石倉夏生とは? わかりやすく解説

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石倉夏生

石倉夏生の俳句

あをぞらの鱗の桜ふぶきかな
おとがひの上にくちびる夏帽子
くちびるに涙の入る枯木坂
くれなゐの水飛沫なり囀りは
これからが桜の数や飛花を浴ぶ
それぞれの躰持ち寄り日向ぼこ
てんとむしだましに深い空ありぬ
とある夜大きな桃を戴きぬ
はらわたも火点し頃や冷し酒
ひきがへるにも喉仏ありさうな
みづいろの春眠くれなゐの永眠
サングラスとれば荒野の殺到す
一群の向日葵はジャズメンのやう
凍蝶の脳裡に映りしは何ぞ
噴水は永久に白髪且つ怒髪
境目をさがしに昇る雲雀かな
手の砂を砂に垂らせり大夕焼
文面に青き淵あり春の雪
映りたきものを映して冬の沼
月光を液体として象あそぶ
梟のみつめし闇のぬれてゐし
椿落つ火の零戦は海へ墜つ
父のやう桜のあとの坂道は
瞬きを目玉気づかず滝に立つ
瞳孔の奥に雨ふる菊人形
秋蛍むかし暗号解読兵
竹馬の兄が昭和を跨ぎ来し
素もぐりのぽつかりと浮く終戦日
綿虫を光らせてゐる人差指
蓮の実の緑を噛んで旬老人
蛍火をふやす黒人霊歌かな
逃水にさつと黒潮すつと鮫
闇に降る雪の疾さの昭和かな
鬼百合あれは出征前夜の父
鳴きさうな昭和の亀を飼つてゐる
 




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