イーデン準男爵とは? わかりやすく解説

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イーデン準男爵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/23 13:55 UTC 版)

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イーデン準男爵(Eden baronets)は、イギリス準男爵[注釈 1]。ロバート・イーデンが1672年に叙されたイングランド準男爵位のダラム州における西オークランドのイーデン準男爵と、その曽孫のロバート・イーデン英語版が1776年に叙されたグレートブリテン準男爵位の北アメリカにおけるメリーランドのイーデン準男爵の2つがあり、現在はどちらの準男爵位も同じ人物によって継承されている。また、この家の分流にあたる貴族にエイヴォン伯爵オークランド男爵ヘンリー男爵がある(エイヴォン伯爵家のみ廃絶している)。

歴史

メリーランドの初代準男爵サー・ロバート・イーデン英語版

イーデン家はロバート・ド・イーデン(Robert de Eden, -1413)に遡れるが、恐らく12世紀からダラム地方で暮らしていた。1569年北部諸侯の乱英語版に参加し、さらに1640年代イングランド内戦では王党派に参加していたにもかかわらず、土地を維持した[1]

王政復古後の当主ロバート・イーデン(-1720)は、1672年11月13日にイングランド準男爵位の(ダラム州における西オークランドの)準男爵(Baronet of West Auckland in the County of Durham)に叙され、1679年にはカウンティ・ダラム選挙区英語版庶民院議員も務めた[2]

その孫の3代準男爵サー・ロバート・イーデン(-1755)の死後、準男爵位は長男ジョン・イーデン英語版(1740–1812)が継承したが、次男ロバート・イーデン英語版(1741–1784)も1769年から1779年にかけて北アメリカ・メリーランド総督英語版を務め、兄とは別に1776年10月19日にグレートブリテン準男爵位の(北アメリカにおけるメリーランドの)準男爵(Baronet, of Maryland in North America)に叙された[3]。また三男ウィリアム・イーデン英語版オークランド男爵[4]、八男モートン・イーデンヘンリー男爵に叙されている[5]

西オークランドの4代準男爵の子であるロバート (1774–1844)は、1811年に勅許により母方の姓ジョンソンを加えて、ジョンソン=イーデン(Johnson-Eden)に改姓している。1812年に5代準男爵を継承したが、生涯未婚で子供がなかったため[6]、従兄弟の子にあたるメリーランドの第4代準男爵ウィリアム・イーデン(1803–1873)が、西オークランドの6代準男爵も継承することになった[7]

その息子である7代準男爵ウィリアム・イーデン(1849–1915)の三男アンソニー・イーデン(1897–1977)は1955年から1957年にかけて英国首相を務め、本家とは別に1961年に連合王国貴族エイヴォン伯爵に叙されている(ただし2代で廃絶)。

9代準男爵ジョン・イーデン英語版(1925-2020)は、ボーンマス・ウェスト選挙区英語版の庶民院議員を務め、1983年10月3日に一代貴族の連合王国貴族爵位ダラム州におけるラッシーフォードのウィルトンのイーデン男爵(Baron Eden of Winton, of Rushyford in the County of Durham)に叙され、貴族院議員となった[8]

2020年現在の当主は10代準男爵ロバート・イーデン(1964-)

歴代当主

西オークランドのイーデン準男爵 (1672年)

  • 初代準男爵サー・ロバート・イーデン (Sir Robert Eden, -1720)
  • 2代準男爵サー・ジョン・イーデン英語版 (Sir John Eden, -1728) 先代の息子
  • 3代準男爵サー・ロバート・イーデン (Sir Robert Eden, -1755) 先代の息子
  • 4代準男爵サー・ジョン・イーデン英語版 (Sir John Eden, 1740–1812) 先代の息子
  • 5代準男爵サー・ロバート・ジョンソン=イーデン (Sir Robert Johnson-Eden, 1774–1844) 先代の息子
  • 6代準男爵サー・ウィリアム・イーデン (Sir William Eden, 1803–1873) 先代の従兄弟の子。メリーランドの4代準男爵
  • 7代準男爵サー・ウィリアム・イーデン (Sir William Eden, 1849–1915) 先代の息子
  • 8代準男爵サー・ティモシー・カルバート・イーデン (Sir Timothy Calvert Eden, 1893-1963) 先代の息子
  • 9代準男爵サー・ジョン・ベネディクト・イーデン英語版 (Sir John Benedict Eden, 1925-2020) 先代の息子。1983年に一代貴族ウィルトンのイーデン男爵に叙される
  • 10代準男爵サー・ロバート・フレデリック・カルバート・イーデン(Sir Robert Frederick Calvert Eden, 1964-)
    • 推定相続人は現当主の弟ジョン・エドワード・モートン・イーデン閣下(Hon. John Edward Morton Eden, 1966-)

メリーランドのイーデン準男爵 (1776年)

  • 初代準男爵サー・ロバート・イーデン英語版 (Sir Robert Eden, 1741–1784) 西オークランドの3代准男爵の次男
  • 2代準男爵サー・フレデリック・モートン・イーデン英語版 (Sir Frederick Morton Eden, -1809) 先代の息子
  • 3代準男爵サー・フレデリック・イーデン (Sir Frederick Eden, -1814) 先代の息子
  • 4代準男爵サー・ウィリアム・イーデン (Sir William Eden, 1803–1873) 先代の弟。1844年に西オークランドの6代準男爵を継承

系図

脚注

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注釈

  1. ^ 準男爵位は爵位と異なり、準男爵という肩書だけ与えられる(「○○準男爵」といった形では与えられない)。他の準男爵位と区別する必要がある場合にのみ姓名を付けたり、由来する地名を付けたりして区別する。

出典

  1. ^ Rhodes James 1986, p3
  2. ^ Lundy, Darryl. “Sir Robert Eden, 1st Bt.” (英語). thepeerage.com. 2019年9月9日閲覧。
  3. ^ Lundy, Darryl. “Sir Robert Eden, 1st Bt.” (英語). thepeerage.com. 2019年9月9日閲覧。
  4. ^ Heraldic Media Limited. “Auckland, Baron (GB, 1793)” (英語). Cracroft's Peerage The Complete Guide to the British Peerage & Baronetage. 2019年9月9日閲覧。
  5. ^ Heraldic Media Limited. “Henley, Baron (I, 1799)” (英語). Cracroft's Peerage The Complete Guide to the British Peerage & Baronetage. 2019年9月9日閲覧。
  6. ^ Lundy, Darryl. “Sir Robert Johnson-Eden, 5th Bt.” (英語). thepeerage.com. 2019年9月9日閲覧。
  7. ^ Lundy, Darryl. “Sir William Eden, 4th/6th Bt.” (英語). thepeerage.com. 2019年9月9日閲覧。
  8. ^ Lundy, Darryl. “John Benedict Eden, Baron Eden of Winton” (英語). thepeerage.com. 2019年9月9日閲覧。

参考文献

関連項目

西オークランドの7代準男爵の三男アンソニー(英国首相)が1961年に叙された連合王国貴族。1985年廃絶。
西オークランドの3代準男爵の三男ウィリアム英語版が1789年に叙されたアイルランド貴族と1793年に叙されたグレートブリテン貴族。現存。
西オークランドの3代準男爵の八男モートンが1799年に叙されたアイルランド貴族。現存。



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