かんだ ひろみ

現代俳句データベース(人名)

神田ひろみ

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神田ひろみの俳句

いつか届く手紙のやうに種を蒔く

いづこかへ去る身なれども暖し

かさねといふ少女帚木紅葉かな

かなかなのいつも見えざるところから

かやつり草裂けば柩の奥匂ふ

がれきから無傷の梅酒ほりださる

さるをがせ頭にのせてから呉れぬ

はうれん草夜の遠浅を茹でてをり

ひやひやと陸奥に入るふくらはぎ

ふくらみしままの泪や藪柑子

われを去らず三月十一日の水

エイサーの両手の空は帰らぬ日

ヘアピンカーブ街へ枯野がまつさかさま

ラムネ飲む旅の終りの時間に似

万緑の嶺したがへて来迎図

伴大納言絵巻の中も夕焼けぬ

冬蕨掌に金色の古生代

処暑過ぎぬ街三角の景に満ち

厄日過ぐ身を締むるものみな外し

合歓咲いて読みかけの本思ひだす

咳くたびに縄とびの縄闇を来る

囀りの一羽わが友ハックルベリィ・フィン

四次元のどこか笹鳴出入りす

声出さば吾も観世音紅葉中

夏草や痛みに似たる風が過ぎ

夜の蛙わが非すなはちわが浮力

大壺の底ざらざらと驟雨去る

大蓼の花や那須野に馬を見ず

寝に帰る一人が寒き風入るる

巴旦杏五歳のころの山河見ゆ

布の端持たせてもらふ雪晒

平家琵琶耳は朧をぬけられず

幼年のはじめの色を繭玉に

星空にゆびがひらきぬ薺爪

春しぐれ恵心僧都に泣き黒子

月明の子規の机はΣかな

木綿着て蓼の花よりまだ淡し

梨剝けばふるさとの水あふれきぬ

棉の花ひらく両掌をしてみたり

横顔はひとりの時間枇杷の花

毛糸編むいくつもいくつも別れ道

水の音火の音帰省目覚めけり

水着きつつどこかの海の記憶過ぐ

沈丁花夢に匂ひのありとせば

泣きしあと食べたくなりぬ水羊羹

濃く淡くＢの鉛筆寒雀

父に一行の軍歴地のあかざ

牡蠣買ふや不意に時間がうしろから

環り来て疾風怒濤夜の林檎

田起しの息整へて打ちはじむ

神田ひろみの俳句

登校の子の歓声は春の雪

白河の関絢爛と稲つるび

秋泉のひとり激してひとり止む

秋風や口あけてゐるデスマスク

粉雪にいちにちとまる読めない字

縞馬の縞がくらくら涅槃西風

義経記の地を這ふごとく秋の雷

胸に起つ小さき怒濤沙羅の花

腕時計ひかりぬ小鳥よぎるたび

膝濡れて自由な時間紅睡蓮

自転車で行けさう冬夕焼の母の国

色彩を遣ひ果して葉鶏頭

花でいご叫んで言葉かがやかす

花吹雪帽子を脱いで浴びてをり

菓子食べてまた眠りけり春の風邪

葉牡丹や理路整然と迷宮に

藍の糸縞になりゆく涼しさよ

虹ひらくこの世にひとり子を遺す

蟬の木の波濤の時間水脈の時間

読めぬ字を父来て読みぬ夏休み

追伸へダリアのごとき言葉さがす

過ぎゆくはジュラ紀の時間蜥蜴止り

遠ざかるとき桃源となる梅林

郭公にはるかな顔をあげにけり

重ね持つエラリー・クインと柏餅

野分ぐも古伊賀の亀裂圧迫す

闇を来る黄沙つちふまずが目覚め

青田原走つて来る子手が翼

鞄からクラリネットと薄の穂

鳩笛を吹く子のまはりいつも花野

Weblio日本語例文用例辞書

「かんだ ひろみ」の例文・使い方・用例・文例

• 彼は私の腕をつかんだ
• 彼は大きな音をたてて鼻をかんだ
• 彼は彼女の腕をつかんだ
• 彼は突然私の腕をつかんだ
• 良い考えが彼の頭に浮かんだ
• 夢のなかでその考えが思い浮かんだ
• 彼はしっかりとロープをつかんだ
• いい考えがぱっと彼女の心に浮かんだ
• 彼の目に軽べつの色がちらっと浮かんだ
• 笑みが彼女の顔にさっと浮かんだ
• 彼女はいらいらしてつめをかんだ
• 警察は容疑者に不利な証拠をつかんだ
• 彼はロープをしっかりとつかんだ
• 彼の頭によこしまな考えが浮かんだ
• 彼の思い出は毎日彼女の心に浮かんだ
• 彼女の頭にふと名案が浮かんだ
• 彼の心に急によい考えが浮かんだ
• 少年の目に好奇心に満ちた表情が浮かんだのを見た
• 彼がその大金を見たとき，その目にけげんそうな表情が浮かんだ
• 父親は，息子のつかんだ手を離した