76th Guards Air Assault Divisionとは? わかりやすく解説

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第76親衛空挺師団 (ロシア空挺軍)

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/28 04:37 UTC 版)

第76親衛空挺師団
創設 1939年9月1日
所属政体 ソビエト連邦
ロシア
所属組織 ロシア空挺軍
部隊編制単位 師団
兵科 空挺兵
兵種/任務/特性 空挺
所在地 プスコフ州プスコフ
通称号/略称 軍部隊07264
愛称 チェルニゴフ
標語 勝利の待つところなら、どこにでもいる
Мы всюду там, где ждут победу
上級単位 空挺軍司令部
担当地域 レニングラード軍管区
主な戦歴 第二次世界大戦
アフガニスタン紛争
トランスニストリア戦争
第一次チェチェン紛争
第二次チェチェン紛争
南オセチア紛争
ロシアのクリミア侵攻
ドンバス戦争
シリア内戦
ロシアのウクライナ侵攻
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第76親衛空挺師団ロシア語:76-я гвардейская воздушно-десантная дивизия;略称76 гв.ВДД)は、ロシア空挺軍師団。空挺軍司令部隷下。レニングラード軍管区内のプスコフ州プスコフ駐屯。

「赤旗勲章」、名誉称号「チェルニゴフ」を有する。契約制(志願制)のモデル部隊となっており、公式サイトも持っている。

沿革

東部バフムートの戦い

南部ザポリージャ州の戦い

戦争犯罪の疑い

ブチャの虐殺に関係したとして、アメリカ財務省は部隊に経済制裁を科した。民間人に対する暴力と、拘留者の殴打への関与、また「清掃」活動を任され、民間人が住んでいる住宅への侵入があったとしている[3][4]

ブチャでの民間人男性8人処刑

  • 2022年5月19日、ニューヨーク・タイムズは、ブチャで3月4日にウクライナ人男性8人が処刑された件について、調査結果を発表した。防犯カメラの撮影に加えて、近隣の家からの撮影、また、翌日の3月5日に撮影されたドローンの動画で目撃証言が確認された。記者は8人が殺害されてから4週間後にブチャを訪れ、生存者、目撃者、検視官、警察と軍関係者に取材し、処刑当日の未公開の動画を収集。SNSを精査し、犠牲者の家族に取材、処刑された8人とその理由を特定した。8人は民間人で、村の食料品店や工場で働いていた。しかし、侵攻以来、ウクライナ政府が男性の出国を制限し、村を守るという本人たちの決意と相まって、ほとんどは殺害前の数日間、さまざまな防衛軍に参加していた。ほぼ全員が処刑された場所から徒歩圏内に住んでいたという。この処刑に、第104空中機動連隊と第234空中機動連隊の兵士が関与したと見られる証言や物的証拠を得ている[5][6][7]
  • 8人が処刑されたときに、1人は負傷したが死んだふりをして生きのこった。この1人の電話を使って、ロシアの30の電話番号に電話がかけられており、Bucha Live Telegramチャンネルで電話番号が公開された。
  • 同年6月27日、iStoriesはニューヨーク・タイムズとBucha Live Telegramチャンネルの情報から独自に取材した内容を公開。Telegramチャンネルの管理者を通じ、電話の所有者にインタビューを依頼。6月16日にポーランドに避難していた所有者から連絡があり、ヤブロンスカ通り138番地で見つかった電話が本人のものであると確認。また、編集部はボーダフォン UA SIM カードから、オープンデータを使用してロシアの各番号を確認し調査した。さまざまな検索エンジンやSNS、および各連絡先がさまざまなユーザーによってどのように保存されているかを示すアプリを通じて確認と検証を行って兵士8人を特定し、最後に8人がかけた電話番号に記者が電話をしている。なお、この時点で3人が死亡している[8]

