ミクニテンナンショウ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/07 15:17 UTC 版)
名前の由来
和名 ミクニテンナンショウは、「三国天南星」の意で、本種が、上野国(群馬県)の十石峠、武蔵国(うち、埼玉県)の二子山・武甲山・両神山、信濃国(長野県)の角間渓谷に分布し、上野国、武蔵国および信濃国の三国に分布することによる。学名とともに邑田仁 (1978) による命名である[5]。
タイプ標本の採集地は、群馬県多野郡上野村の十石峠[1][5]。
ギャラリー
近縁種
カントウマムシグサ Arisaema serratum に似る。同種の分布域は広く、北海道、本州、四国、九州、韓国(済州島)に分布する。同種は、仏炎苞が緑色または紫褐色をおび、白い縦の筋があり、仏炎苞口辺部は狭い耳状に開出または半曲する。仏炎苞舷部内面に隆起する細い縦の脈がある。花序付属体は細い棒状から上部で太くなるものまで変異が大きい。一方、本種の分布域は狭く、仏炎苞は緑色で、中央の1本の白い筋が目立ち、仏炎苞口辺部はやや広く耳状に開出する。仏炎苞舷部内面に隆起する細い縦の脈は、舷部外側の緑色部分にあるが、中央の淡色から白色部分は平滑になる。花序付属体は棒状になる[3][6]。
脚注
- ^ a b ミクニテンナンショウ「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ a b c d e 邑田仁・大野順一・小林禧樹・東馬哲雄 (2018)、『日本産テンナンショウ属図鑑』pp.285-287
- ^ a b c d e f 邑田仁 (2015)「サトイモ科」『改訂新版 日本の野生植物 1』p.104
- ^ a b c 『日本の固有植物』pp.176-179
- ^ a b c 邑田仁、テンナンショウ属の一新種, The Journal of Japanese Botany,『植物研究雑誌』,Vol.53, No.3, pp.84-86, (1978).
- ^ 邑田仁 (2015)「サトイモ科」『改訂新版 日本の野生植物 1』pp.95-96,106
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