ライスの定理 ライスの定理の厳密な記述

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ライスの定理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/20 08:37 UTC 版)

ライスの定理の厳密な記述

計算可能関数全体の集合とし、 アクセプタブル・ナンバリングとする(以下 の事を と書く):

  • は全射である;
  • 対応 は計算可能である;
  • 上の条件を満たす任意の に対して、計算可能関数 が存在して が成り立つ。

計算可能関数へのゲーデル数割り当てであると解釈できる。

の部分集合と、計算可能関数の属性を同一視する。 すなわち集合 に対し、 であるときだけ計算可能関数 が属性 F を持つと解釈する。

に対し、「自然数 が与えられたとき、 であるかどうかを決定せよ」という決定問題 と書く。

ライスの定理の主張は次の通り:

  • 決定問題 決定可能である必要十分条件は、 または である。
  • が非自明ならば もしくはその補集合はm-困難である。すなわち任意の帰納的可算集合を多対一還元可能である。

ライスの定理はアクセプタブルでないナンバリングに対しては必ずしも成立しないことに注意しなければならない。例えばフリードバーグ・ナンバリングは単射であるから「自然数 は定数関数 の指標である」という性質は決定可能である。このことはライスの定理の結論に反する。


  1. ^ 厳密には、Fは関数空間の部分集合Yを使って「fAYの元である」の形に書ける性質。
  2. ^ あるプログラムAが存在してf=fAと書ける関数fの事を計算可能関数という。Fが自明であるとは、厳密には、「任意の計算可能関数fに対し、fFを満たす」と「任意の計算可能関数fに対し、fFを満たさない」の事である。
  3. ^ を帰納的可算集合のクラスとするとき、 計算可能な関数にたいするライスの定理で、というクラスを考えればよい。 ただし の定義域であり、 あらゆる帰納的可算集合は適当な を選ぶことにより と書くことが出来る。
  4. ^ Kreisel, G., Lacombe, D., Shoenfield, J.R., 1959. Partial recursive functionals and effective operations. In: Heyting, A. (Ed.), Constructivity in Mathematics. Studies in Logic and the Foundations of Mathematics. North-Holland, Amsterdam, pp. 290–297.
  5. ^ a b Kumabe, Masahiro; Mihara, H. Reiju (2008). “Computability of simple games: A characterization and application to the core”. Journal of Mathematical Economics 44 (3-4): 348–366. doi:10.1016/j.jmateco.2007.05.012. ISSN 03044068. 
  6. ^ Kumabe, Masahiro; Mihara, H. Reiju (2008). “The Nakamura numbers for computable simple games”. Social Choice and Welfare 31 (4): 621–640. doi:10.1007/s00355-008-0300-5. ISSN 0176-1714. 





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