Domus Academyとは? わかりやすく解説

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Domus Academy

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/06/29 08:42 UTC 版)

 

Domus Academy
国公私立の別 私立学校
設立年月日 1982年
所在地 via Carlo Darwin 20, 20143 Milano
公式サイト https://www.domusacademy.com/
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Domus Academy(ドムス・アカデミー)は、イタリア・ミラノに所在する私立のデザイン学校である。ファッション、インダストリアルデザイン、デザインマネジメント[1]、ビジネスおよびユーザーエクスペリエンス・デザイン、プロダクト/インテリアデザイン、デザイン・イノベーション、ファッションおよびラグジュアリーブランドマネジメントの分野で、学部および大学院課程を提供している。

歴史

ドムス・アカデミーは1982年、雑誌『Domus』(ドムス)および『Quattroruote』(クアットロルオーテ)を刊行するEditoriale Domusのオーナーであるマッツォッキ家により設立された[2][3]。マリア・グラツィア・マッツォッキ(Maria Grazia Mazzocchi)が初代学長を務めた[3]ジャンフランコ・フェッレ(Gianfranco Ferré)は1983年から1989年にかけて教員として在籍し[4][5]、アンドレア・ブランツィ(Andrea Branzi)は創設後10年間、文化ディレクターを務めた[3]

2009年には米メリーランド州ボルチモアのLaureate Educationが、推定1000万ユーロで同校を買収した[3]。2018年、Laureateはフランスの教育グループであるGalileo Global Educationに売却した[6]

同校は、イタリアのラディカルデザイン(Italian Radical Design)の文化的潮流を背景に設立され、実験的な教育の場として位置づけられた。アレッサンドロ・メンディーニ(Alessandro Mendini)、アレッサンドロ・ゲリエーロ(Alessandro Guerriero)、エットレ・ソットサス(Ettore Sottsass)、ピエール・レスタニ(Pierre Restany)らが初期の発展に影響を与えた。レスタニは、Archizoom(アルキズーム)の共同創設者であるブランツィを初代ディレクターとして推挙した[7]

また、同校は、デザイン教育の再考を目指したデザイナーおよび理論家のネットワークであるGlobal Tools(グローバル・ツールズ、1973–1975)[8]からも影響を受けた。1980年代から1990年代にかけては、企業や文化機関との協働を通じて、ファッションデザイン、インダストリアルデザイン、コミュニケーションなどの分野で修士課程プログラムを展開した。

ドムス・アカデミーの教育モデルの特徴の一つとして、教育と実務の連携が挙げられる。同校は、学術と産業の双方に関わるデザイナーとの協働を推進してきた[9]。これまで学生は、アキッレ・カスティリオーニ(Achille Castiglioni)、エツィオ・マンツィーニ(Ezio Manzini)、ガエターノ・ペシェ(Gaetano Pesce)、ジャンパオロ・ファブリス(Giampaolo Fabris)、ジョルジェット・ジウジアーロ(Giorgetto Giugiaro)、ハンス・ホライン(Hans Hollein)、細江勲夫(Isao Hosoe)、三宅一生(Issey Miyake)、ジャージー・セイモア(Jerszy Seymour)、ミケーレ・デ・ルッキ(Michele De Lucchi)、ナンニ・ストラーダ(Nanni Strada)などの専門家が関与する活動に参加している。

同校は1994年、ADI(Associazione per il Disegno Industriale)よりCompasso d’Oro(コンパッソ・ドーロ)賞を受賞した[10]。審査員は、技術と人間の経験の関係、デザインとファッションの接点、デザインに対する社会学的アプローチ、デザインマネジメントおよびサービスデザインの展開など、新たな領域への貢献に加え、教育・出版面での取り組みを評価した

ドムス・アカデミーは、産業界との協働を基盤とするプロジェクト型教育を採用し、国際的な研究者と実務家からなる教員陣を特徴とする。学生は多国籍である。

2009年にLaureate International Universitiesのネットワークに加わり[6]、2018年には欧州の高等教育グループであるGalileo Global Educationの傘下となった[11]。これらの組織変更により国際的な枠組みは拡大した一方、デザインを批評的・文化的に探究する領域として捉える方針は維持された。

プログラムと認定

ドムス・アカデミーの教育課程には、学士(Bachelor of Arts)課程(180 ECTS)、1年制の修士課程(60または90 ECTS)、および博士課程(PhD/Doctorate)への進学につながる2年制の修士(Master of Arts)課程(120 ECTS)が含まれる。

1年制の修士課程のいずれかを修了すると、欧州および世界で認められ、イタリア教育・大学・研究省(MIUR)の認定を受ける「Academic Master」(60 ECTS)または「Dual Award Master」(90 ECTS)の称号を取得できる。

Academic Masterの学位は、MIURにより芸術・音楽・舞踊分野の高等教育資格を授与する機関として認可されているNABA(Nuova Accademia di Belle Arti)が授与する[12]

Dual Award Masterでは、MIUR認定のAcademic Masterに加え、英国の制度(Privy Council)で正式に認められ、Regent's University London(リージェンツ大学ロンドン)が授与するMaster of Artsも取得できる。

キャンパス

キャンパスはミラノのナヴィリ地区(Navigli)に所在する。施設には、デザインおよびファッションのラボ、図書館、デジタル作業スペース、交流スペースなどがある。

入学

授業は英語で行われる。学士課程への入学には、大学入学資格を満たす高校卒業資格が必要となる。大学院課程への出願には、学士号または同等の資格が求められる。ドムス・アカデミーは年に複数回の入学時期を設けており、志願者は学業成績、作品ポートフォリオ、英語力などに基づいて選考される。

評価

ドムス・アカデミーは、教育プログラムの質およびイタリアデザインの発展に関わる先端的テーマへの取り組みが評価され、Compasso d’Oro(コンパッソ・ドーロ)賞を受賞した[10]。また、Business Week、Frame Publishers[13]、Domus Magazine[14]、Azure Magazine[15]などのランキングでも取り上げられている。The Business of Fashionからは学習体験に関する「Special Badge of Excellence」を受けた[16]。QS World University Rankings by Subject[17]、UI GreenMetric World University Rankings[18]、THE Impact Rankings[19]にも掲載されている

学術協力

ドムス・アカデミーは、Central Saint Martins(セントラル・セント・マーチンズ、英国)、Pratt Institute(プラット・インスティテュート、米国)、Royal College of Art(ロイヤル・カレッジ・オブ・アート、英国)、RMIT University(RMIT大学、オーストラリア)、Tsinghua University(清華大学、中国)、College for Creative Studies(カレッジ・オブ・クリエイティブ・スタディーズ、米国)、Nottingham Trent University(ノッティンガム・トレント大学、英国)、Strate School of Design(ストラテ・スクール・オブ・デザイン、フランス)、Institut Teknologi Bandung(バンドン工科大学、インドネシア)などの海外機関と提携している。

産業パートナーシップ

ドムス・アカデミーは、FerrariGoogleVersaceIKEAPepsiCo、Technogym、Nike、Moncler、SamsungCondé Nastなどの企業との協働を通じて、産業界のワークショップをカリキュラムに組み込んでいる。Cumulus Association[20]、ADI(Associazione per il Disegno Industriale)、Piattaforma Sistema Formativo Moda[21]の会員でもある。

卒業生

著名な卒業生には、アンナ・デッロ・ルッソ(Anna Dello Russo)、ディエゴ・ドルチーニ(Diego Dolcini)、ジョセフ・フォラキス(Joseph Forakis)[22]、フランシスコ・ゴメス・パス(Francisco Gomez Paz)[22]、クリストフ・ピレ(Christophe Pillet)[22]、ニール・ポールトン(Neil Poulton)[22]、マリオ・トリマルキ(Mario Trimarchi)[22]、フィリップ・ベステンハイダー(Philippe Bestenheider)[22]、デフネ・コズ(Defne Koz)[22]、マルコ・スザーニ(Marco Susani)[22]、アンドリュー・ゲン(Andrew GN)などがいる。

講演会とゲストスピーカー

同校では、デザイン、アート、コミュニケーション分野の専門家を招いた講演会やイベントを定期的に開催している。

過去の登壇者には、レフィク・アナドル(Refik Anadol)、イヴ・ベアール(Yves Béhar)、ミケーレ・デ・ルッキ(Michele De Lucchi)、トム・ディクソン(Tom Dixon)、アルベルタ・フェレッティ(Alberta Ferretti)、フォルマファンタズマ(Formafantasma)、エリック・ケッセルス(Erik Kessels)、マウロ・ポルチーニ(Mauro Porcini)、ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセン(Vincent Van Duysen)などが含まれる。

参考文献

  1. 野中郁次郎(Ikujiro Nonaka)、西口敏宏(Toshihiro Nishiguchi)(2000)『Knowledge Emergence: Social, Technical, and Evolutionary Dimensions of Knowledge Creation』Oxford: Oxford University Press. ISBN9780198029991.
  2. ジャンルイジ・ファラブリーノ(Gianluigi Falabrino) (2004) 『Design speaks Italian』(イタリア語)Milano: Libri Scheiwiller. ISBN 8876443932. (2025年7月閲覧)
  3. 1 2 3 4 バルバラ・カザヴェッキア(Barbara Casavecchia)、アンナ・チリッロ(Anna Cirillo) (2010年1月13日) 「Le scuole gioiello del design vendute a un colosso americano」(イタリア語)『La Repubblica』. (2016年7月閲覧)
  4. マリア=ヴィットーリア・アルフォーンジ(Maria-Vittoria Alfonsi) (2008) 『Gianfranco Ferré. L'architetto stilista』(イタリア語)Milan: Baldini Castoldi Dalai. ISBN 9788860738905. (2016年7月閲覧)
  5. Ferré Gianfranco 1944–2007」(イタリア語)『Archivi della moda del novecento』Ministero dei beni e delle attività culturali e del turismo/Sistema Archivistico Nazionale. (2016年7月閲覧)
  6. 1 2 マルタ・カザデイ(Marta Casadei) (2017年11月23日)「Moda, arte&design: a Milano il maxi-polo delle scuole」(イタリア語)『Il Sole 24 Ore』. (2018年5月閲覧)
  7. 『Domus』第633号(1982年11月), p.56. (2025年7月閲覧)
  8. 『Casabella』(1973年5月号). (2025年7月閲覧)
  9. 『Domus』第648号(1984年3月), p.1. (2025年7月閲覧)
  10. 1 2 Fondazione ADI (1994) 「Premio Compasso d'Oro 1994」. (2025年7月閲覧)
  11. 『Fashion Network』 (2017年11月23日) 「Gruppo Galileo Italia, nasce il polo di formazione con Marangoni, NABA e Domus Academy」(イタリア語). (2025年7月閲覧)
  12. Istituzioni autorizzate a rilasciare titoli di Alta Formazione Artistica, Musicale e Coreutica (art. 11 DPR 8.7.2005, n. 212)」(イタリア語)Ministero dell'Istruzione, dell'Università e della Ricerca(MIUR): Alta Formazione Artistica, Musicale e Coreutica. (2018年12月18日時点のアーカイブ)
  13. アナ・マルティンス(Ana Martins) (2014) 『Masterclass Architecture, Guide to the World’s Leading Graduate Schools』ISBN 9789077174982. (2025年7月閲覧)
  14. 『Domus Guide』(2014, 2016, 2018). 『Domus Magazine』付録:第975号(2013年12月)、第997号(2015年12月)、第1008号(2016年12月). (2025年7月閲覧)
  15. ジャクリーン・テルシーニ(Jaclyn Tersigni) (2016年11月17日) 「8 Top Interior Design Schools from around the World」『Azure Magazine』. (2025年7月閲覧)
  16. 『The Business of Fashion』 (2019年6月2日) 「The Best Fashion Schools in the World 2019」. (2025年7月閲覧)
  17. QS University Ranking by Subject」. (2025年7月閲覧)
  18. UI GreenMetric World University Rankings」. (2025年7月閲覧)
  19. THE Impact Rankings」. (2025年7月閲覧)
  20. Cumulus Association」. (2025年7月閲覧)
  21. Piattaforma Sistema Formativo Moda」. (2025年7月閲覧)
  22. 1 2 3 4 5 6 7 8 『Lost in Translation』展覧会カタログ(2012年)編集:ダンテ・ドネガーニ(Dante Donegani)、エレーナ・パチェンティ(Elena Pacenti), pp.65, 70–71, 74, 79, 84. (2025年7月閲覧)



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