「浄化」と称する拷問と処刑

  • 同年3月27日、ジャーナリストのヴォロディミル・ゾルキンは、捕虜となった兵士ティモフィー・ボボフとの会話を動画で公開した[9]。ボボフは、2月24日に部隊が「ゴストメルまたはブチャを片付ける」ためウクライナに送られたと話した。部隊はバールで高層住宅のアパートを壊し、住民を地下室に連れて行くように指示されたという。ボボフの発言内容は、イギリスのジャーナリストが公開した壊れたアパートの写真により確認されている[10][11]
  • 同年11月3日、AP通信PBSの番組「フロントライン」との共同調査の結果を公表[12][13]。ブチャの監視カメラからの数百時間に及ぶビデオと、ロシア兵による電話の音声記録を検証。ニューヨークの映像調査会社との共同で2022年春にブチャ上空を飛行したドローンのデータから作成した3Dモデルを用いて、出来事を再現した。またミハイル・ホドルコフスキーが出資するロンドンの調査団体The Dossier Centerがロシアの電話番号・SNSのアカウント、公開報告、ロシアの流出データベースの情報を相互参照し、ウクライナ政府により電話を傍受された兵士の身元を確認している。
    • ロシア軍は諜報機関が作成したリストに載っている人々を探し、潜在的な脅威を特定するために一軒一軒訪ね歩いた。ウクライナ軍を助けたと疑われる義勇兵や民間人など、このろ過を通過しなかった人々は拷問され、処刑されたことが、監視ビデオや傍受した音声、生存者のインタビューで判明した。
    • 3月14日にブチャ近くの携帯電話から母親に電話した兵士は、少年のTelegramアカウントをチェックし、ロシア人の位置や兵站に関する情報が入っていると知るや、その場で射殺したと話している。同月17,18日に母親に電話をかけた兵士(第234親衛空中機動連隊に所属)は、部隊が戦車で「浄化」に出かけ、武器を押収し、人々を身体検査し、「情報があるかどうか、誰が我々に敵対しているか」を調べるために電話を調べると説明し、「必要であれば、殺す」と話した。同月21日にキーウ郊外から妻に電話した兵士は「酒がない生活には耐えられない」と言っており、心配した妻に「全然、普通だよ。民間人を撃つ方が簡単だ」と多数の民間人殺害を告白している。
    • 遺族の一部はロシアを相手取り、欧州人権裁判所に訴訟を起こしているという。

編制

  • 師団司令部
    • 第7整備大隊
    • 第124戦車大隊
    • 第175偵察大隊
    • 第656工兵大隊
    • 第728通信大隊
    • 第1682物流大隊
    • 第3396空中機動陸軍病院
  • 第4防空連隊:旧第165独立高射ミサイル大隊
  • 第104空中機動連隊
  • 第234空中機動連隊
  • 第237空中機動連隊
  • 第242軍事輸送航空飛行隊
  • 第1140砲兵連隊

プスコフ州ストルギ・クラースヌィエに、正面11km、縦深34km、総面積37万haの演習場を有する。

歴代師団長

職名 就任年 氏名 階級
師団長 1939年 - 1941年 ワシーリー・グラゴレフ 親衛大佐
師団長 1941年 - 1941年 ドミトリー・トミロフ 親衛大佐
師団長 1941年 - 1942年 ドミトリー・クロパテンコ 親衛大佐
師団長 1942年 - 1942年 ドミトリー・トミロフ 親衛大佐
師団長 1942年 - 1942年 ヤコフ・シュテイマン 親衛大佐
師団長 1942年 - 1942年 ドミトリー・クロパテンコ 親衛大佐
師団長 1942年 - 1948年 アレクサンドル・キルサノフ 親衛少将
師団長 1948年 - 1950年 ワシーリー・マルゲロフ 親衛少将
師団長 1950年 - 1953年 ミハイル・エンシン 親衛少将
師団長 1953年 - 1955年 グリゴリー・ホーロド 親衛大佐
師団長 1955年 - 1957年 ニコライ・ザハロフ 親衛少将
師団長 1957年 - 1959年 アンドレイ・エヴダン 親衛少将
師団長 1959年 - 1962年 アナトーリー・ポルシュキン 親衛大佐
師団長 1962年 - 1968年 ヴィクトル・オメトフ 親衛少将
師団長 1968年 - 1971年 ワレンチン・コストゥイレフ 親衛少将
師団長 1971年 - 1976年 レオニード・クジメンコ 親衛少将
師団長 1976年 - 1979年 グリゴリー・オニシチェンコ 親衛少将
師団長 1979年 - 1981年 アリベルト・スリュサリ 親衛少将
師団長 1981年 - 1983年 ユーリー・ムラヴィエフ 親衛大佐
師団長 1983年 - 1986年 ゲオルギー・シュパク 親衛少将
師団長 1986年 - 1990年 ヴャチェスラフ・ハリロフ 親衛少将
師団長 1990年 - 1992年 ユーリー・ソセドフ 親衛少将
師団長 1992年 - 1995年 イワン・バビチェフ 親衛少将
師団長 1995年 - 1996年 アレクサンドル・ポポフ 親衛少将
師団長 1996年 - 2005年 スタニスラフ・セメニュタ 親衛少将
師団長 2005年 - 2009年 アレクサンドル・コルパチェンコ 親衛少将
師団長 2009年 - ヴャチェスラフ・ボリソフ 親衛少将

外部リンク

脚注

出典

  1. ^ Russian Offensive Campaign Assessment, June 3, 2023 戦争研究所
  2. ^ 押されるロシア軍がたまらず予備投入 失敗なら大損害の「全賭け」に”. Forbes (2023年8月28日). 2023年8月28日閲覧。
  3. ^ США ввели санкции против псковских десантников за события в Буче”. gubernia.media (2022年6月29日). 2022年8月26日閲覧。
  4. ^ Targeting Russia’s War Machine, Sanctions Evaders, Military Units Credibly Implicated in Human Rights Abuses, and Russian Federation Officials Involved in Suppression of Dissent” (英語). United States Department of State (2022年6月28日). 2022年8月26日閲覧。
  5. ^ Al-Hlou, Yousur; Froliak, Masha; Hill, Evan; Browne, Malachy; Botti, David (2022年5月19日). “New Evidence Shows How Russian Soldiers Executed Men in Bucha” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/2022/05/19/world/europe/russia-bucha-ukraine-executions.html 2022年9月4日閲覧。 
  6. ^ The New York Times опубликовала новые видео и свидетельства убийств жителей Бучи Российские десантники убили восемь человек, утверждают журналисты” (ロシア語). Meduza (2022年5月20日). 2022年9月4日閲覧。
  7. ^ Evan Hill(@evanhill) (2022年5月20日). “https://twitter.com/evanhill/status/1527397291145019400”. Twitter. 2022年9月4日閲覧。
  8. ^ Eight Pskov paratroopers in Bucha” (ロシア語). istories.media (2022年6月27日). 2022年9月4日閲覧。
  9. ^ Ищи своих”. Telegram (2022年3月27日). 2022年11月22日閲覧。
  10. ^ "Холодно, пусть еще полежат". Кто в ответе за убийства в Буче” (ロシア語). Радио Свобода (2022年4月4日). 2022年11月22日閲覧。
  11. ^ Война в Украине: улицы Бучи усеяны сгоревшими танками и телами погибших” (ロシア語). BBC News Русская служба (2022年4月3日). 2022年11月22日閲覧。
  12. ^ How Russian soldiers ran a 'cleansing' operation in Bucha” (英語). AP NEWS (2022年11月3日). 2022年11月4日閲覧。
  13. ^ Война в Украине. 254‑й день” (ロシア語). Медиазона (2022年11月4日). 2022年11月4日閲覧。

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