CTIレコードとは? わかりやすく解説

CTIレコード

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/06/27 02:17 UTC 版)

CTIレコード
CTI Records
設立 1967年
設立者 クリード・テイラー
販売元 ソニー(アメリカ)
キングレコード(日本)
ジャンル フュージョンクロスオーバージャズ
アメリカ合衆国
本社所在地 ニューヨーク
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CTIレコード(Creed Taylor Incorporated)は、1967年にアメリカ合衆国の音楽プロデューサー、クリード・テイラーによって設立されたジャズ・レコードレーベル。1967年にA&Mレコードとの提携のもとで制作活動を開始し、1970年に独立レーベルとなった[1]

概要

CTIは、ジャズの即興演奏を基盤としながら、同時代のソウル、ファンク、ブラジル音楽、ポップス、クラシック音楽などの要素を取り入れた作品を数多く制作した。小編成による演奏に、必要に応じてストリングス、ブラス、木管楽器、パーカッションなどを加える制作手法を用い、1970年代のクロスオーバーおよびジャズ・フュージョンが幅広い聴衆を獲得するうえで重要な役割を果たした[2]

作品の大半はテイラー自身がプロデュースし、多くの録音はニュージャージー州イングルウッド・クリフスのヴァン・ゲルダー・スタジオで、録音技師ルディ・ヴァン・ゲルダーによって行われた。編曲にはクラウス・オガーマンドン・セベスキーユーミール・デオダートボブ・ジェームスデイヴィッド・マシューズらが参加した。固定された専属楽団を持つ形ではなかったが、ロン・カーターエリック・ゲイルリチャード・ティーアイアート・モレイラビリー・コブハムジャック・ディジョネットスティーヴ・ガッドらが複数の作品に参加し、レーベルに共通する音楽的特徴を形成した。

CTIは音楽だけでなく、アルバムの装丁にも統一した方針を持っていた。写真家ピート・ターナーによる色彩の強い写真と、見開きジャケットを用いた作品が多く、録音、編曲、選曲、デザインを一体化したアルバム制作で知られる[2]

主な所属・録音アーティストには、ウェス・モンゴメリーアントニオ・カルロス・ジョビンジョージ・ベンソンフレディ・ハバードスタンリー・タレンタインヒューバート・ロウズジョー・ファレルミルト・ジャクソンポール・デスモンドチェット・ベイカー、デオダートらがいる。また、傍系レーベルのクードゥ・レコードからは、グローヴァー・ワシントン・ジュニアエスター・フィリップスハンク・クロフォードジョニー・ハモンドイドリス・ムハマッドらの作品が発売された。

歴史

A&Mレコードとの提携期

ベツレヘム、ABCパラマウント、インパルス!レコードヴァーヴ・レコードなどでプロデューサーを務めていたクリード・テイラーは、1967年にA&Mレコードと製造・販売契約を結び、CTIの名称とロゴを冠した作品の制作を開始した。CTIはテイラーが所有する制作会社として運営され、A&Mが製造、販売、宣伝を担当した[1]

CTI名義の最初のアルバムは、1967年に発売されたウェス・モンゴメリーの『ア・デイ・イン・ザ・ライフ』である。続いて、アントニオ・カルロス・ジョビンの『』、モンゴメリーの『ダウン・ヒア・オン・ザ・グラウンド』『ロード・ソング』、ジョージ・ベンソンの『シェイプ・オブ・シングス・トゥ・カム』などが制作された。この時期には、ジャズ演奏家にポピュラー曲やブラジル音楽を演奏させ、オーケストラ編曲と組み合わせるという、後年のCTIにも継承される制作方針が確立された。

独立と最盛期

1970年、テイラーはA&Mとの提携を終え、CTIを独立レーベルとして運営し始めた。初期の主要作品には、フレディ・ハバードの『レッド・クレイ』、スタンリー・タレンタインの『シュガー』、アントニオ・カルロス・ジョビンの『ストーン・フラワー』、ジョージ・ベンソンの『ビヨンド・ザ・ブルー・ホライゾン』などがある。これらの作品では、ジャズのソロ演奏と、ファンクやブラジル音楽に由来するリズム、緻密な編曲が組み合わされた。

1971年7月には、ソウル・ジャズおよびR&B色の強い作品を扱う傍系レーベル、クードゥ・レコードを設立した。クードゥではジョニー・ハモンド、グローヴァー・ワシントン・ジュニア、エスター・フィリップス、ハンク・クロフォード、イドリス・ムハマッドらが録音し、CTI本体よりもリズム・アンド・ブルース市場を意識した作品が制作された。のちにゴスペルやジャズ作品を扱うSalvation Recordsなどの傍系レーベルも設けられた[3]

1973年には、デオダートのアルバム『プレリュード』からシングル・カットされた「ツァラトゥストラはかく語りき」が、アメリカのBillboard Hot 100で第2位を記録した。同曲は1974年のグラミー賞で最優秀ポップ・インストゥルメンタル・パフォーマンスを受賞し、CTI最大級の商業的成功となった[4]

1970年代半ばには、グローヴァー・ワシントン・ジュニアの『ミスター・マジック』『フィールズ・ソー・グッド』、エスター・フィリップスの『ホワット・ア・ディファレンス・ア・デイ・メイクス』など、クードゥ作品もポップおよびR&B市場で成功した。またCTI本体では、パティ・オースティンやシーウィンドなどを扱うポピュラー音楽向けの5000シリーズが設けられ、レーベルの活動領域が拡大した。

経営問題と再建

CTIは高品質な録音、著名な演奏家や編曲家の起用、豪華なジャケット制作などに多額の費用を投じていた。1970年代半ばにはモータウンと販売契約を結んだが、契約終了後には作品の販売権をめぐる訴訟が生じた。これに制作費およびレコードのプレス費用、複数の法的紛争などが重なり、経営状態は悪化した[5]

1978年12月、運営会社Creed Taylor, Inc.は、ニューヨーク州南部地区の連邦裁判所に連邦破産法第11章に基づく再建手続きを申請した。その後、コロムビア・レコードとの契約を通じて、1970年代に制作された主要なマスター音源の管理権はコロムビア側に移り、のちにソニー・ミュージックによって再発売されることとなった[5]

ただし、破産手続き後もCTIの制作活動は直ちに終了したわけではなく、1980年代前半まで断続的に新作が発売された。1980年には多数の演奏家によるスタジオ・プロジェクト、フューズ・ワンの第1作が発売され、1982年にはチェット・ベイカー、ジム・ホール、ヒューバート・ロウズによる『スタジオ・トリエステ』などが制作された。

後年の活動

テイラーは1989年にCTIの活動を再編し、ルディ・ヴァン・ゲルダー、ピート・ターナーらと再び制作を行った。1990年にはCTIオールスターズによる『リズムスティック』を発売し、その後もラリー・コリエル、ドナルド・ハリソン、ジム・ビアード、チャールズ・ファンブローらの作品を制作した。

2009年には、ヒューバート・ロウズ、アイアート・モレイラ、フローラ・プリム、ランディ・ブレッカー、ジョン・マクラフリンジョージ・デュークらを集めたCTIオールスターズがヨーロッパ公演を行った。モントルー・ジャズ・フェスティバルでの公演は録音・撮影され、2010年にCD、DVDおよびBlu-rayで発売された。旧作についても、ソニー・ミュージックや日本のキングレコードなどから継続的に再発売されている。

沿革

代表的なアーティスト

脚注

  1. 1 2 Pfenninger, Leslie J.. CTI Records | On A&M Records (英語). www.onamrecords.com. 2026年6月27日閲覧。
  2. 1 2 Minsker, Evan (2022年8月24日). Creed Taylor, Jazz Producer Who Founded Impulse! Records, Dies at 93 (英語). Pitchfork. 2026年6月27日閲覧。
  3. CTI RECORDS: KUDU”. www.dougpayne.com. 2026年6月27日閲覧。
  4. tolsen (2013年1月2日). Billboard Hot 100™ (英語). Billboard. 2026年6月27日閲覧。
  5. 1 2 CTI Enters Chapter XI Bankruptcy (英語). Creed Taylor Produced (2020年12月8日). 2026年6月27日閲覧。
  6. エリック・ゲイルらが所属した

関連項目

外部リンク






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