カッサツィオーネ_(シベリウス)とは? わかりやすく解説

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カッサツィオーネ (シベリウス)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/07 05:30 UTC 版)

シベリウス(Albert Engström画、1904年)

カッサツィオーネ』(イタリア語: Cassazione作品6は、ジャン・シベリウスが作曲した管弦楽曲ヴァイオリン協奏曲をお披露目する1904年の演奏会のために書かれた。表題はカッサシオンのことを指しているが、これは18世紀終盤に人気だったセレナーデに似た音楽様式のことである。曲は5つの「エピソード」から構成されている。当時シベリウスの作品番号は40番台まできていたにもかかわらず未使用のままだった作品6が付されたことにより、作曲が早い時期に行われていたことが示唆される[1]

初演は1904年2月8日、作曲者自身の指揮ヘルシンキ・フィルハーモニック協会管弦楽団の演奏で行われた。同じ演奏会では他にも規模の大きな作品としてカンタータ火の起源』が演奏された。オスカル・メリカントの演奏評において『カッサツィオーネ』は「ほとんど取るに足りない」と評価された。シベリウスは1905年に修正を行ったにもかかわらず、「改訂すべし」(Bör omarbetas)と書き入れている[1]

曲の開始部分の半音階により「不安を高める方法」は、1962年の映画でジェームズ・ボンドシリーズ第1作である『007 ドクター・ノオ』にモンティ・ノーマンが作曲した冒頭の音楽に比較される[2]。ロブ・バーネットは「この作品を『カッサシオン』と呼ぶとはシベリウスはユーモアを解する人物だったに違いない」と述べる[3]。バーネットは「バレキレフ様式のクラリネットソロ」、「エルガー風のセレナーデ」そして「上品なオーボエソロ」の存在を指摘している[3]

出典

  1. ^ a b Other orchestral works / Cassazione”. Jean Sibelius. Finnish Club of Helsinki. 2015年12月3日閲覧。
  2. ^ Service, Tom (2010年9月15日). “Jean Sibelius meets James Bond”. The Guardian. https://www.theguardian.com/music/tomserviceblog/2010/sep/15/jean-sibelius-james-bond 2015年12月3日閲覧。 
  3. ^ a b Barnett, Rob (2003年). “Jean Sibelius (1865-1957)”. musicweb-international.com. 2015年12月4日閲覧。

参考文献

  • Tomi Mäkelä: "Jean Sibelius und seine Zeit" (German), Laaber-Verlag, Laaber 2013



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