くまのアーネストおじさんとセレスティーヌとは? わかりやすく解説

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くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/28 11:40 UTC 版)

くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ
監督 ベンジャマン・ルネール
ステファン・オービエ
ヴァンサン・パタール
脚本 ダニエル・ペナック
製作 ディディエ・ブリュンネール
アンリ・マガロン
ヴァンサン・タヴィエ
製作会社 スタジオカナル
レ・アルマトゥール
メイビー・ムービーズ
ラ・パルティ・プロダクション
メリュジーヌ・プロダクション
配給 スタジオカナル(フランス)
シネアール(ベルギー)
公開 2012年12月12日(フランス)
上映時間 80分
製作国 フランス ベルギー ルクセンブルク
言語 フランス語
製作費 約920万ユーロ[1]
次作 Ernest et Célestine: Le Voyage en Charabie(2022年)
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『くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ』フランス語: Ernest et Célestine)は、2012年に公開されたフランスベルギールクセンブルク合作のアニメーション映画。 ステファン・オービエ、ヴァンサン・パタール、ベンジャマン・ルネールの3名による共同監督作品で、ガブリエル・ヴァンサンによる絵本シリーズ(Ernest et Célestine)を原作としている。[2]

本作は、温かみのある手描き風の2Dアニメーションが高く評価され、第38回セザール賞で最優秀アニメーション映画賞を受賞し、第86回アカデミー賞でも長編アニメ映画賞にノミネートされた。[3]

あらすじ

地下の世界に住むねずみの少女セレスティーヌと、地上で暮らすくまのアーネスト。 両者の世界は互いに恐れ合い、交わることはない。孤児院で育ったセレスティーヌは「おそろしい大ぐま」の伝説を信じていなかったが、社会の掟に縛られ、歯医者の訓練を強制されている。 ある日、地上での仕事中に困っていたところ、音楽家のくま・アーネストと出会う。最初は敵として警戒し合う二人だったが、助け合ううちに友情が芽生え、やがて心を通わせていく。 しかし、種族間の偏見が二人を追い詰め、逮捕され裁かれてしまう。火災の中で互いを助け合った二人は、その勇気によって許され、最終的に「くまとねずみが共に生きる」新しい世界の象徴となる。

声の出演

※括弧内は日本語吹き替え。

  • アーネスト:ランベール・ウィルソン (玉野井直樹)[4]
  • セレスティーヌ:ポーリーヌ・ブリュンネ (宇山玲加)[4]
  • ラ・グリーズ(孤児院の管理ねずみ):アンヌ=マリー・ループ (磯辺万沙子)
  • ジョルジュ(菓子店のくま):パトリス・ムレネック
  • ルシエンヌ(歯医者のくま、ジョルジュの妻):ブリジット・ヴィルトゥーズ
  • レオン(ジョルジュ夫妻の息子):レオナール・ルーフ
  • 判事のくま:フェオドール・アトキン (宗矢樹頼)
  • ネズミの裁判長: ピエール・バトン (平野俊隆)
  • ネズミ弁護士 他: ヤン・ル・マディック (古川裕隆)


制作

企画

原作絵本の作者ガブリエル・ヴァンサンの没後、その甥が映像化権の譲渡を検討した際、プロデューサーのディディエ・ブリュンネールが権利を取得し、映画化を企画。 監督には当時若手だったベンジャマン・ルネールが起用され、ベルギーのアニメーション監督コンビステファン・オービエとヴァンサン・パタールが共同監督として参加した。[5]

作画とアニメーション

絵本の水彩画風タッチを忠実に再現するため、全編が柔らかな線と淡い色彩で描かれている。 背景美術はZazaとZykが担当し、キャラクターデザインにはアニメーターのSeï Riondetが参加した。 アニメーションは主にAdobe Flashで制作され、手描きの質感を残すためにフレームごとに細かな補正が施された。[6]

音楽

音楽はヴァンサン・クルトワが作曲し、トマ・フェルセンが主題歌「Ernest et Célestine」を作詞・歌唱した。 ランベール・ウィルソンによる歌唱版もエンドロールで使用されている。[7]

評価

批評

2012年のカンヌ国際映画祭・監督週間で初上映され、フランス国内外の批評家から高い評価を受けた。 手描きアニメーションの美しさ、社会的メッセージ、種族間の友情を描くストーリーが称賛された。[8]

興行成績

フランスでは489館で公開され、初週17万件以上の動員を記録。最終的に約75万人を動員した。[9]

受賞

  • 2012年 カンヌ国際映画祭 監督週間:SACD特別言及[10]
  • 2013年 第38回セザール賞:最優秀アニメーション映画賞
  • 2013年 シアトル国際映画祭:Films4Families部門グランプリ
  • 2014年 第86回アカデミー賞:長編アニメ映画賞ノミネート
  • 2014年 マグリット賞:最優秀作品賞・監督賞・音響賞

脚注

出典

  1. ^ http://www.jpbox-office.com/fichfilm.php?id=13171
  2. ^ Fondation Monique Martin (Gabrielle Vincent)” (フランス語). Fondation Monique Martin (Gabrielle Vincent). 2025年10月28日閲覧。
  3. ^ ““Ernest and Celestine” Wins The Cesar Award” (英語). Cartoon Brew. http://www.cartoonbrew.com/feature-film/ernest-and-celestine-wins-at-cesar-awards-78293.html 2025年10月28日閲覧。 
  4. ^ a b くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ : 作品情報・声優・キャスト・あらすじ”. 映画.com. 2025年10月28日閲覧。
  5. ^ “Benjamin Renner : "Je cherche toujours les situations inconfortables ; réalisateur, c'était parfait !"” (フランス語). (2012年12月11日). https://www.lemonde.fr/culture/article/2012/12/11/benjamin-renner-je-cherche-les-situations-inconfortables-realisateur-c-etait-parfait_1804472_3246.html 2025年10月28日閲覧。 
  6. ^ - Effets-speciaux.info”. www.effets-speciaux.info. 2025年10月28日閲覧。
  7. ^ “Benjamin Renner : "Je cherche toujours les situations inconfortables ; réalisateur, c'était parfait !"” (フランス語). (2012年12月11日). https://www.lemonde.fr/culture/article/2012/12/11/benjamin-renner-je-cherche-les-situations-inconfortables-realisateur-c-etait-parfait_1804472_3246.html 2025年10月28日閲覧。 
  8. ^ Ernest et Célestine | Quinzaine des Réalisateurs”. Quinzaine des Réalisateurs. 2025年10月28日閲覧。
  9. ^ AlloCine (フランス語), Box Office du film Ernest et Célestine, https://www.allocine.fr/film/fichefilm-202924/box-office/ 2025年10月28日閲覧。 
  10. ^ AlloCine. “Palmarès Festival de Cannes 2012” (フランス語). AlloCiné. 2025年10月28日閲覧。

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