イギリス運転免許庁とは? わかりやすく解説

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イギリス運転免許庁

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/23 13:12 UTC 版)

スウォンジーのイギリス運転免許庁本部

イギリス運転免許庁(イギリスうんてんめんきょちょう、英:Driver and Vehicle Licensing Agency、ウェールズ語: Asiantaeth Trwyddedu Gyrwyr a Cherbydau)、運転免許・車両登録庁(うんてんめんきょしゃりょうとうろくちょう)、またはDVLAは、グレートブリテン島における運転者データベースと、連合王国全域における自動車登録データべース (イギリス)英語版の維持を所掌する英国政府の機関である。北アイルランドにおける運転者データベースの管理は北アイルランド運転免許庁英語版である。同庁は運転免許証の発行、自動車税の徴収、希望登録番号の販売を行う。

イギリス運転免許庁は運輸省エグゼクティブ・エージェンシーで、現職の長官はティム・モスである[1]

本部はウェールズスウォンジーに置かれ、クラース英語版地区の美しい16階建て庁舎と、スウォンジー・ヴェール英語版地区の事務所群を有する。旧称は運転免許・車両登録センター(Driver and Vehicle Licensing Centre)であった。

かつてはグレートブリテン各地に39の地方事務所を展開し、窓口での免許申請や各種手続に対応していたが、2013年に全て閉鎖された。これにより同庁の業務はスウォンジーに集約され、利用者の大半は郵送または(一部の手続については)電話による非対面手続を行うこととなった[2]

DVLAは2004年に電子自動車課税を導入し、利用者はオンラインおよび電話で自動車税を納付できるようになった[3]。もっとも、ポストオフィス郵便局)経由での納税も引き続き可能である。ポストオフィスが自動車税の取扱いを継続できる7年間の契約が2012年11月に合意され、さらに3年間の延長オプションが付された[4]

歴史

当初、車両登録はグレートブリテン各地のカウンティバラ英語版およびカウンティの評議会が所掌しており、この制度は1903年自動車法英語版により創設された。1968年にはスウォンジーの運転免許・車両登録センターの中央集権的な免許制度が整備されて各地の評議会から免許業務が移管され[5][6]、1969年にはスウォンジーのロングビュー・ロードにある旧クレーズ・ファーム跡地に新設庁舎が建設された[7]

建設

1967年11月の時点で、職員数は4,000人になると見込まれていた(当初見積りは2,000人)[8]。第1期・第2期工事はFGミンターが担当し、費用は275万ポンド。第2期は4階建て区画で、費用は130万ポンド、1971年4月までの完成が予定されていた[9]。第3期工事もFGミンターが担当し、費用は400万ポンドであった[10]

敷地面積は25エーカー。FGミンターは同時期にスポーツウェールズナショナルセンター英語版の建設も手掛けた。

コンピューターシステム

1969年4月、約1,000万ポンドの契約がインターナショナルコンピューターズ英語版に与えられた。なお米国企業はこの契約に応募することができなかった[11]。運用は1973年3月1日に開始され、免許申請の98%が10日以内に処理された[12]。新しい免許証は1973年3月1日に初めて発行され、緑色のシート様式となった(それ以前は赤い冊子であった)。

同センターは当初から運転免許業務を扱ったが、車両登録のデータが反映されるまでには2年を要した。1974年10月1日以降に登録された車両がスウォンジーのコンピューターに初めて登載され、1975年4月1日からはL・M・Nの登録記号が追加された[13]。1975年11月1日にはKが[14]、1976年7月にはHおよびJが[15]、1977年7月までにはDが追加された[16]

1977年8月時点で職員数は5,300人、毎月約90万件の新規・変更免許が発行された[17]。1978年には職員数は5,500人となった。

改称

1990年4月、運転免許・車両登録センターは運転免許・車両登録庁に改称され、運輸省のエグゼクティブ・エージェンシーとなった[18]

在独英軍の民間車両

在独イギリス軍の隊員またはその家族がドイツで使用する民間車両は、国防省に代わってDVLAが登録を行う。

外交団および領事車両

外交団および領事館の公用車両は、外務・英連邦・開発省に代わってDVLAが登録を行う。

脚注

  1. ^ Chief Executive: Tim Moss”. DVLA (2025年4月1日). 2025年8月10日閲覧。
  2. ^ DVLA local office closure plan announced”. DVLA (2013年6月21日). 2013年9月2日閲覧。
  3. ^ Freedom of Information Request relating to EVL”. dft.gov.uk. Department for Transport. 2010年12月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年1月10日閲覧。
  4. ^ “Post Office wins DVLA contract for car tax supply”. BBC News. (2012年11月13日). https://www.bbc.co.uk/news/business-20309430 2013年2月8日閲覧。 
  5. ^ History of road safety, The Highway Code and the driving test.”. 2014年2月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年10月23日閲覧。
  6. ^ “Bill to strike at car licence dodgers”. The Times (Times Digital Archive) (57409): p. 2. (1968年11月15日). http://infotrac.galegroup.com/itw/infomark/552/371/35114420w16/purl=rc1_TTDA_0_CS35090287&dyn=3!xrn_2_0_CS35090287&hst_1?sw_aep=linshlib 2024年4月20日閲覧。 
  7. ^ 20 pictures that tell the story of the DVLA in Swansea” (2015年3月9日). 2017年8月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年10月23日閲覧。
  8. ^ Times Thursday November 23 1967, page 4
  9. ^ Times Friday September 26 1969, page 23
  10. ^ Times Monday June 29 1970, page 22
  11. ^ Times Monday April 14 1969, page 17
  12. ^ Times Thursday August 30 1973, page 3
  13. ^ Times Monday March 17 1975, page 5
  14. ^ Times Monday October 20 1975, page 3
  15. ^ Times Wednesday June 23 1976, page 3
  16. ^ Times Thursday July 21 1977, page 8
  17. ^ Times Tuesday August 9 1977, page 3
  18. ^ History of road safety, The Highway Code and the driving test”. Driver & Vehicle Standards Agency. Crown. 2015年7月13日閲覧。



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