防衛医療
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/16 08:07 UTC 版)
防衛医療(ぼうえいいりょう、Defensive Medicine)とは、医療過誤の賠償責任や刑事責任追及にさらされる危険を減ずるための、医師の対応として行う医療行為、あるいはリスクの高い患者の診療の忌避を意味する。
注釈
- ^ 有名なところでは、山崎豊子の小説『白い巨塔』において、医療訴訟に敗訴した財前五郎が判決を批判した際にこの言葉を用いている。この話自体はフィクションだが、本作が発表された1960年代からすでにこの問題が懸念されていたことを知ることができる。
- ^ 本人が主訴をいえないケースが多々見られ、検査が困難であり診断が難しい。賠償金が高額。
- ^ 訴訟・逮捕リスクが高い。賠償金が母子両方について支払わなければならない可能性があり高額。
- ^ 分娩に時間がかかると脳性麻痺になるという古い学説に基づき、今でも医師の責任を問われる判決が出るとの風説による。しかし近年の判例でそのようなものは確認されない。
- ^ 助産院からの搬送は医院・病院からの死亡率に比べ死亡率が高く、死亡により受け入れ先病院が訴訟に巻き込まれる可能性があるため。
- ^ 入院中の急変リスクを避けるため。
- ^ 通院していない期間に病状が変化した場合のリスクを避けるため。
- ^ ドクターコール拒否は医師法19条の応召義務に違反する可能性が指摘されているが、学説では確定していない。国内法において善きサマリア人の法の精神は明文化されておらず、過失があった場合民事・刑事訴訟で責任を問われる可能性を否定できない。
- ^ 過去にバイク事故の負傷者に善意の応急手当を行ったところ、不衛生な処置により骨髄炎になったと訴えられ莫大な損害賠償を支払わされた医師がいるという風説がある(実際にそのような判例は確認されておらず、都市伝説判例とも言われる)。
- ^ 発見が難しい箇所の傷を見逃したために後に訴訟を起こされる可能性があるため(割箸事故では、のどの奥から脳に刺さった割り箸を見逃した医師が告訴・告発されるという事態となった)。
- ^ 2006年11月には、1993年に奈良県で発生した交通事故で、臨床的には稀な病態(遅延して心タンポナーデが出現した)をきたし死亡した患者に対して、病院(医師)の過失を認定しおよそ3000万円の損害賠償を医療側に命じる判決が出たり、2008年3月には、2005年2月に京都府で発生した交通事故とその後の患者の死亡において、入院後に判明した外傷性心疾患での死亡に対して30分で手術が開始されたにも関わらず、「遅すぎる」として病院側の過失を認め、1100万円の賠償を命じた判決が出たりするなどしている。
出典
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