コペンハーゲン学派 (安全保障研究)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > コペンハーゲン学派 (安全保障研究)の意味・解説 

コペンハーゲン学派 (安全保障研究)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/04 22:01 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

コペンハーゲン学派(コペンハーゲンがくは、: The Copenhagen School)は、国際関係論、特に安全保障研究における理論的立場の一つである。安全保障の社会構築主義的側面や非軍事的側面を重視する点が特徴である。かつて、バリー・ブザンオーレ・ヴェーヴァらを中心とした、コペンハーゲン平和研究所(en:Copenhagen Peace Research Institute、現在のデンマーク国際関係研究所)に在籍した研究者が独特の理論的主張を行っていたことに由来する。

主要概念

コペンハーゲン学派の提起した重要な概念として、安全保障分析のセクター別アプローチ、地域的安全保障複合圏(Regional Security Complexes)、安全保障化(Securitization)が挙げられる。

セクター

「セクター」概念は、安全保障を巡る相互作用の動態を、その特徴に従って便宜的に分類したものである。セクターは、軍事、政治、社会、経済、環境からなる。また、オーレ・ヴェーヴァは、従来は社会セクターの一部とされてきた宗教を独立したセクターとして扱うべきであるとしている。

社会安全保障

一般的に、安全保障とは、国家の主権や国民の生命・財産などを物理的な脅威から守ることに関するものであるとされてきた。しかし、国家や国民に限らず、民族や宗教といった社会集団の存立に不可欠なアイデンティティの安全やそれへの脅威をも、安全保障セクターの一つとする考え方である。社会的安全保障の問題としてしばしば議論される問題として、移民やマイノリティの問題などが挙げられる。

地域的安全保障

地域的安全保障複合圏概念は、国際安全保障の動態を、国際システム・レベルではなく、サブシステム・レベル、特に地域レベルで理解しようとするものである。安全保障上の懸念は地理や距離に無関係に国際システムにおいて一義的に決まるというよりも、ある地域、あるセクター、ある国家間関係に特有なものとして生じる。ある地域の主体の安全がほかの主体の安全と相互に作用し、地域間ではなく地域内部で高度な安全保障上の相互依存関係が生まれる。

安全保障化

文献

  • Security: a new framework for analysis, by Barry Buzan, Ole Wæver, Jaap de Wilde, Lynne Rienner, 1998.
  • Regions and powers: the structure of international security, by Barry Buzan and Ole Wæver, Cambridge University Press, 2003.
  • Contemporary security analysis and Copenhagen peace research, edited by Stefano Guzzini and Dietrich Jung, Routledge, 2004.

関連項目



このページでは「ウィキペディア」からコペンハーゲン学派 (安全保障研究)を検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書からコペンハーゲン学派 (安全保障研究)を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書からコペンハーゲン学派 (安全保障研究) を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「コペンハーゲン学派 (安全保障研究)」の関連用語

コペンハーゲン学派 (安全保障研究)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



コペンハーゲン学派 (安全保障研究)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのコペンハーゲン学派 (安全保障研究) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS