートアップが選出、東京でプログラム開始”. Google Developers Japan. 2026年6月11日閲覧。
- ↑ “アジアのスタートアップ76社が集まるOrange Fab Asia『5G Challenge Final Pitch Competition』 第1位”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES (2020年8月24日). 2026年6月11日閲覧。
- ↑ PicoCELA (2022年4月11日). “PicoCELA、令和4年度 知財功労賞「特許庁長官表彰(知的財産権制度活用優良企業)」を受賞”. NEWS. 2026年6月16日閲覧。
- ↑ “Mesh Wi-Fi for digital recovery and resilience” (英語). UNIDO. 2026年6月11日閲覧。
- ↑ PicoCELA. “独自の無線多段中継テクノロジー/PicoCELA Backhaul Engine”. メッシュWi-FiならPicoCELA(ピコセラ)株式会社. 2026年6月16日閲覧。
- PicoCELAのページへのリンク