地底戦車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/13 02:47 UTC 版)
実在のドリル型機械
シールドマシン、トンネルボーリングマシン
現在トンネル工事の主流となっているのは、ボーリングビットを備えた円盤が回転しながら前進し、同時にトンネルの躯体工事を進めるシールドマシンやトンネルボーリングマシンである。『サンダーバード』のリメイク版である劇場用映画には、現実のボーリングマシンに型状が近い円盤状のボーリングビットを備えたジェットモグラが登場している。
ロードヘッダ、ブームヘッダー
三井三池製作所やカヤバシステムマシナリーなどの土木機械メーカーは、坑道掘削用に自由断面掘削機(それぞれの商品名はロードヘッダ、ブームヘッダー)を開発している。正面からの外観は螺旋型ボーリングビットやキャタピラのためにまさに地底戦車然としているが、側面の外観はブームの長さから地底戦車よりもメーサー殺獣光線車を思わせるものである。
ロックドリル
古河ロックドリルのドリルジャンボ、ワークステーションは幾つもの可動式のアームを持った掘削機械で、掘削やシールドの設営など作業に応じてアームを使い分けている。縦坑用の3ブームシャフトジャンボはアニメ『機動警察パトレイバー』に登場する「ぴっけるくん」を思わせる外観であったり、樋口真嗣がワークステーションの作業の様子を特撮映画風に構成したPVを監修しているなど、巨大ロボ然とした外観が特徴である。
坑道掘削装置
陸上自衛隊は、ロードヘッダを坑道掘削装置の名称で配備している。敵地への地底を掘り進む坑道戦を行うための軍用重機は地底戦車とも呼べるものであるが、現代では坑道戦が行われる可能性は低く、坑道掘削のための車両を装備している軍は少ない。自衛隊の装備も、坑道式の掩体の作成が主な用途である。
- ^ 昭和18年11月号には、「戦車の未来」としてヘリコプターと合体したような飛行戦車や、潜水艦にキャタピラを付けたような水中戦車と共に、砲弾型で前方の約1/3がドリルとなり下部にキャタピラを持つ地底戦車が、三村武名義で描かれている。また、昭和16年11月号の目次カットには、前方にドリルを持つ「塹壕掘鑿戰車」が描かれている。
- ^ 開田裕治は、SF雑誌『宇宙船』で特撮メカの解説を行っており、轟天の冷却問題の解決方法として、「揮発性の高い薬品を封入したマイクロカプセルを高圧ガスとともに噴射し、その気化熱で冷却を行っているのではないか」との考証を行っている。
- ^ ロードヘッダの前方投影面積を、5メートル×5メートルの25平方メートルとした場合。
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