具志堅のシニグ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/13 01:37 UTC 版)
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具志堅のシニグ(ぐしけんのシニグ)は、沖縄県国頭郡本部町具志堅に伝えられる民俗行事である。神役による祭祀と、シニグ舞と称される歌舞に特徴がある。本部町の無形民俗文化財に指定されている。
概要
シニグ(シヌグ、シニーグ)は、沖縄のほとんどの部落で旧暦7月に行われる祭式行事である。
かつてはどの部落でも数日間にわたってこの行事が行われていたようだが、現在ではそのほとんどが1日か、あるいは2、3日くらいで済ませている。
シニグでは、五穀豊穣と共に海の幸や山の幸についての感謝と祈願がされる他、全ての厄災を払い、部落の発展と合わせて子孫繁栄や出稼ぎ・旅行中の家族達の健康と幸福も祈られる。
シニグ舞
シニグ(舞)はどの部落でも必ず円陣を組み、舞いながら次第に前進する形式をとる。シニグの当日は、部落中の婦女子が、神アサギの前庭で円陣を組み、神人(カミンチュ)や老婦人が音頭取りとなって、打ち鳴らす鼓(チジン)に合わせてシニグ歌を歌う。
舞は、両手を合わせて拝んでいるような「拝み手」、手のひらを立ててゆっくりと前に押し出す「押し手」、両手をもって左や右を払っているような「払い手」、神前にお供えをするような「捧げ手」、手首を軽くまげてまわす動作の「こねり手」など、単純で素朴な手振りと共に体をくねらせたりする。足運びは、右に開いてそろえたり、左にそろえたりして、少しずつ前進しながら舞う。
シニグ舞には古代の祭式舞踊がしのばれ、神を祀ることができるのは女性であったという古代神道の名残が表れている。
本部町具志堅のシニグ
具志堅部落では「シニグ」のことを「シニーグ」と呼んでいる。同シニーグも、神に対して豊年を感謝すると共に、さらに豊年が続くように祈願する祭りで、以前は旧暦7月19日から26日までの8日間にわたって祭りをしというが、現在では7月25日の「シニグ舞」の日に一括して行なっている。
かつての祭事日程は下記の通り。
- 19日 ウーニフジ(御船漕)
- 21日 ウーユミ (大弓)
- 23日 シルガミ
- 24日 シニグミチ
- 25日 ハートンチミチ(暁神酒)
- 25日 シニーグ(舞)
- 26日 タムトノーイ
祭りの最後の奉納舞踊であるシニーグは、シニグ行事の中では最も重要な意義を持つとされる。
このシニーグは古い時代の祭の様相を舞踊化したものであることが考えられ、昔からの伝統そのままのものが、今に受け継がれており、具志堅のシニーグも、民俗芸能として大変貴重なものである。
シニグ歌
- しち踊
- 天のぶり節
- いんちやウー
- うでけらし
- 坂本節
- かなぐわー節
- 真謝ぬ大あさぎ
- はんぜーく節
- 本部ぬぶい水
- 七尺節
- しち踊
- 今年するシニグ
参考文献
- 新城徳祐『古代伝統の祭 具志堅のシニーグ』三ツ星印刷所 1943年8月1日
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