マーシャル・ソウルト (モニター)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > マーシャル・ソウルト (モニター)の意味・解説 

マーシャル・ソウルト (モニター)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/04 02:47 UTC 版)

マーシャル・ソウルト (HMS Marshal Soult) はイギリス海軍のモニター

ジャローのパーマー社で建造[1]。1915年2月起工[1]。同年8月24日に進水し、11月2日に竣工[1]

1915年11月28日、ドーヴァー戦隊に加わる[2]。12月23日から1916年1月26日にかけて何度かウェステンデを砲撃した[2]。1916年9月、陸上でのイギリス軍によるソンム攻撃支援のためモニターによる攻撃が実施され、「マーシャル・ソウルト」は9月8日から13日にかけて主に150mm砲台を攻撃した[3]。その後、ダンケルクで爆弾1発が「マーシャル・ソウルト」に命中した[4]

「マーシャル・ソウルト」は11月6日にエルズウィックに到着[4]。主砲の射程を伸ばすため仰角を30度に上げる改装がなされた[5]。設計時では仰角20度で最大射程23400ヤードというものであったが、改装により最大射程は約30000ヤードとなった[5]

1917年3月17日に「マーシャル・ソウルト」はドーヴァーに戻った[4]。5月12日、「マーシャル・ソウルト」やモニター「テラー」、「エレバス」などによるブリュージュ運河の水門を目標とした攻撃が実施されたが、目立った戦果は挙がらなかった[6]。9月4日、「マーシャル・ソウルト」はオステンド造船所を砲撃[7]。10月21日にもオステンド砲撃を行った[7]

1916年から1917年の間には上述の主砲の改装の他、6インチ砲2門と3インチ高角砲1門の増設が行われている[8]

1918年4月、オステンド閉塞作戦を掩護[9]。6月9日、ゼーブリュッヘ閉塞作戦後の復旧作業を妨害するためモニター「テラー」、「M21」とともに砲撃を実施[10]。7月29日、モニター「ゴーゴン」とともにオステンド南東2浬のティルピッツ砲台(280mm砲4門)と交戦した[11]

1918年には6インチ砲が4インチ砲4門に換装され、その後8門に増設されている[8]

第一次世界大戦後は砲術練習艦、砲塔教練艦等として使用された[12]

第二次世界大戦勃発後、「マーシャル・ソウルト」の主砲塔は撤去されて新造のモニター「ロバーツ」に搭載された[1]。その後「マーシャル・ソウルト」は海軍トロール船の母艦となり、戦後の1946年3月31日に除籍[1]。7月10日に英国鉄鋼会社に引き渡され、8月5日に解体地のトルーンに着[1]

  • 排水量(竣工時):6900トン(満載)、6050トン(軽荷)
  • 全長:355フィート8インチ(108.41m)
  • 全幅:90フィート3インチ(27.51m)
  • 機関:ディーゼル機関(ヴィッカース社、バロウ製ヴィッカース八気筒機関)2基、1500制動馬力、2軸
  • 速力:設計9ノット、公試6.61ノット
  • 乗員:士官13名、下士官兵174名
  • 兵装(竣工時):15インチ砲2門(連装1基)、12ポンド砲2門、3ポンド高角砲1門、2ポンド高角砲2門、0.303インチ(7.7mm)機銃4挺
  • 出典[1]

脚注

  1. ^ a b c d e f g 『巨砲モニター艦』93ページ
  2. ^ a b 『巨砲モニター艦』86ページ
  3. ^ 『巨砲モニター艦』62、86-87ページ
  4. ^ a b c 『巨砲モニター艦』87ページ
  5. ^ a b 『巨砲モニター艦』87、223ページ
  6. ^ 『巨砲モニター艦』87-88ページ
  7. ^ a b 『巨砲モニター艦』88ページ
  8. ^ a b 『巨砲モニター艦』91ページ
  9. ^ 『巨砲モニター艦』66-67ページ
  10. ^ 『巨砲モニター艦』89ページ
  11. ^ 『巨砲モニター艦』58、89、111ページ
  12. ^ 『巨砲モニター艦』92ページ

参考文献

  • イアン・バクストン、橋本若路(訳)、本吉隆(監修)『巨砲モニター艦 設計・建造・運用 1914~1945』イカロス出版、2019年、ISBN 978-4-8022-0707-2



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  マーシャル・ソウルト (モニター)のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「マーシャル・ソウルト (モニター)」の関連用語

マーシャル・ソウルト (モニター)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



マーシャル・ソウルト (モニター)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのマーシャル・ソウルト (モニター) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS