ヴォークレイン式複式蒸気機関
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/23 07:39 UTC 版)
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ヴォークレイン式複式蒸気機関(ヴォークレインしきふくしきじょうききかん)とは、蒸気機関車に搭載された複式機関である。
概要
1889年にボールドウィン・ロコモティブ・ワークスのサミュエル・ヴォークレイン (Samuel M. Vauclain) はヴォークレイン式機関車を考案した。この設計では在来の単式膨張機関と同じスペースに収められる複式膨張機関を用い、在来型の弁装置により高圧・低圧両方のシリンダーを単一のピストンバルブで駆動できた。
この方法で燃費効率は改善したが、同時にレシプロマスの増大が起きた[注釈 1]ことで振動が激しくなるという副作用があり、メリットの燃費も過熱器が使われるようになると単式との差が小さくなったことで生産されなくなった[1]。
なお、燃費効率以外ではトルク変動が2気筒単式より小さくなった(空転しにくくなった)が、これは複式でカットオフの長いことが原因[2]。
デンバー・アンド・リオグランデ・ウェスタン鉄道のK-27や国鉄8000形蒸気機関車、国鉄8450形蒸気機関車で採用された。
代表的なヴォークレイン複式機関車の形式
- デンバー・アンド・リオグランデ・ウェスタン鉄道 K-27型蒸気機関車
- 国鉄3380形蒸気機関車
- 国鉄3500形蒸気機関車
- 国鉄3700形蒸気機関車
- 国鉄5060形蒸気機関車
- 国鉄8000形蒸気機関車9号機 - 1892年に輸入された日本初の複式機関車
- 国鉄8250形蒸気機関車
- 国鉄8450形蒸気機関車
- 国鉄8500形蒸気機関車
脚注
注釈
出典
- ^ 齋藤晃「蒸気機関車の技術史 (改訂増補版) (交通ブックス117)」、成山堂書店、2018年、 ISBN 978-4425761623。p.72-74。
- ^ 齋藤晃「蒸気機関車200年史」、NTT出版、2007年、 ISBN 978-4-7571-4151-3。p.190-191
外部リンク
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