修道女フィデルマシリーズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/27 06:47 UTC 版)
主な登場人物
- フィデルマ
- 修道女。エール五王国のいずれの法廷にも立つことができるドーリィー(法廷弁護士)であり、アンルー(上位弁護士・裁判官)でもある。関係者の証言を集め、その矛盾を突き、数々の証拠から論理的に真実を見出す。フィデルマ自身も短編「聖餐式の毒杯」で「質問をしてその答えから論理的に結論を求めてゆくのが、私の仕事です」と述べている。
- モアン王国の王家"キャシェルのオーガナハト"の王女。モアン国王コルグーの妹、先王カハルの姪、数代前の王ファルバ・フランの娘。キャシェル城で生まれ育った。「まどろみの中の殺人」ではブレホンの長から20代半ばと推察されている。すらりとした長身で、瞳の色は灰色がかった緑、被り物(ベール)の下から赤い髪が一房はみ出している。
- 一時期、キルデアに聖女ブリジットによって建てられた修道院で暮らしたため、「キルデアのフィデルマ」とも呼ばれる。
- 神学、ヘブライ語、ギリシャ語、ラテン語、ラテン文学に通暁している。タラのモラン師の元でブレホン法について8年間教育を受けた後、隣国ラーハンにあるキルデアの修道院でキリスト教に基づく幅広い学問を修めた。トゥリッド・スキアギッドという、武器を用いない護身術にも長けており、文武両道、才色兼備の女性。王の妹という自身の身分を笠に着て偉ぶることを嫌い、必要がなければ、そのことを伝えない場合も多々ある。
- 17歳の時、大王護衛隊の戦士と恋に落ち、愛を育んだが、彼が別の女を好きになってしまい、別れることになった。
- エイダルフ
- 南サクソン出身の修道士。正式名称はサックスハムのエイダルフ。ローマ教会派に属する、シリーズのほとんどの作品に登場する、フィデルマのよき助手。いわゆるワトソン役。
- 世襲職である行政長官の家柄に生まれた。アイルランドから来た布教者によってキリスト教に改宗し、アイルランドのダロウ修道院、トゥアムの医学院で学業を続けたが、その後、ローマ教会へ入る。フィデルマと異なる宗教観を持っているため、2人で度々議論を戦わせる。
- タラのモラン
- フィデルマの恩師。最高位の資格オラヴを持つ。
- カハル
- リス・ヴォールの修道院院長。温和で虚栄心を知らない人柄。
- 若い頃、戦士として訓練を受けたことがあり、筋肉質でがっしりとした体格をしている。武勲の誉れ高い族長の子息であったが、全財産を自分のクランの貧しい人々に分け与え、自らは宗門の中で清貧の生活を送り、修道院院長としても、アイルランドで最も秀でた教師としても名高い人物。
- キャシェルのコルグー
- フィデルマの兄。モアン王国の王。
- 第1長編『死をもちて赦されん』・短編「旅籠の幽霊」では“王位継承予定者”という位置付けであったが、王の薨去に伴い『幼き子らよ、我がもとへ』で王位を継承する。
- ベッカン
- 小王国コルコ・ロイーグダのブレホン(裁判官)の長。
- ^ 『ハヤカワ・ミステリ・マガジン』2010年9月号に掲載された際の邦題(翻訳:吉嶺英美)
- ^ 『ホロスコープは死を招く』(2006年6月 ヴィレッジブックス)に掲載された際の邦題(翻訳:山本やよい
- ^ 作者は原則的に時代錯誤的な地名を用いることを避け、なるべく読者によりなじみのある地名を用いている。タヴァル→タラ、カシル→キャシェル、アルド・マハ→アーマーなど。しかし、マンスターやレンスターのように9世紀になってから生まれた単語は、モアンやラーハンという古名を用いている。
- ^ 「まどろみの中の殺人」で修道士も所属している旨が述べられている。
- ^ 『幼き子らよ、我がもとへ』の中で「26年前に亡くなった」という記述がある。
- ^ フィデルマはアード・マハの巡礼途上から会議へ召集された。
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