大原 裕とは? わかりやすく解説

大原裕

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/31 13:43 UTC 版)

大原 裕
生誕 1959年
ジャンル 即興音楽、ジャズ、現代音楽
担当楽器 トロンボーン
共同作業者 SIGHTS、LIVE! LAUGH!
テンプレートを表示

大原 裕(おおはら ゆたか、1959年 - )は、日本のトロンボーン奏者、作曲家。関西の即興音楽シーンを中心に活動し、豊かな音楽性とエネルギッシュな演奏スタイルで知られた。

略歴と活動

トロンボーン奏者としての高い表現力に加え、独自の視点による作曲・編曲も行っていた。

1990年代、京都のジャズスポット「セサモ」でのセッションをきっかけに、船戸博史(コントラバス)、芳垣安洋(ドラムス)とともに即興ユニットSIGHTSを結成。三人による不可分なアンサンブルは「大阪最深部の鼓動を伝える」と評され、音楽性は即興性と空間性を重視し、ジャズの枠を超えた表現が特徴とされた。[1] 大原は「普通のスタンダードを4ビートで演奏することに面白さを感じられなかった」と語り、SIGHTSを通じて自身の音楽を模索していたという。[2]

SIGHTSは京都・大阪を拠点に活動し、東京方面へも頻繁に遠征を行っていた。『El Sur』(1990年、カセット)など複数の録音を残し、後にOFF NOTEレーベルよりCD(2001年)として再発された。

1996年には、アコースティック・ブラスバンド LIVE! LAUGH!(リヴ・ラフ) を結成。ジャンル横断的なレパートリーを取り上げ、自由で躍動的なアンサンブルを特徴とする大編成バンドとして、ライブハウスやフェスティバルに出演した。

また、大原はネッド・ローゼンバーグ、バール・フィリップス、ジョン・リンドバーグ、高瀬アキ、アレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハ、渋谷毅オーケストラ、渋さ知らズなど、国内外の即興音楽家やジャズミュージシャンと幅広く共演している。[2]

音楽性

洗練された技術よりも、楽曲や演奏が本来持つ感情の核をつかみとることに重きを置いた演奏を信条とし、多くの共演者・後進に強い印象を残した。そのブロウはしばしば「骨太で情熱的」「本質を投げつけるような」と評される。[3] 大原は「ジャズはフレーズの模倣ではなく、日々の生活から自然に生まれる音であるべきだ」と語り、既成のスタイルをなぞることを否定した。「コピーしても、本人が持っていたパワーは出てこない。だからこそ、自分に正直であることが大切」とし、「フレーズで勝負しない」という姿勢を貫いていた。[2]

人柄と影響

率直で豪快な人柄でも知られ、若い演奏家や文筆家を励ますなど、周囲に大きな影響を与えた。現在も彼の音楽に触れた人々の記憶の中で、その存在が語り継がれている。

ディスコグラフィ

SIGHTS

SIGHTS の主な録音作品。[2]

  • 『El Sur』 – Sur Music OYO-1/カセット、1990年、大阪スタジオ録音
  • 『First Sight』 – DNA ACT-1/CD、1992年録音
  • 『Pink; Live at Big Apple』 – Sur Music OYO-2/カセット、1994年、神戸ビッグアップルでのライヴ録音
  • 『タッタ (Tatta)』 – Voice From All Access VAA-001/CD、1995年録音

その他の作品

  • 『風ヲキッテ進メ!』 – LIVE! LAUGH!(OFF NOTE ON-34/CD)

関連項目

脚注

出典

  1. ^ 25年以上も前のことだけど。(note、2019年7月)
  2. ^ a b c d 大原裕「現代日本ジャズの諸相(3) 関西から吹く熱い風」『ジャズ批評』No.86、1996年1月、pp.229–231。
  3. ^ 昔の写真が届いた。トロンボーン奏者、大原裕(note、2023年4月)

参考文献

  • 大原裕「現代日本ジャズの諸相(3) 関西から吹く熱い風」『ジャズ批評』No.86、ジャズ批評社、1996年1月、pp.229–231。

外部リンク


大原裕

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 08:15 UTC 版)

シュート!」の記事における「大原裕」の解説

九里浜学園高校参照

※この「大原裕」の解説は、「シュート!」の解説の一部です。
「大原裕」を含む「シュート!」の記事については、「シュート!」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「大原 裕」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「大原 裕」の関連用語

大原 裕のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



大原 裕のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの大原裕 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのシュート! (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS