木村 淳とは? わかりやすく解説

木村淳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/17 01:13 UTC 版)

2012年臨床神経生理学会ハンズオン

サムネイル

木村 淳(きむら じゅん、1935年2月25日 - 2022年3月3日)は、米国と日本を中心に世界中で活躍した臨床神経生理学(特に筋電図分野)、臨床神経学の第一人者。1989年に京都大学神経内科学教授となってからは日本の臨床神経学、臨床神経生理学の発展に尽くし、その国際化に大きな貢献を果たした。退官後もアイオワ大学で最後まで教鞭を執り続けた。アイオワ大学名誉教授、京都大学名誉教授。米国電気診断医学会、日本臨床神経生理学会、国際臨床神経生理学連合、世界神経学連合の理事長を歴任。2022年3月、現役の医師・研究者のまま急逝した。晩年に米国国籍を取得。兄は精神病理学者の木村敏。2022年にその功績をたたえて日本臨床神経生理学会に学会の特別賞 Jun Kimura Award が設立された。

来歴

1935年2月25日 京都で生まれ、医師である 父親が高山日赤病院に赴任したため1歳から18歳までを高山で育つ。

講演(2005年筋電図セミナー)

1957 京都大学工学部を卒業し、医学部へ学士入学。

2001年ハンズオンレクチャー

1961 医学部卒業 横浜海軍病院でインターン。

1962 フルブライト奨学生として渡米。アイオワ州立大学神経科でレジデント、フェロー。

1969 カナダ、マニトバ大学内科助教授。

1972 アイオワ州立大学医学部神経科準教授。

1977 アイオワ州立大学医学部神経科臨床神経生理部門教授。

1989 京都大学神経内科講座教授(アイオワ大学教授を併任)。

1998 京都大学退官、名誉教授。以後アイオワに本拠を移しアイオワ大学名誉教授として大学で指導を続け、世界各地で筋電図の普及のためのハンズオンや講演をおこなった。

2006 北京天壇病院客員教授となり中国の臨床神経生理学の発展にも尽くした。

2022年3月3日朝、自宅にて急逝。前日まで普段通り執務しており現役のままこの世を去った。87歳になったばかりだった。

役職

American Association of Electrodiagnostic Medicine理事長 (1985-1986)

Muscle&Nerve(米国神経筋電気診断学会AANEMの学会誌)の編集長 (1988-1997)

世界神経学連合(WFN)での挨拶

International Federation of Clinical Neurophysiology理事長 (1989-1994)

日本臨床神経生理学会理事長 (1992-2001)

World Federation of Neurology理事長 (2001-2005) 

国際臨床神経生理学会議会長・日本臨床神経生理学会学術大会会長 (1995) 

日本神経学会学術大会会長 (1998)

主な研究と仕事

F波の臨床応用、Blink Reflexの臨床応用、遠隔電場電位の発生機序の研究、運動・感覚電位の成り立ちの研究、インチング法を用いた圧迫性神経障害の診断、筋電図正常値の作成など世界の臨床筋電図の基礎を確立する研究を行った。これらを中心とした500編以上の原著論文がある。日本におけるボツリヌス治療の普及にも力を注いだ。さらに筋電図・臨床神経生理学の教育と普及のために世界100か国以上を飛び回り、数多くのハンヅオンや講義を行った。発展途上国、治安の悪い国であっても招待を受けたら決して断らないことを信条としており世界中の人々から敬愛された。

著書

Electrodiagnosis in Diseases of Nerve and Muscle: Principles and Practice (第4版 Oxford Univ Press, 2013)

神経伝導検査と筋電図を学ぶ人のために (第2版 医学書院, 2010)

ほか多数

受賞

1. Distinguished Research Award, American Association of Electrodiagnostic Medicine (1995)

2. Geoffrey Parr Lecture, Association of British Neurologists and British Society of Clinical Neurophysiology, London, UK (1996)

3. Lambert Lecture, American Association of Electrodiagnostic Medicine, Minneapolis, USA (1996)

4. Kugelberg Lecture, XIV International Congress of Clinical Neurophysiology, Florence, Italy (1997)

5. Lifetime Achievement Award, American Association of Electrodiagnostic Medicine (1999)

6. Schwab Lecture, American Academy of Clinical Neurophysiology (2005)

7. Lifetime Achievement Award, International Congress of Neuromuscular Diseases (2006)

8. Janez Faganel Memorial Lecture, Quantitative EMG Conference, Lujbljana, Slovenia (2007)

9. America’s Top Physicians, Consumers’Research Council of America (2009)

10. Distinguished Lecture Series, Jun Kimura, MD, AAET Annual Meeting, San Diego, CA (2009)

11. Senior Visiting Professor, Department of Neurology, Faculty of Medicine, Universitas Padjadjaran, Indonesia (2013)

12.Clinical Excellence Award, Hands On Diagnostic Service, Inc. 2nd Annual Symposium Agenda, New York, NY (2015)

13.Professor Yu-Zen Shen;s Memorial Lecture, AOCM & Taiwan Child Neurology, Hsinchu, Taiwan

好きな言葉

論語の「恕」、人の心を思う、compassion  まさに言葉通りの人生であった

出典

1)https://www.aanem.org/News-Express/Membership/Remembering-Jun-Kimura

2)https://www.lensingfuneral.com/obituaries/Dr-Jun-Kimura?obId=24192104

3)https://accedx.org/storage/app/media/kimura-jun-cv.pdf

4)木村淳、中野今治、このヒトに聞く 電気生理学の頂から神経内科を想う BRAIN and NERVE 64:191-200, 2012

5)木村淳 世界からみた日本神経学会の半世紀 臨床神経 49:737-740, 2009

6)木村淳 神経学に魅せられて:若い世代への期待 臨床神経 48:792-797, 2008

7)Eisen, A In Memorium: Jun Kimura, MD Muscle Nerve. 2022 Mar 21. doi: 10.1002/mus.27536.

8) 日本臨床生理学会 木村淳先生追悼特集  臨床神経生理学 50 (3) 113 - 129, 2022 


木村 淳(きむら あつし)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/30 18:50 UTC 版)

官能小説 (漫画)」の記事における「木村 淳(きむら あつし)」の解説

小菅元彼氏。再就職先が決まらず、椎野の家に居候する。

※この「木村 淳(きむら あつし)」の解説は、「官能小説 (漫画)」の解説の一部です。
「木村 淳(きむら あつし)」を含む「官能小説 (漫画)」の記事については、「官能小説 (漫画)」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「木村 淳」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「木村 淳」の関連用語

木村 淳のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



木村 淳のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの木村淳 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの官能小説 (漫画) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS