捩率テンソル 捩率形式

捩率テンソル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/12 01:02 UTC 版)

捩率形式

定義

定義 ―  局所的な基底に対し、捩率テンソルを

と成分表示して得られる2-形式を並べてできる縦ベクトルを基底に関する捩率形式: torsion form)という[11][注 2]

さらに行列値1-形式

により定義し、ωを基底に関する接続形式といい、曲率テンソル

に対し、行列値2-形式

により定義し、ωを基底に関する曲率形式という。


性質

局所的な基底の双対基底をとすると[注 3]、これらは1形式である。これらを並べた縦ベクトルをとする。このとき、次が成立する:

定理 ― アフィン接続は次を満たす:

  • (カルタンの)第一構造方程式[13]: (Cartan's) first structural equation[14]
  • ビアンキの第一恒等式: first Bianchi identity[14]

ここでウェッジ積は行列とベクトルの積を用いてにより定義される。も同様に定義される。また曲率形式は以下を満たす:

定理 ―  

  • (カルタンの)第二構造方程式[15]: (Cartan's) second structural equation[16]
  • ビアンキの第二恒等式: second Bianchi identity[17]

接続行列のウェッジ積は行列積の事である。も同様に定義する。


ビアンキの第一および第二恒等式は以下のようにも書くことができる:

定理 ― M上のベクトル場X1X2X3に対し、以下が成立する:

  • ビアンキの第一恒等式[18]
  • ビアンキの第二恒等式[18]

ここで添字は「mod 3」で考える。すなわち「」は巡回和である。


出典

  1. ^ a b #Tu p.44. 原文「There does not seem to be a good reason for calling the torsion."」
  2. ^ #Spivak p.234. 「誰も「捩率」という用語によい説明をつけられないように見える」。原文「no one seems to have a good explanation for the term "torsion" in this case」.
  3. ^ #小林 p.76.
  4. ^ #Tu p.44.
  5. ^ a b #Tu p.100.
  6. ^ #Wendl4 p.102.
  7. ^ #Wendl4 p.101.
  8. ^ #Tu p.45.
  9. ^ a b #Kobayashi-Nomizu-1 p.146
  10. ^ #Spivak p.271.
  11. ^ #小林 p.107.
  12. ^ #Tu p.84.
  13. ^ #新井 p.270
  14. ^ a b #Tu p.203.
  15. ^ #新井 p.272.
  16. ^ #Tu p.80
  17. ^ #Tu p.204.
  18. ^ a b #Kobayashi-Nomizu-1 p.135.
  19. ^ #Tu p.268.
  20. ^ #Kobayashi-Nomizu-1 p.118.
  21. ^ a b c #Kobayashi-Nomizu-1 p.120.
  22. ^ a b #Sharpe p.184.
  23. ^ #Sharpe p.191.
  24. ^ #Sharpe p.184.

注釈

  1. ^ ここで「∇'がパラメータを込めて同一の測地線を定める」はの測地線であれば、同じパラメータsに対して∇'の測地線になり、その逆も成り立つという意味である。 を別の変数tに変換した∇'の測地線になる場合は考慮していない。
  2. ^ #Tu p.84.ではτ自身ではなくその成分の事を捩率形式と呼んでいる。
  3. ^ であればであるが、必ずしもでなくともよい[12]





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