モロッソのリズムでとは? わかりやすく解説

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モロッソのリズムで

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/14 23:37 UTC 版)

音楽・音声外部リンク
アルカン『モロッソのリズムで』op.39-2
すべての短調による12の練習曲 作品39: II. ニ短調 《モロッシアのリズムで》 - 森下唯(ピアノ)による演奏、The Orchard Enterprises提供のYouTubeアートトラック。
Ètudes dans tous les tons mineurs, Op. 39: II. En rhytme molossique, risoluto in D Minor - ヴィンチェンツォ・マルテンポ英語版(ピアノ)による演奏、Kontor New Media提供のYouTubeアートトラック。

モロッソのリズムでEn rhythme molossique)は、シャルル=ヴァランタン・アルカンが作曲した『短調による12の練習曲Op.39の第2曲。1846年に出版された。

演奏時間は約8分-8分半[1]。2つの主題からなるロンド形式で書かれており、全曲を通して というリズムが執拗に繰り返される。ロナルド・スミスは曲中オクターヴカノンによって奏される主題を、ハイドンの『弦楽四重奏曲第76番』のメヌエット楽章の主題と比較して論じている。

序奏なしにニ短調で開始される第1主題は軽快に奏され、既に全曲を支配するリズムが現れている。

第2主題では旋律と伴奏音型の中に統一リズムが忍ばされている。

続いて第2主題が16分音符によって細かく奏される。

第1主題が再現されるのはこれらが終了してからであり、16分音符の音型と組み合わされる形でクライマックスを形成する。その後第2主題の再現を経てニ長調コーダへ入るが、ここでは低音でリズムが維持される一方で第2主題が用いられており、最後はニ短調のピアニッシッシモppp)の和音で消え入るように終わる。この部分についてスミスは同じくニ短調で書かれたベートーヴェンの『テンペスト ソナタ』を引用したものであると考えている[2]

カイホスルー・シャプルジ・ソラブジは、この曲には「陰気で荒々しく、非常に野蛮なリズムが見事に表出されており」、Op.39の曲集中でも「最も独創的な」作品であると考えていた[3]

脚注

出典

  1. ^ ジャック・ギボンズ、ロナルド・スミスの演奏による。
  2. ^ R. Smith, Alkan, the Man, the Music, London, 2000.
  3. ^ K. Sorabji, 'Around Music' (1932), pp. 217-8

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