ロングシップ 航海法および推進方法

ロングシップ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/05 14:20 UTC 版)

航海法および推進方法

ゴクシュタット船の復元。バイキングと名づけられ1893年に大西洋を渡った。

航海法

バイキングは歴史的に見ても重要な海洋民族である。彼らは船の速度や風向き、潮の流れやその干満を知る専門家であった。バイキングの航海技術はよく理解されていないが、歴史家の主張では、ある種の原始的アストロラーベを用いて星を目印に進路を決めていたと考えられている。

ストイエルナー・オッディ(Stjerner Oddi)という名のバイキングが、日の出日の入りの方向を示す海図を蓄積した。これがあれば、ロングシップで航海する者は容易に目的地に着くことができる。初期のバイキングであるアルムグレン(Almgren)は、他の方法も上げている。「角度の測定は『半輪』(half wheel)と呼ばれるものでやった(天球での角度約16秒に相当する一種の六分儀)。このことは当時の船長や長期航海の水先案内人(kendtmand)はだれも知っていたことである。太陽が出ている限り、羅針盤の4点を見つけるのは難しくなかったし、緯度を確認することにも何ら問題は無かった。」

陸地を見つけるためには鳥がよいガイドになった。バイキングの伝説によれば、船にはカラスを籠に入れて携帯し、航海時に迷ったときそのカラスを放したという。カラスは本能的に陸を見つけ、バイキングにその方向を教える航海士となった。バイキングの羅針盤についてもほとんど分かっていないが、これも伝説によると、水に浮かべた木片の先に小さな磁石を付けて、方向を知る便りにしたものと思われる。

推進方法

ロングシップには2つの推進方法があった。オールと帆である。海上では、帆を使ってオールによるよりも速く走り、また長い航海にも役だった。帆は素早く上げたり降ろしたりすることができた。オールは目的の陸地が見えたときに、速度を上げるため(風のない時はとくに)とスタートさせるために用いられた。戦闘では、風向きが変わりやすいので、オールを主要な推進力とした。

ロングシップにはベンチが無かった。漕ぐときには、乗組員が箱(個人的なものを入れる)に座って漕ぎ、漕がないときは、片付けられた。箱はすべて同じ大きさに作られ、バイキングが座ってオールを操作するために丁度よい高さになっていた。ロングシップにはオールを掛けるフックがあり、オール受けとなる湾曲した部材もあった。オール用の穴が無い場合はロープで作った輪で固定した。







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