CTIレコードとは? わかりやすく解説

CTIレコード

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/09/08 13:17 UTC 版)

CTIレコード
CTI Records
設立 1967年
設立者 クリード・テイラー
販売元 ソニー(アメリカ)
キングレコード(日本)
ジャンル フュージョン、クロスオーバー、ジャズ
国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
本社所在地 ニューヨーク
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CTIレコード(CTI Records)は、アメリカ合衆国の音楽プロデューサー、クリード・テイラーによって設立されたジャズ・レコードレーベル。名称の「CTI」は、テイラーが1966年に設立した制作会社Creed Taylor, Inc.の頭文字に由来する。1967年に同社がA&Mレコードと制作契約を結び、CTIのロゴを冠した作品を発表したのち、1970年に独立レーベルとなった[1]。

概要

CTIレコード創設者クリード・テイラー(2021年)
ニュージャージー州イングルウッド・クリフスのヴァン・ゲルダー・スタジオ(2022年)

CTIは、ジャズ奏者による即興演奏を中心に据えながら、ポピュラー音楽、ブラジル音楽、ソウル、ファンク、クラシック音楽など幅広い要素を取り入れた作品を制作した。小編成の演奏にストリングス、ブラス、木管楽器、パーカッションなどを加えた編曲も特徴となり、1970年代にはクロスオーバー・ジャズを代表するレーベルの一つとなった[2]。

作品の多くはクリード・テイラーが中心となって制作し、録音にはニュージャージー州イングルウッド・クリフスのヴァン・ゲルダー・スタジオと、録音技師ルディ・ヴァン・ゲルダーが起用された。編曲にはドン・セベスキー、ユーミール・デオダート、ボブ・ジェームスらが参加し、ロン・カーター、ハービー・ハンコック、ジャック・ディジョネットらの演奏家も多くのセッションに起用された[3]。

CTIはアルバムの視覚面でも一貫した方針を持ち、写真家ピート・ターナーによる鮮烈な色彩の写真を数多く採用した。A&Mとの提携期にはサム・アントゥピット、独立後にはボブ・シアノらがアート・ディレクションおよびデザインを手がけ、余白を活かした簡潔なレイアウトとタイポグラフィによって、ターナーの写真を前面に押し出した。また、A&M期にはゲートフォールド仕様のジャケットも多く用いられた。テイラーはこうした装丁まで含めて、アルバム制作を統括した[4]。

主な録音アーティストには、ウェス・モンゴメリー、アントニオ・カルロス・ジョビン、ジョージ・ベンソン、フレディ・ハバード、スタンリー・タレンタイン、ヒューバート・ロウズ、ジョー・ファレル、ミルト・ジャクソン、ポール・デスモンド、ユーミール・デオダートらがいる[5][6]。

歴史

A&Mレコードとの提携期

ヴァーヴ・レコードでプロデューサーを務めていたクリード・テイラーは、1967年に自身の制作会社Creed Taylor, Inc.を通じてA&Mレコードと契約を結んだ。CTIはA&Mとは独立した制作会社としてテイラーが録音内容を統括し、制作した作品をA&Mから発売する形で運営された[7]。

この提携による最初のアルバムは、1967年のウェス・モンゴメリー『ア・デイ・イン・ザ・ライフ』で、同年にはアントニオ・カルロス・ジョビン『波』も発売された。両作は商業的にも成功し、その後もジョージ・ベンソンやポール・デスモンドらの作品が制作された[8][9]。

独立と最盛期

1970年、テイラーはA&Mとの提携を終了し、CTI RecordsをCreed Taylor, Inc.の一部門として独立させた。同年2月、CTIが独立した販売網を構築し、日本ではキングレコードと3年間の契約を結んだ。独立後最初の発売作品にはヒューバート・ロウズ『クライング・ソング』などがあり、同時期にフレディ・ハバードの録音も開始された[10]。

1970年代初頭には、ハバードの『レッド・クレイ』や『ストレート・ライフ』、ジョビンの『ストーン・フラワー』、タレンタインの『シュガー』、ベンソンの『ビヨンド・ザ・ブルー・ホライゾン』、ロウズの『アフロ・クラシック』や『春の祭典』などが相次いで発売された[6]。

1971年7月には傍系レーベルのクードゥ・レコード(Kudu Records)を設立した。クードゥではCTI本体よりもR&B市場を意識した、ソウル・ジャズ色の強い作品を扱った。第1作はジョニー・ハモンドの『Breakout』で、グローヴァー・ワシントン・ジュニアやエスター・フィリップスらが主要アーティストとなった[11][12]。

