星たちの息子 (武満徹)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 星たちの息子 (武満徹)の意味・解説 

星たちの息子 (武満徹)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/28 07:45 UTC 版)

星たちの息子』(ほしたちのむすこ) は、武満徹による編曲作品。原曲は、エリック・サティ作曲の同曲から第1幕への前奏曲「天職」。1975年 (昭和50年) に編曲された。

編曲の経緯

サティの没後50年にあたる1975年 (昭和50年)、秋山邦晴は「異端の作曲家エリック・サティ連続演奏会」を企画、東京の渋谷ジァン・ジァンで3年かけてサティの室内楽曲・器楽曲の全作品の演奏会を開いた[1][注 1]。第1回目の演奏会は、サティの誕生日である5月17日に行われ[3]、以後、大体隔月で17日に連続演奏会は続けられた[4]。ジァン・ジァンが小さな劇場だったせいもあるが、演奏会は毎回超満員だったという[4]。この連続演奏会の第2回は同年12月に公演され、その時のタイトルは「ペラダンのバラ十字教団とサティ」というもので、この演奏会のために秋山が友人の武満に編曲を依頼した[1]。演奏会の半年ほど前に秋山から依頼された武満は、3曲ある前奏曲のうち第1幕への前奏曲をフルートハープのために編曲し、秋山に手渡した[1]。武満自身、残りの2つの前奏曲を編曲する意思はあり、書かなきゃと言っていたが、結局、最初の前奏曲が編曲されただけに終わった[5]

編成

初演

1975年12月17日、東京・渋谷ジァン・ジァンにて、小泉浩 (フルート独奏)・木村茉莉 (ハープ独奏) により初演された[1][5]。初演は好評で、アンコールに2回演奏されたが[1]、小泉浩によるとコンサート会場は非常に暑くて難儀したという[5]

演奏時間

約5分

出版

ショット・ミュージック

録音

  • Insomnia 眠れない夜、Philips PHCP-1812、ギドン・クレーメル (ヴァイオリン独奏)・吉野直子 (ハープ独奏)、1996年5月・紀尾井ホールで録音
  • 武満徹 響きの海 室内楽全集1、キングレコード KICC 581-582、小泉浩 (フルート独奏)・木村茉莉 (ハープ独奏)、2002年4月11日 東京オペラシティリサイタルホール、武満徹全室内楽曲連続演奏会 響きの海・Ⅰ、ライブ録音

脚注

  1. ^ 演奏会は全部で12回開かれた[2]

出典

  1. ^ a b c d e 秋山邦晴『エリック・サティ覚え書』青土社、1990年、427頁。ISBN 4-7917-5069-1 
  2. ^ アンヌ・レエ『エリック・サティ』白水社、2004年、218頁。ISBN 4-560-07371-6 (原著の発刊は1974年。)
  3. ^ レエ『サティ』p.215.
  4. ^ a b レエ『サティ』p.216.
  5. ^ a b c 武満徹 響きの海 室内楽全集1、キングレコード、KICC 581-582、ライナーノーツ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  星たちの息子 (武満徹)のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「星たちの息子 (武満徹)」の関連用語

星たちの息子 (武満徹)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



星たちの息子 (武満徹)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの星たちの息子 (武満徹) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS