レイの失踪
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/12 20:47 UTC 版)
業種 | eラーニング, 情報教育 |
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製品 | 教育プログラム |
ウェブサイト | www |
対応言語 | 日本語 |
レイの失踪は、株式会社Classroom Adventureが開発した教育プログラムである。ゲーミフィケーションを活用し、SNSを通じた「闇バイト」の問題を学ぶことを目的としている[1][2]。2024年12月にリリースされ、複数の教育機関で使用されている[3]。
プログラム概要
レイの失踪は、SNSを模した環境内で展開される謎解きゲーム形式の教育プログラムである。参加者は「レイ」という架空の女子高生が闇バイトに関わって失踪したという設定のもと、SNSでのやり取りや投稿を分析する[4]。
プログラムの構成は以下の通りである:
- 闇バイトに勧誘される状況の理解
- 闇バイトの勧誘方法や手口の検討
- 対処法の学習
一般的に、ゲームパート(約60分)とレッスンパート(約30分)の2部構成で実施される[5]。
開発背景
開発の背景には、若年層の闇バイト関与が社会問題化していることがある。警視庁の統計によれば、2024年の闇バイト関連の警告は1万件以上で、逮捕者の約8割が10代から20代であったと報告されている[要出典]。また、民間企業の調査では、高校生の多くが闇バイトの求人を見分けられないことが指摘されている[6]。
2024年11月に開発が始まり、同年12月にリリースされた[7]。
特徴
レイの失踪の特徴として、以下の点が挙げられている:
導入状況
報道によれば、レイの失踪は2024年12月6日に実践女子学園中学校・高等学校で初めて実施された[8]。その後、岡崎城西高校、武蔵野大学中学校・高等学校、学習院大学などの教育機関で使用されている[6]。
2025年3月には兵庫県の県立高校2校でモデル授業が実施されるなど、自治体との連携も報告されている[10][11]。
また、沖縄県の渡名喜村立渡名喜中学校でも利用されている[12]。
開発企業
レイの失踪は、慶應義塾大学の学生が設立したClassroom Adventureによって開発された[13]。同社は以前に、偽情報対策プログラム「レイのブログ」を開発している[3]。
2024年12月、同社は東京都主催のスタートアップコンテスト「Tokyo Startup Gateway 2024」で最優秀賞を受賞した[4]。
脚注
- ^ “【疑似体験】闇バイトを防ぐ新たな取り組みが教育現場に”. NHK NEWS WEB (2025年1月16日). 2025年1月17日閲覧。
- ^ 「[教育ルネサンス]情報リテラシーを育む<1>「闇バイト」誘いには乗らない SNS使う巧妙手口 ゲーム仕立てで体験」『読売新聞』2025年2月11日。2025年2月12日閲覧。
- ^ a b 「オンラインゲームを通じて「闇バイト」の危険性を学ぶメディアリテラシー教育プログラム「レイの失踪」を、慶応大の現役学生らでつくるスタートアップ企業が開発」『毎日新聞』2025年1月9日。2025年1月10日閲覧。
- ^ a b “「闇バイト」を追体験する。全く新しいネットリテラシープログラム「レイの失踪」をリリース【東京都スタートアップコンテスト優勝】”. PR TIMES (2024年12月3日). 2024年12月4日閲覧。
- ^ “忍び寄る“闇バイト”…「レイの失踪」ゲームで追体験 応募者の3割が30代以上…中高年にも犯罪加担の危険性【しってる?】”. フジテレビ (2025年1月14日). 2025年1月15日閲覧。
- ^ a b “教育現場で進む『レイの失踪』の導入…情報リテラシー教育や"SNS防犯"をゲームやAIで スタートアップ企業の挑戦”. 東海テレビ (2025年2月20日). 2025年2月21日閲覧。
- ^ “友人が失踪、SNSたどると…「闇バイト」疑似体験のゲーム、学校で”. withnews (2025年1月11日). 2025年1月12日閲覧。
- ^ a b “「猫探し」は犯罪の入口!?国内初、闇バイト追体験ゲーム「レイの失踪」を活用した授業が開催。中学生がリアルなSNSを通じて闇バイトのリスクを学ぶ。”. PR TIMES (2024年12月9日). 2024年12月10日閲覧。
- ^ “勢多農高(群馬・前橋市)の生徒が闇バイトを疑似体験 ゲーム「レイの失踪」で手口や怖さ学ぶ | 上毛新聞社のニュースサイト”. 勢多農高(群馬・前橋市)の生徒が闇バイトを疑似体験 ゲーム「レイの失踪」で手口や怖さ学ぶ | 上毛新聞社のニュースサイト (2025年3月12日). 2025年3月12日閲覧。
- ^ “兵庫県、産学官連携で闇バイト対策の取り組みを実施(こどもとIT)”. Yahoo!ニュース. 2025年3月12日閲覧。
- ^ “民間と自治体が協力した闇バイト対策が実現へ。闇バイト疑似体験ゲーム「レイの失踪」で兵庫県の高校生が闇バイトを学ぶ。”. PR TIMES (2025年3月7日). 2025年3月8日閲覧。
- ^ 「渡名喜村立渡名喜中学校の1・3年生計3人が2月10日、ネットリテラシーを身に付ける教育プログラム「レイの失踪」を体験した。」『沖縄タイムス』2025年2月11日。2025年2月12日閲覧。
- ^ “レイの失踪公式サイト”. Classroom Adventure (2025年3月1日). 2025年3月2日閲覧。
関連項目
外部リンク
- レイの失踪のページへのリンク