1973年にはユーミール・デオダートのアルバム『プレリュード』に収録された「ツァラトゥストラはかく語りき」が大きな成功を収め、翌1974年の第16回グラミー賞で最優秀ポップ・インストゥルメンタル・パフォーマンスを受賞した[13]。

1974年にはモータウンと全米販売契約を結んだ。1975年にはグローヴァー・ワシントン・ジュニアの『ミスター・マジック』がビルボードのR&Bアルバム・チャートとジャズ・アルバム・チャートで1位を記録するなど、クードゥから商業的成功作も生まれた[14][15]。1976年には、ジャズ以外の市場への展開を目的とした5000番台の「Pop Series」を開始した[16][17]。

経営問題と再建

1970年代後半、CTIはモータウンとの販売契約や所属アーティストとの契約をめぐる訴訟に直面し、1978年12月には連邦倒産法第11章に基づく債務整理を申請した。ただし事業は継続され、旧作の再発売や新作制作も行われた[18]。

1980年には再建のためCBSレコードと資金・販売契約を結び、マスター録音に対する権利をCBSに与えた。その後の債務不履行を経て、1985年には対象となったマスターがCBSへ移管された[19]。

後年の活動

1990年、テイラーは日本のセゾングループ傘下のWAVEとの共同事業としてCTIを再始動させ、ポリグラムと世界規模の販売・ライセンス契約を結んだ。同年にはオーディオ/映像作品『Rhythmstick』を発表し、その後も新作制作を継続した[20]。

2009年にはCTIオールスターズによるヨーロッパ公演が行われ、モントルー・ジャズ・フェスティバルでの公演を収録した作品はテイラーがプロデュースし、ルディ・ヴァン・ゲルダーがミキシングおよびマスタリングを担当した。録音・映像は2010年に『2009 モントルー・ライブ』として発売された[21]。

代表的なアーティスト

脚注

  1. ↑ “Creed Taylor Forms CTI Label, Operation Sets Indie Status” (英語). Cash Box. (1970-02-28).
  2. ↑ “Back From the 'Remember When' Crowd”. The Washington Post (英語). 1977年8月28日.
  3. ↑ Doug Payne. “CTI Records: 6000 Series” (英語). 2026年9月7日閲覧。
  4. ↑ Paulo, Joaquim; Julius Wiedemann (2008) (英語). Jazz Covers. Taschen. ISBN 978-3-8228-2366-8
  5. ↑ “CTI Records” (英語). On A&M Records. 2026年9月7日閲覧。
  6. 1 2 “CTI Records Catalog: 6000 series - album index” (英語). Jazz Discography Project. 2026年9月7日閲覧。
  7. ↑ “Creed Taylor Multi-Faceted” (英語). Record World. (1967-10-21).
  8. ↑ “Creed Taylor Multi-Faceted” (英語). Record World. (1967-10-21).
  9. ↑ “A&M Records Catalog: 2000/3000 series - album index” (英語). Jazz Discography Project. 2026年9月7日閲覧。
  10. ↑ “Creed Taylor Forms CTI Label, Operation Sets Indie Status” (英語). Cash Box. (1970-02-28).
  11. ↑ “Kudu Formed as CTI Arm” (英語). Billboard: 13. (1971-07-31).
  12. ↑ West, Aaron J. (2008). Caught Between Jazz and Pop: The Contested Origins, Criticism, Performance Practice, and Reception of Smooth Jazz (Ph.D. thesis) (英語). University of North Texas. pp. 67–68.
  13. ↑ “16th Annual Grammy Awards” (英語). GRAMMY.com. Recording Academy. 2026年9月7日閲覧。
  14. ↑ “CTI: Success Through Artistic Identity” (英語). Record World. (1974-08-10).
  15. ↑ “Mr. Magic is Mr. Cross-Over” (英語). Billboard. (1975-05-24).
  16. ↑ (英語)Billboard. (1976-07-31).
  17. ↑ “CTI Records Catalog: 5000 series - album index” (英語). Jazz Discography Project. 2026年9月7日閲覧。
  18. ↑ “CTI Records Files Bankruptcy Petition” (英語). Billboard. (1978-12-23).
  19. ↑ Creed Taylor, Inc. v. CBS, Inc., 718 F. Supp. 1171 (S.D.N.Y. 1989-08-02).
  20. ↑ “Japanese Co. Breathes Life Into CTI Label” (英語). Billboard. (1990).
  21. ↑ “2009 モントルー・ライブ”. Billboard JAPAN (2010年). 2026年9月7日閲覧。

関連項目

外部リンク






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