F4F (航空機) 派生型

F4F (航空機)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/28 00:49 UTC 版)

派生型

XF4F-1
最初の設計案、複葉機。プランのみ
XF4F-2
単葉機として再設計。1機のみ。P&W製R-1830-76に換装した機体(XF4F-3)が正式採用となる。
F4F-3
最初の量産型。R-1830-76搭載(1200hp)。アメリカ海軍のほか、フランスからも受注あり。285機(3A型の95機を含む)生産。
F4F-3A
P&W製R-1830-90に換装した機体。
F4F-3P
偵察機型。最低1機は作られている。
テスト中のF4F-3S
F4F-3S ワイルドキャットフィッシュ
二式水上戦闘機に対抗したとされる水上機型の非公式社内呼称。2機のみ製作。1943年2月飛行。
F4F-4
P&W製R-1830-86を搭載(1200hp)。折り畳み翼装備。1942年より登場。機銃を4門から6門に増強。1169機生産
F4F-4A
P&W製R-1830-90エンジン搭載。生産はされていないと考えられる
F4F-4B
マートレットMk.IVの米国呼称。ただし、米国では使用されていない。
F4F-4P
偵察機型。改装機数は最低でも1機以上とされる。
XF4F-5
R-1820-54などのエンジンを搭載したテスト機。
F4F-6
P&W製R-1830-90を搭載したF4F-3。F4F-3Aとして生産された。
F4F-7
偵察機型。P&W製R-1830-86エンジンを搭載。徹底した軽量化により燃料搭載量が増加。21機程度の生産とされる。
XF4F-8
FM-2の元となったグラマン社設計機。
FM-1
ゼネラルモータース社で生産されたF4F-4。マートレット含めて合計1060機が生産
FM-2
グラマン社が設計していたXF4F-8案(エンジンや方向舵などを改良)を基にゼネラルモータース社が生産したもの。ライトR-1820-56 サイクロン9エンジン搭載(1350hp)。軽量化もされている。イギリス給与機合わせて4127機が生産。
マートレットMk.I
F4F-3のイギリス海軍での名称。元フランス海軍の発注機、主翼折り畳み機能無し。
マートレットMk.II
P&W製R-1830-S3C4-Gエンジン搭載、主翼折り畳み機能付き。武装はF4F-4に準拠。
マートレットMk.III
基本はF4F-3Aに準ずる。主翼折り畳み機能無し。ギリシャの発注機であったが、ギリシア降伏時にはジブラルタルにあり、そのままイギリスが使用。
マートレットMk.IV
R-1820-40BおよびGR-1820-G250A-3を搭載した英国給与機。
マートレットMk.V
FM-1の英国給与型。312機が給与されている。1944年1月にワイルドキャットMk.IVに改称。
ワイルドキャットMk.IV
1944年1月にマートレットMk.Vが改称したもの。
ワイルドキャットMk.VI
FM-2のイギリス給与機。340機が給与。
XF2M-1
ゼネラルモーターズ(イースタン社)が設計したXR-1820-70エンジン搭載型。採用されず。

注釈

  1. ^ 尚、「FM-1」、「FM-2」という表記がされることが多いが、この場合の「-1」、「-2」は当時のアメリカ海軍命名規則(機種符号+設計番号+メーカー符号、戦闘機のF・ジェネラル社に割り当てられたMで1は使用しない、型番の-1/2/3等)からは「F4F-3」の「-3」の部分に当たり、「第*次改良型」を示す
  2. ^ 幅が11.58mから4.37mに減少、それまでの型2機分のスペースに5機を搭載できた。
  3. ^ この時、ブラックバーン社によりスロットルの動作方向はフランス式からイギリス式に変更されている。
  4. ^ 英国海軍の空母艦載機は未だに単葉機への完全転換もならず、さらには老朽化した複葉戦闘機に変わりスクア急降下爆撃機が戦闘機の代わりをしているという状況であった。また、スクアの戦闘機型であるロックは、戦術思想的失敗と設計的失敗から艦載機としての運用は絶望的であり、さらには、ロックとスクアの交換機として配備したフェアリー社製フルマー戦闘機は爆撃機を基にした複座戦闘機であり、新鋭機の導入は急務であった。
  5. ^ この時撃ってこないため相手の故障に気がついた
  6. ^ 零戦は速度が300km/hを越えたあたりから舵が重くなり、500km/hを越えたあたりでは、ほぼ舵が動かなくなったという。また、試作段階において急降下を行った際に空中分解を起こしており、急降下には厳しい速度制限があった。
  7. ^ ゼロ(零戦のこと)と格闘戦をしてはならない。時速300マイル以下において、ゼロと同じ運動をしてはならない。低速時には上昇中のゼロを追ってはならない。
  8. ^ 搭載可能燃料は機体内燃料タンクに144gal (545ℓ)、落下増槽タンクを58gal (220ℓ) ×2の合計260gal (984ℓ)
  9. ^ F4F-3:[PROPELLER:CURTISS ELECTRIC C.S.、BLADE:NO.512 (×3)、DIAMETER:9ft 9in (2.97m)、Area:6.94m²]
    F4F-4:[PROPELLER:CURTISS ELECTRIC C.S.、BLADE:NO.512-ICL-5-15 (×3)、DIAMETER:9ft 9in (2.97m)、Area:6.94m²]
  10. ^ a b 航続距離はF4F-3は条件不明、FM-2では燃料消費量+5%、F4F-4/XF2M-1では燃料消費量+15%の補正後に算出されている
  11. ^ 搭載可能燃料は
    FM-2では機体内燃料タンクに126gal (477ℓ)、落下増槽タンクを58gal (220ℓ) ×2の合計242gal (916ℓ)
    XF2M-1では機体内燃料タンクに150gal (568ℓ)、落下増槽タンクを58gal (220ℓ) ×2または100gal (379ℓ) ×1の最大266gal (1,007ℓ)
  12. ^ FM-2:[PROPELLER:CURTISS ELECTRIC C.S.、BLADE:NO.109354-12 (×3)、DIAMETER:10ft (3.05m)、Area:7.30m²]
    XF2M-1:[PROPELLER:AEROPRODUCTS、BLADE:NO.H-20-156-19M (×3)、DIAMETER:11ft 4in (3.45m)、Area:9.37m²]

出典

  1. ^ Hickman, Kennedy. "World War II: Grumman F4F Wildcat." About.com. Retrieved: 2010-6-15.
  2. ^ Polmar, Norman. Historic Naval Aircraft. Dulles, Virginia: Potomac Books Inc., 2004. ISBN 978-1-57488-572-9
  3. ^ Treadwell, Terry. Ironworks: Grumman's Fighting Aeroplanes. Shrewsbury, UK: Airlife Publishers, 1990. ISBN 1-85310-070-6
  4. ^ F4F-3 Wildcat Specifications BU. OF AERO., NAVY DEPT. PERFORMANCE DATA
  5. ^ F4F-4 Wildcat Specifications AIRPLANE CHARACTERISTICS & PERFORMANCE
  6. ^ ENGINE POWER "NORMAL"
  7. ^ FM-2 Wildcat Specifications AIRPLANE CHARACTERISTICS & PERFORMANCE
  8. ^ XF2M-1 Wildcat Specifications AIRPLANE CHARACTERISTICS & PERFORMANCE





英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「F4F (航空機)」の関連用語

F4F (航空機)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



F4F (航空機)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのF4F (航空機) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS