戦う司書シリーズ 用語

戦う司書シリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/11 23:09 UTC 版)

用語

「本」およびバントーラ図書館関連

『本』(ほん)
死んだ人間から魂だけが抽出され結晶となったもの。大抵は人の手のひらにちょうど乗るくらいの大きさの、半透明の石版である。なお、紙に書かれた通常の書籍も本と呼ばれるが、こちらの『本』とは無論意味合いが異なる。
基本的には、人が死んだ後魂が地中にある魂抱玄岩と呼ばれる黒く柔らかい岩に吸い寄せられ、長い時間をかけて『本』へと変わるもの。そのため地中から掘り出されるものであり、巨大な掘削機などを設置した鉱山において発掘される。『本』にはその人間の生涯が記録されており、素手で触れることによって、『本』の人物の生涯を追体験することができる。落とす等して破砕し欠片になってしまった場合は、欠片からはその一部しか追体験ができず、仮に全て集めても元の情報が戻りきることはない。
原則としてバントーラ図書館に納めることになっているが、個人所有の物も多数存在する。武装司書によって『本』の売買は禁じられているが、有名人や美人の『本』を売買する組織も存在する。なお過去神バントーラと、追憶の戦器の1つ・過ぎ去りし石剣ヨルのみが、魂を一瞬にして『本』に変えることが可能。
神立バントーラ図書館
大央洋に浮かぶバントーラ過去神島に建つ、世界最古の図書館。通常の図書館司書と同様の一般司書と、最強の戦闘集団・武装司書によって運営され、掘り出された『本』を総て収め管理するための図書館であり、世界各国の調停機関としての役割も果たす。過去神バントーラによって建造され、彼が館長を務めていることになっているが、あくまで便宜上の物であり、実質的な最高責任者は武装司書から選任される館長代行である。現在の館長代行はハミュッツ=メセタ。
大きく分けて、地上部の大冥門と地下に設けられた5層の大迷宮に存在する、6つの書庫で構成されており、最も地上に近い第六書庫までは一般司書でも管理可能だが、それ以降の図書迷宮には衛獣が存在する事から、武装司書でなければ管理できない。図書館の『本』は一般にも開放されており、故人との思い出のため、研究として当時の歴史を知るため、盗賊や大富豪の隠し財産のためなど、さまざまな理由で貸し出しが行われている。しかし図書館外への持ち出しは禁じられており、破損した場合は罪になるなど厳しいルールがある。
最高権力者である館長代行は、武装司書の中から先代の館長代行の指名と他の武装司書の信任によって決定される。館長代行の持つ権力のわりに、館長代行の座を巡る権力闘争などはほとんど起きない。館長代行にふさわしいレベルの武装司書はたいてい権力や名誉に関心が薄いことが原因である。
楽園時代の終わりにバントーラは管理を放棄しており、現在の本当の館長はルルタ=クーザンクーナである。現行の図書館の目的は、幸福を欲するルルタに捧げるための『本』を集めること。バントーラが館長であるという体裁を守るため、ルルタの存在は代行クラスのごく一部の武装司書のみが知る機密事項となっている。
武装司書(ぶそうししょ)
バントーラ図書館で『本』の配架と貸与の管理をする人。盗まれた『本』の捜索、凶悪犯罪の捜査、戦争の調停なども行うため、図書館以外にも全世界に配属されている国境を越えた戦闘集団。ただし、いずれも犯罪や戦争によって図書館や『本』に被害が及ばない事が第一目的。制服は存在するが、いつ戦いになるか分からない事から普段着での業務・訓練が定着しており、着用しているのはヴォルケン程度である。
業務内容上強くなければ務まらないために、基本的にこの世界で最も強い集団とされる。逆に強ければ人格、出自、経歴などは問われないが、各々が必ず魔法権利を獲得しているのが特徴。武装司書専門の養成学校も存在する。武装司書に就任する最低条件は、図書迷宮の第五封印迷宮を単独で出入り可能になることであり、それだけの実力が認められれば指導教官の許可の下就任できる。なお彼らの階級は、下から三~一級まで、そして最高権力者である館長代行の4段階に分かれており、三級武装司書からある程度の経験と能力を認められた者は二級武装司書となり、図書迷宮の第二封印迷宮を単独で踏破する(手段は問わない)事で、館長代行候補である一級武装司書に就任できる。
過去神バントーラより『本』の管理を命じられた集団とし、また、その仕事内容などから民衆からの人気も高い。しかし、その起源は、逆らう者たちは容赦なく皆殺しにしてきたルルタの従者たちであり、バントーラと直接の関連は無い。真の館長であるルルタに幸福な『本』を捧げるため、初代館長代行であるマスライが、改革によって民衆の支持を取り付けると共に、バントーラより信託された存在であると偽る。
封印迷宮(ふういんめいきゅう)
バントーラ図書館地下に存在する5層の大迷宮。図書館の書庫であり、貴重であったり一般に公開できない内容の『本』が納められている。
最下層に行くほど、重要性・危険性の高い『本』が収められていく。迷宮内部には武装司書、一般人、目的問わず侵入者を無差別に攻撃する衛獣がおり、奥に行くほど強く、また迷宮自体も複雑になっていく事から、衛獣を倒せるほどの強さを持つ武装司書でなければ管理できない。1番浅い第五封印迷宮を単独で出入り可能になることが武装司書の最低条件で、第二封印迷宮を単独で踏破する事で、一級武装司書に就任できる。最深部である第一封印書庫は、因果抹消能力による結界に守られており、バントーラとラスコール以外は入ることができないため、事実上は4段階。館長代行かそれに準じた人物であれば、迷宮の封鎖をバントーラに申請することもできる。
第二封印書庫には真の館長であるルルタがおり、衛獣(終章の獣)は彼を守っている(詳しくは終章の獣を参照)。

神溺教団関連

神溺教団(しんでききょうだん)
謎の多い宗教団体。その教義により、国家・世界規模の事件を起こすことがあるため、武装司書に幾度となく壊滅させられてきた。物語における敵集団。最高指導者は総帥もしくは楽園管理者と呼ばれる。現在の楽園管理者はカチュア=ビーインハス。
「人が幸福であれば、神も幸福である。ゆえに人が幸福であるためには何をしてもよい」を教義とする宗教(この場合における「人」とは真人を指す)。真人の『本』は天国へ行き永遠の幸福を味わい、また真人を助けたと認められた者の『本』も天国へ行くと信じられている。結果として、大事件を引き起こしたり(特に「肉」と呼ばれる人に対する)非人道的な扱いを行うため、武装司書によって壊滅させられてきたが、なぜか存続し続けている。そのような性質のため、神溺教団の名を許可なく知っているだけで死刑に相当する罪となる。
その正体は、天国ことルルタに捧げる幸いなる人の『本』を作りだすことを目的とする武装司書の下部組織。楽園管理者は代々武装司書から選ばれている。ただし、このことを知るのは館長代行と一部の者のみであり、天国の正体も含め、信者ですらこのことはほとんど知らない。
元々は邪教扱いでは無かったが、ある真人が調子に乗って暴走したため、やむなく粛清される。その後、その真人は神溺教団という邪教の一員であるとされ、表向きは秘匿扱いされることとなる。その後の教団と武装司書との戦いは、真人の暴走によって引き起こされてきた。
神溺教団における階級
真人(しんじん)
神溺教団における階級。建前上は最高階級。
「本当の人間」の意で、自分の幸福の形を明確に持ちそれの実現に対して一切躊躇しないことを条件とする。その性質ゆえに、しばしば目的達成のために暴走することがある。
真人はあくまで、その幸福を持って天国(ルルタ)を満たすための存在に過ぎず、もし幸福を見失えば教団によって粛清される。実際には擬人に管理されている存在に過ぎない。
擬人(ぎじん)
神溺教団における階級。
「人間の格好をしているだけの人間ではないもの」の意で、真人の望みを叶え、真人のために尽くすことが存在意義とされる。一見すると真人に使役される存在であるが、真人の存在意義からわかるように、実際には教団を取り仕切る階級。
肉(にく)
神溺教団における階級。
最下級の者たちで、人間扱いすらされない。基本的には真人の都合によって人体実験や自爆テロなどを命じられる階級。ほぼ家畜扱い。外部から誘拐されたり、真人から「肉」にされるように命じられた人であり、その際には記憶や感情を抹消される。
天国(てんごく)
神溺教団の教義における真人の『本』が行く場所。その正体は本喰いの能力を持つルルタ=クーザンクーナ。
蒼淵呪病(そうえんじゅびょう)
楽園管理者カチュアの切り札。魂に感染する病気。
かかると絶望に囚われて死ぬと言う強力な病気。感染者が「蒼い。蒼い。」とつぶやきながら死ぬためにこの名がついた。さらに爆発的な感染力も持ち、病人の息を吸うだけで一瞬で感染する。大元の病原菌は鬱黒蜥蜴と呼ばれる人造生物の体内で生み出される。治療法は一切ないが予防薬は存在する。
神溺教団は、死者の『本』を鬱黒蜥蜴に触れさせ、死者の感情を感染者に同調させるように改造した。この改造した蒼淵呪病を全世界に対して広げ、武装司書を憎悪して死んだアーキットの魂を鬱黒蜥蜴に移植することで、世界中の人々に武装司書に対する憎悪を抱かせることに成功する。

魔法・能力

魔法権利(まほうけんり)
この世界の人間が使う物理法則(世界の法則)を無視した力。いわゆる魔法。雷を生み出す、未来を予知する、特定の動物を操る、など人それぞれに違った魔法権利を獲得していることが多い。
魔術審議と呼ばれる儀式を反復することで習得できる。基本的に魔法権利を獲得したら、より強力に、精密に、長時間使えるように強化していくのが普通であり、何種類もの魔法権利を獲得している人間はほとんどない。武装司書のように魔法を使って戦う者は、身体・肉体強化、念動力、触覚糸といった簡単なもの、特に肉体強化の魔法権利は必ず習得しており、そこにプラスして各々が固有の魔法権利を習得している。逆に、身体・肉体強化以外の魔法権利を獲得せずに、剣・銃・格闘技のみで戦うものも珍しくない。
稀に生まれつき魔法権利を獲得している者もいる。そういう人物は髪の色に特徴があり、猫色の髪は予知、若草色の髪は幻を作る、菫色の髪は心魂共有、透明な髪は『本』食い、闇色の髪は『本』食われの能力の証である。
魔法権利は(回数制限などはつくが)譲渡も可能。しかし、魔法権利の譲渡まで獲得できるものは少ない。
魔術審議(まじゅつしんぎ)
魔法を習得するための儀式。強い意志によって自身の中にあるこの世の理=常識から脱却する事で、この世の理から外れた術=魔法を習得する。常に精神が混沌に触れる危険が伴うため、混沌に触れた時に引き戻す役目の監視人が立ち会う。
基本的に誰でもできるが、年齢制限のようなものがあり、13歳になる前に始めると精神に異常をきたす可能性が高く、20代前半を過ぎてしまうと常識や諦観が邪魔をして魔法権利を獲得できない。
未来予知
文字通り未来を予知することができる魔法権利。天気予報にも使用される。後天的に獲得した者としてはマットアラスト、先天的に獲得している者に関してはシロンが確認されており、先天的な未来予知能力を持つ者は、三毛猫のようなまだら模様の髪を持つ。
未来予知と一口に言ってもその詳細は様々であり、シロンのように任意で1000年先さえも予知できる者もいれば、マットアラストのように予知できる未来は2秒しかないものの、常時予知を継続することを可能とする持久力に特化した能力を持つ者もいる。また、実体験のように鮮明な予知ができるもの、「このままだとよくないことが起きる」といったレベルの漠然とした予知しかできないものなど、予知の精度もばらばら。
思考共有(しこうきょうゆう)
テレパシーによって、自分の見聞きしていること、考えていることなどを相手に伝える魔法権利。通常は送信しかできないが、相手も魔法が使えれば、思考共有中に限られるが対話が可能(ハミュッツのようにそれができない人もいる)。顔や名前がわかっている相手でなければ使えないなどの制限があるのが普通。軍隊でも伝令として重用される。
心魂共有(しんこんきょうゆう)
思考共有の上位版のような能力で、相手の思考・心を読み、自分の感情を相手に移すことで人を操ることをも可能にする魔法権利。生まれつきこの魔法権利を持つ者は、色の髪を持っており、チャコリーがこれに該当する。
『本』食い
文字通り『本』を食らうことができる能力。ルルタやザトウが持つ。生まれつきの能力で透明な髪の色が特徴。『本』を吸収してその意識の中に作り出した異空間・仮想臓腑(かそうぞうふ)に貯蓄し、その『本』の人物の知識や人格を自分に取り込むことが可能で、魔法権利もそのまま習得できる。
仮想臓腑内の『本』は、能力者本人の意思もしくは『本』となった魂の意志の強さによっては、人格として仮想臓腑内で独立する事がある。故に非常に多くの本を食べながらそのすべての意思を封印したルルタが、多種多様な魔法権利を習得して無敵の存在になった一方で、ザトウのように取り込んだ『本』の人物らが目覚め、自分の人格を封じ込められてしまう場合もある。また仮想臓腑はあくまで能力者によって形成されているため、能力者自身の魂が現実空間、もしくは仮想臓腑内で干渉を受け死んだ場合は、内部の魂も仮想臓腑もろとも消滅する。
『本』食いの能力者が死んだ場合、その『本』は食べた『本』の数に比例して巨大になる。
『本』食われ
自分もしくは自分と関わりの深い任意の人物の『本』を、任意の『本』食いの能力者に強制的に吸収させる事ができる能力。『本』食いと同様生まれつきの能力であるが、能力の特質上自身が死んだ時に初めて発動可能となる能力であり、能力者の髪は死とともに特有の色である深い黒・色へと変わる。その特質上これまで能力を持っていても発見される事、もしくは活かされる事がなかったため、歴史上この能力を確認されているのはハミュッツのみ。
『本』食いの能力者の魂と、仮想臓腑内で交戦するためだけの能力であり、マキアがルルタに自身の殺害を依頼された事により初めて捜索が開始され、その研究データの下にハミュッツが導き出された。

世界関連

世界管理者
世界を管理するもの。つまり神で、主には「過去神バントーラ」「現在神トーイトーラ」「未来神オルントーラ(声 - 西村知道)」の3人を指す。最初期に世界を作った「始まりと終わりの管理者」が自らの体を引き裂いて生み出したとされる。
バントーラは人間の全てを記録(つまり『本』にすること)、トーイトーラは物理法則の維持、オルントーラは人間をよりよい方向へ導くことを役割とする。彼らは楽園を作り上げ、維持することを目的としているが、毎回管理者が定めた以上の欲望を持つ「悪しき人」の台頭によって管理を諦めならざるを得なくなり、最終的に終章の獣を使って世界を滅ぼし、新たに世界(楽園)を構築することを繰り返している。
現在の世界(694番目の世界)もまた、2000年以上前に楽園が終わり、終章の獣によって滅ぼされるはずだったが、ルルタが終章の獣を支配下に置いた事によって一時的に食い止められた状態にある。その段階でバントーラとオルントーラは世界管理を放棄しているため、現行において世界管理者は単なる伝説(形骸)の存在にすぎない。
楽園時代
2000年以上前の世界の呼び名。世界管理者によって世界が統治され、平穏が約束されていた時代のこと。
楽園時代の末期「悪しき人」が台頭し始めたため、オルントーラは力によって道を正すため懲罰天使を差し向ける。しかし「悪しき人(特に当時の王ヴーエキサル)」は戦うことを選択し、戦いを至上としてしまったため、かえって善き人が虐げられることとなる。最終的にヴーエキサルが「善き人」であるニーニウを「虚無色の髪の石像」にさせた(終章の獣の発動条件を満たした)ことで楽園時代は完全な終わりを迎えた。
終章の獣 / 虚無色の髪の石像
世界管理者に見限られた世界を滅ぼすため、未来神オルントーラによって作られた兵器。バントーラ図書館地下迷宮の衛獣(えいじゅう)の正体。
発動条件は1人の善き人が絶望のうちに死に、自らが生きてきた人生の全てを呪い、生まれてきたことそのものを否定した時。条件が満たされると善人は終章の獣の統括者「虚無色の髪の石像」へと姿を変え、終章の獣が世界を滅ぼす。
現在はルルタが「虚無色の髪の石像」となったニーニウを取り込んだために彼の支配下にある。衛獣こそが終章の獣であり、『本』ではなくルルタを守るために行動している。

その他

追憶の戦器
楽園時代に神々が作り出したとされる兵器。常世の呪いがかけられている事から壊すことはできず、自らの意思を持ち所有者を選ぶとされている。7つあるとされているが、後に神の手のかかっていない戦器・過ぎ去りし石剣ヨルが誕生する。
どのような構造でそれが可能になっているのかは解明されていない。例外は自転人形ユックユックで、レプリカがいくつか作られている。
7つは下記の通り。自転人形ユックユック、常笑いの魔刀シュラムッフェン、常泣きの魔剣アッハライ、虚構抹殺杯アーガックス、彩なる砂戦艦グラオーグラマーン、大冥棍グモルク、韻律結界ウユララ。ちなみにこれらの名前は『はてしない物語』(ミヒャエル・エンデ著)からとられたものである。
常笑いの魔刀シュラムッフェン
蜘蛛を模した糸状の小剣。「斬る」という過程を経ずに「斬った」という結果を残す「因果抹消攻撃」という独自の機能を持つ。これにより、その場で振っただけで空間内に無数の斬撃を放ち、所有者に攻撃が放たれた際には自動的に斬撃を放ち防御する、攻防一体の魔刀。「常笑いの魔刀」の名は、一度に放たれる無数の斬撃によって、笑い声に似た風切り音が漏れる事に由来する。
この剣から放たれる因果抹消攻撃は、斬撃を放つ「空間」を指定できても「対象」の指定はできない不完全なものである事から、攻撃には回避行動をとられる余地があり、防御には斬撃以外の手段を持たない事から全ての攻撃を防御する事は不可能である、といった弱点が存在し、戦器の中では低級に位置している。
虚構抹殺杯アーガックス
猿の面が刻まれた銀色の杯。その杯に汲んだ水に消したい記憶を囁き、水を飲み干すことで記憶を消す機能を持つ。2つ存在し、バントーラ図書館、神溺教団それぞれが所持している。
自転人形ユックユック
妖精を模した彫像。本来束ねることのできない魔法権利を束ねることで強力な魔法を発動させることのできる機能を持つ。元々は人間の持つ魔法権利を奪う能力を持っていたが、司書天使から奪い取った後、現在の形に改造された。しかし一つの魔法権利を込めるのに数年がかりで魔術審議を執り行わなければならない上に、一つのユックユックにつき一度しか発動させることができないため最低ランクの追憶の戦器であるとされる。
常泣きの魔剣アッハライ
芋虫を模した短剣。シュラムッフェンと同系統の力を持ち、その威力はシュラムッフェンを上回る。
大冥棍グモルク
黒い霧で覆われた棍棒。黒い霧によって直接その外貌を目にする事はできず、もし直接目にすれば視力を失うと言われる。一撃で大地を割り砕くほどの打撃力を持つ。
彩なる砂戦艦グラオーグラマーン
虹色に輝く空飛ぶ船。短剣ほどの大きさの鉄片が無数に集合した構造となっており、持ち主の意思に応じて、自由に動き姿を変える。
韻律結界ウユララ
蔦状の紋様。因果抹消能力を防御に転用した結界を発生させ、所有者を戦う意思を持たない時に限って、あらゆる攻撃から守護する。作中では一貫してルルタの肩に刻まれている。
過ぎ去りし石剣ヨル
8つ目の追憶の戦器。本来過去神バントーラにしか成し得ない人の魂を『本』に変えることを可能にする。最も強い意思を持った追憶の戦器であり、死によって途切れた物語に続きを与えることを己の機能としている。そのために死体を操ってラスコール=オセロを名乗り、『本』をその死者の物語を継ぐ者へと渡し歩いている。
元々はバントーラから『本』の管理を任された存在である「司書天使」の一体。その司書天使はラスコール=オセロという名の老戦士に敗れ、人間に興味を持った。そしてラスコール=オセロは世界の滅びを見るために、司書天使は人間の織り成す物語を見るために融合、過ぎ去りし石剣ヨルとなった。
世界の滅びに抗うルルタの行動に感動し、その物語に続きを与えるため自らの力の全てを使いミレポックを目覚めさせ、消滅する。
菫色の願い(すみれいろのねがい)
「菫の咎人」と呼ばれる少女・チャコリー=ココットの、「心の底からルルタを思いやり、彼を救う」という願い。天国を滅ぼす唯一の方法でもある。ハミュッツとベンド=ルガーにその詳細が伝えられ、自らの運命を変えた根源であるルルタを憎むハミュッツには拒絶されたものの、ベンドによってオリビアからエンリケへと語り継がれていくこととなった。

  1. ^ a b c 榎本秋『ライトノベル最強!ブックガイド 少年系』NTT出版、2009年12月3日初版第1刷発行、124-125頁。ISBN 978-4-7571-4231-2 
  2. ^ 『SFが読みたい! 2006年版』早川書房、2006年2月、113頁。ISBN 4-15-208706-4 
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n 『メガミマガジン 2009年12月号』 学習研究社、2009年10月30日発売、160頁、ASIN B002SUI9KS
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab 戦う司書 The Book of Bantorra”. allcinema. 2022年6月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月16日閲覧。
  5. ^ a b c d e 戦う司書 The Book of Bantorra”. メディア芸術データベース. 2023年8月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月16日閲覧。
  6. ^ 戦う司書と恋する爆弾”. 集英社. 2023年11月23日閲覧。
  7. ^ 戦う司書と雷の愚者”. 集英社. 2023年11月23日閲覧。
  8. ^ 戦う司書と黒蟻の迷宮”. 集英社. 2023年11月23日閲覧。
  9. ^ 戦う司書と神の石剣”. 集英社. 2023年11月23日閲覧。
  10. ^ 戦う司書と追想の魔女”. 集英社. 2023年11月23日閲覧。
  11. ^ 戦う司書と荒縄の姫君”. 集英社. 2023年11月23日閲覧。
  12. ^ 戦う司書と虚言者の宴”. 集英社. 2023年11月23日閲覧。
  13. ^ 戦う司書と終章の獣”. 集英社. 2023年11月23日閲覧。
  14. ^ 戦う司書と絶望の魔王”. 集英社. 2023年11月23日閲覧。
  15. ^ 戦う司書と世界の力”. 集英社. 2023年11月23日閲覧。






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