不誠実な選挙人とは? わかりやすく解説

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不誠実な選挙人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/05 15:30 UTC 版)

不誠実な選挙人(ふせいじつなせんきょにん、英: faithless elector)とは、アメリカ合衆国の大統領選挙における選挙人制度において、州や政党への誓約に反して他の候補者に票を投じる、あるいは棄権する選挙人を指す[1]。 合衆国憲法や連邦法には、選挙人が誓約を守る義務が明記されておらず、その拘束力は州法に依存している[2]。 歴史上、不誠実な選挙人が結果を左右した例は存在しない[3]

法制度

アメリカ合衆国の多くの州では、選挙人に誓約通りの投票を義務付ける「faithless elector laws」が存在する。2020年現在、37州とコロンビア特別区が誓約義務法を定め、そのうち14州では違反投票を無効とし、代替選挙人を指名できるとする[4]。 2020年7月6日、アメリカ連邦最高裁判所はChiafalo v. WashingtonおよびColorado Department of State v. Bacaの判決において、州が誓約違反者を罰する法を施行できると全会一致で認めた[5]

歴史

不誠実な選挙人の発生は、18世紀末から現代に至るまで断続的に見られる。 1836年にはバージニア州の選挙人23名が副大統領候補リチャード・メンター・ジョンソンへの投票を拒否し、上院が副大統領を選出する事態となった[6]。 近年では2016年大統領選挙において、10人の選挙人が誓約候補以外の人物に投票したことで注目された[7]

判例

  • Ray v. Blair(1952年) - 州が選挙人に誓約を求めることの合憲性を認めた[8]
  • Chiafalo v. Washington(2020年) - 州法による誓約拘束と罰則を合憲と判断した[9]

論点

不誠実な選挙人の存在は、州民の投票意思を反映しないという批判がある[10]。 一方で、選挙人に判断の自由を残すことは、憲法制定時の趣旨を尊重するという立場もある[11]

関連項目

脚注




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