ジョバンニ・ファベールとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ジョバンニ・ファベールの意味・解説 

ジョバンニ・ファベール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/06 13:18 UTC 版)

ジョバンニ・ファベール
(ピーテル・パウル・ルーベンス作)

ジョバンニ・ファベール(Giovanni Faber 、ドイツ語名 Johann Faber、1574年1629年9月29日)は現ドイツ、バイエルンのバンベルク生まれの医師、博物学者で、1598年からローマで働いた。バチカン薬草園(後のローマ大学植物園)でも働き、ガリレオ・ガリレイが会員として参加したアッカデーミア・デイ・リンチェイの会員でもあり、ガリレオの改良した顕微鏡(ガリレオは"occhiolino"(小さな目)と呼んでいた)を、望遠鏡の"telescope"に対して、"microscope"と名付けた人物として知られる。

略歴

バイエルンのバンベルクで生まれた。1歳の時両親をペストの流行で失い孤児となったが、いとこのもとで、カトリックの信者として教育を受けた[1][2]. 。ヴュルツブルク大学で医学を学び、1957年に卒業した。さらに医学を学ぶためにローマに移り、サント・スピリト病院(Ospedale di Santo Spirito)で医師として働いた[3][4]。解剖学の発展を知り、後に自らも動物の解剖学的研究をするようになった。1600年にローマ・アカデミーの植物学と解剖学の教授に任じられ、同じ年、教皇の植物園(Giardini botanici papali、後のローマ・ラ・サピエンツァ大学植物園)の園長に任じられた。教皇パウルス5世の命令でヴァチカンの庭園の植物をふやすためにナポリを訪れ、ナポリでは、薬種商、フェッランテ・インペラート(Ferrante Imperato)の「驚異の部屋」を訪れ、『自然魔術』の著者、ジャンバッティスタ・デッラ・ポルタや植物学者、ファビオ・コロンナのもとを訪れた[4] 。自らのローマの邸宅に、絵画や植物を集め、有名なコレクターとなった。収集した動物や植物や鉱物の標本の中には、トラやライオンなどの100を超える骨格標本が含まれていた。これらのコレクションは画家のフィリッポ・ナポレターノ(Filippo Napoletano)の題材にもなった。

1608年にローマの市民権を得て、ドイツ出身の女性と結婚した。薬種商でローマで有名な庭園の持ち主コルヴィーノと親しくなったことから、富裕な名門の子息でアッカデーミア・デイ・リンチェの創立者のフェデリコ・チェージらに紹介され、チェージらとラツィオで植物採集の旅を行った。1911年にアッカデーミア・デイ・リンチェイの会員に加わった。アッカデーミア・デイ・リンチェイの会員となった、ガリレオからチェージに贈られた自作の顕微鏡に"microscope"と名付けたのはファベールとされる。

参考文献

  1. ^ Gabriella Belloni Speciale (1993). "FABER, Giovanni". treccani.it. Dizionario Biografico degli Italiani - Volume 43 (イタリア語). Enciclopedia Italiana di scienze. 2018年6月26日閲覧.
  2. ^ comitato nazionale per il IV centenario della fondazione dell’accademia dei lincei (2002) (イタリア語), Faber Schmidt, http://www.lincei-celebrazioni.it/ischmidt.html 
  3. ^ Ouvrage rédigé par plus de 300 Collaborateurs (1843-1847), "Jean+Faber"+médecin+romain&ei=YsOyTL-wHpHsOZjTnYYP&ct=result&id=3FxJAAAAYAAJ#v=onepage&q&f=false Biographie universelle, ancienne et moderne, https://books.google.fr/books?pg=PA162&dq="Jean+Faber"+médecin+romain&ei=YsOyTL-wHpHsOZjTnYYP&ct=result&id=3FxJAAAAYAAJ#v=onepage&q&f=false 
  4. ^ a b Compilata in Francia da una Società di dotti e per la prima volta recata in italiano (1870) (イタリア語), Gronsm Biografia universale&f=false Biografia unversale Antica e moderna - Volume 7, https://books.google.it/books?id=19TFjRqBHdwC&pg=PA497&dq=FABER+Gronsm+Biografia+universale&hl#v=onepage&q=FABER Gronsm Biografia universale&f=false 



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ジョバンニ・ファベール」の関連用語

ジョバンニ・ファベールのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ジョバンニ・ファベールのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのジョバンニ・ファベール (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS