ポーカー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/03 00:01 UTC 版)
様々なポーカー
クローズド・ポーカー(ドローポーカー)
- ゲームに参加するプレイヤーはアンティを払う。
- ディーラーはアンティを払ったプレイヤーに5枚ずつ裏向きにカードを配り、残りの札は中央に裏向きに置く。
- カードを配り終わったら、プレイヤー達はカードを手に持って、役が揃ってるかどうか見極める。
- 1度目のベッディング・インターバル。
- 各アクティブ・プレイヤーは一度だけカード交換を行う。ディーラーから順に任意の枚数(0枚も可)のカードを場に裏向き捨て、捨てた枚数と同じ枚数のカードを中央のパイルから取る。
- 2度目のベッディング・インターバル。
- アクティブ・プレイヤーたちは自分の手札を公開する。ここで、勝敗が明らかになる。
- 勝者はポットのチップを全て取る。
セブンカード・ドロー
主として、参加するプレイヤーが5人より少ないときに行われるポーカーである。
ゲームの流れは基本ルールとほとんど同様。ただしディーラーは7枚カードを配る。カード交換は0~7枚まで何枚でも可能。
最後にアクティブプレイヤーは7枚の手札から5枚を選んでハンドを作り、そのハンドの強弱を比較しあう。
ロー・ボール
ロー・ポーカーの一種。
ゲームの流れは基本ルールとほとんど同様。ただしより低いポーカーハンドを作ったプレイヤーが勝ち。
ロー・ボールの変種。
- イギリスではAを最低の札とみなす。すなわち例えば3のワンペアよりもAのワンペアのほうが低い。
- (カリフォルニア・ロー・ボール)Aを最低の札とみなし、しかもフラッシュとストレートを認めない。
ハイロー・ドロー
基本ルールと同様。ただし最も高いハンドを作ったプレイヤーと最も低いハンドを作ったプレイヤーがポットのチップを等分する。
ベスト・フラッシュ
ポーカーハンドが通常と違う。
このゲームには弱いほうから順に、ツー・フラッシュ、スリーフラッシュ、フォー・フラッシュ、フラッシュの4種類のポーカーハンドがあり、それぞれ同じスートのカードが2枚、3枚、4枚、5枚そろっているハンドである。ワンペアなどの通常のポーカーハンドは認められていない。
その他は基本ルールと同様。
バドージ
4枚の手札で行い、特殊なポーカーハンドを用いるロー・ポーカーの一種。
ゲームの流れは基本ルールと似ているが、4枚の手札で役を作ることと、ドロー・ラウンドを3回行うことが特徴。2回目のドロー・ラウンド後のベット・ラウンドはビッグ・ベットになるルールが多い。ハウスによっては、ドローラウンドごとにドロー可能な枚数が制限されている場合もある。例えば、1回目のドローラウンドから順に3枚まで、2枚まで、1枚までドロー可能など。
4枚で手役を作るが、同じスートおよび同じランクのカードは何枚手札にあっても1枚しか手役に使うことができない。スートが被る場合は、より低位のカードで手役を作る。
通常のポーカーの手役は適用されず、手役は強い順に以下の通りである。なお、○・カードとは、通常のポーカーの手役(○・オブ・ア・カインド)とは異なる意味である。同じ手役同士では、まずハイカード同士を比較し、低い方が勝ち(Aは最低位と見なす)。同数であればその次に高位のカードのランクを比較する。手役から省かれたカードは比較しない。
- バドージ。スートもランクも異なる4枚のカードでできる役。最強形は、バドージ432A(例えば、4h 3s 2c Ad)である。
- スリー・カード。4枚の手札のうち1枚がスート被りなどで使えず、3枚で手役を作った形。例えば、5h 6h 2d Asや5h 5s 2d Ac(どちらもスリー・カード52A)などの形。
- ツー・カード。4枚の手役のうち2枚がスート被りなどで使えず、2枚で手役を作った形。例えば、5h 6h 7h 5d(ツー・カード65)などの形。
- ワン・カード。フラッシュや4・オブ・ア・カインドの形になり最低位のカード1枚でしか手役を作れない形。珍しい形だがもっとも弱い。例えば、Ks Qs Ts As(ワン・カードA)などの形。最弱形はワン・カードK (Kh Ks Kc Kd) である。
高位のカードを交換する場合に、結果として手が悪くなるケースも多々ある(例えば、弱いバドージK432などを崩してドローした結果、スリー・カードに降格するなど)ため、ドローするかスタンドパット(ドローしない)かの判断が難しく、またドロー枚数で相手の手役がある程度推測できるという特徴がある。
スタッド・ポーカー(オープン・ポーカー)
ファイブカード・スタッド(ショート・スタッド)
- ゲームに参加するプレイヤーはアンティを払う。
- ディーラーはアンティを払ったプレイヤーに1枚ずつ裏向きに伏せてカードを配る。
- 各プレイヤーは配られた札を秘密裏に見て元に戻す。
- 次にディーラーはアンティを払ったプレイヤーに1枚ずつ表向きにカードを配る。
- 1度目のベッディング・インターバル。
- ディーラーはアクティブ・プレイヤーに1枚ずつ表向きにカードを配る。
- 2度目のベッディング・インターバル。
- 以下同様に表向きに1枚カードを配ってはベッディング・インターバルに入る。
- 5枚目のカードを表向きに配り、最後のベッディング・インターバルを終えたら、アクティブ・プレイヤーは裏向きのカードを表にし、ハンドの強弱を比較する。
- 勝者はポットのチップを全て取る。
ゲーム中各プレイヤーは、下のカードが見えるように順に重ねてカードを置く。
セブンカード・スタッド
ゲームの流れはファイブカード・スタッドと同様。ただし最初に裏向きに2枚、表向きに1枚に配る。
以降、ベッディング・インターバルを行う毎に表向きに1枚配り、最後の7枚目は裏向きに配られる。7枚目のベッディング・インターバルが終わったら、アクティブ・プレイヤー達は裏向きのカードと表向きのカードをあわせた計7枚の全ての手札を公開し、その中から最強の組み合わせになる5枚を選び出してハンドの強弱を比較する。
ロー・スタッド
ファイブ(セブン)カード・スタッドと同様。ただし最も低いハンドを作ったプレイヤーが勝ち。
ハイロー・スタッド
ファイブ(セブン)カード・スタッドと同様。ただし最も高いハンドを作ったプレイヤーと最も低いハンドを作ったプレイヤーがポットのチップを等分する。
Razz
セブンカード・スタッドと同様。ただし最も低いハンドを作ったプレイヤーが勝ち。このルールでのカードの強さは、K>Q>J>10>...>2>Aで、低い札が勝つ。
カナディアン・スタッド
ファイブカード・スタッドと同様。ただしフォー・ストレート、フォー・フラッシュ、フォー・ストレートフラッシュという3種類の役を認める。
フォー・ストレートとは、5枚の札のうち4枚の札のランクが連続しているハンドのこと。(例えば♣8 ♡7 ♡6 ♢5 ♢2)。
フォー・フラッシュとは、5枚の札のうち4枚の札のスートが連続しているハンドのこと。(例えば♠J ♠7 ♠4 ♠2 ♡K)。
フォー・ストレートフラッシュとは、5枚の札のうち4枚の札のスートとランクが一致しているハンドのこと。(例えば♠J ♠10 ♠9 ♠8 ♡3)。
ハンドの強さは、ツーペア<フォー・ストレート<フォー・フラッシュ<スリーカード<……<フルハウス<フォー・ストレートフラッシュ<フォーカード。
メキシカン・スタッド
フリップ・スタッド、ファイブカード・ターンアップ、ピープ・アンド・ターンとも呼ばれる。
- ディーラーは各プレイヤーに札を2枚ずつ裏向きに伏せて配る。
- 各プレイヤーは配られた札を秘密裏に見て、順に2枚のうち1枚を選んで表向きにする。
- 一度目のベッティングインターバル。
- ディーラーは各プレイヤーに裏向きに札を1枚ずつ配る。
- 各プレイヤーは配られた札を秘密裏に見て、伏せられた2枚のうち1枚を選んで表向きにする。
- 二度目のベッティングインターバル。
- 各プレイヤーのカードが5枚になり、4回目のベッティングインターバルを行うまで、以下同様に繰り返す。
- ショーダウン
フロップ・ポーカー(コミュニティカード・ポーカー)
テキサス・ホールデム
ラスベガス等の世界中のカジノのポーカールームでプレイすることのできる一般的なフロップゲームである。名称としては「ホールデム」や「テキサス」とも呼ばれることが多い。
2枚の手札と5枚の共有カードを組み合わせて役を競うポーカー。手札と共有カードの組み合わせ方は自由である。
海外のカジノや、ゲームサイトで人気があり、ワールドシリーズオブポーカーという世界選手権のメインイベントの種目は、この「テキサス・ホールデム」である。
オマハ・ホールデム
4枚の手札と5枚の共有カードを組み合わせて役を競うポーカー。ただし制約があり、手札から2枚、共有カードから3枚の組み合わせに限られる。名称としては単にオマハとも。
テキサス・ホールデムと似たスタイルのゲームで、より高位の役が期待される。ハイローのルールを組み合わせて遊ばれることも多い。高位の役が期待されるため、賭けの総額も(参加プレイヤーが多くなるため)必然的に増加する傾向にある。
テキサス・ホールデムとは違い手札の数が4枚に変更される。4枚になるので手役はある程度できやすいといえるが、その反面必ず手札を2枚、場に出ているカード5枚から3枚を使わなくてはいけないというルールがあり、テキサス・ホールデムよりもかなり戦略性が高くなったフロップゲームといえる。
ゲームの流れは以下の通りとなる(ハイの場合のみ説明)
- ブラインドベット(ディーラーボタンと呼ばれる器具の左隣1・2番目の人が払う強制ベット額)を行う
- カードをプレイヤー1名に対して4枚をディーラーボタンの左隣1番目の人から全員にディールする(配る。この時カードは1枚ずつ配るものとされている)
- ベットラウンド1
- 全員のベット額が同額になり次第ディーラーはカードを1枚捨て(バーンカードという)3枚のカード(フロップと呼ばれる)をボード上に表向きにして置く
- ベットラウンド2
- 全員のベット額が同じになり次第ディーラーはカードを1枚捨てターンと呼ばれる4枚目のカードを場に表向きにして出す
- ベットラウンド3
- 全員のベット額が同じになり次第ディーラーはカードを1枚捨てリバーと呼ばれる5枚目のカードを場に表向きにして出す
- ベットラウンド4
- 全員のベット額が同じになり次第ショーダウン(カードを明かす)
- ディーラーの裁定で役の強さが決定され、一番強い手役をもっている人にチップが全て渡される
(引き分けの場合はチップの量を可能な限り引き分けたプレイヤーで割り、それを引き分けたプレイヤー全てに渡される)
その他
HORSE
5つのポーカーゲームを組み合わせたゲームで、通常、ある一定の時間が経つとゲームが変更される。 名前の由来はH:テキサス・ホールデム、O:オマハ・ホールデム、R:Razz、S:セブンカード・スタッド、E:セブンカード・ハイロースタッド・エイトオアベターの頭文字をとったものである。
インディアンポーカー
配られた5枚の手札を、自分は見えず、相手からは見えるスタイルでプレイするポーカー。
おのおのが額の部分にカードを表向きにさらす。自分の強さがわからないため、読み合いも関連しブラフに独特の味がでる。
簡便のため1枚の手札で行われることもあり、むしろそのほうがポピュラーである。
ポーカー・ソリテール
ポーカー・ソリティア、ポーカー・ペーシェンス、ポーカー・スクェアとも。
カード・ペーシェンスの一つ。通常のポーカー・ゲームと違い一人で楽しむ。
一組52枚のカードから25枚を抜き出す。そしてその25枚のカードを、5×5の正方形に並べる。どのカードをどの位置に置くのかはプレイヤーが自由に決めることができる。
正方形の縦5列、横5行で計10個のポーカー・ハンドができる。ハンドには下表のように点が割り振られている。 できたハンドの点の合計値が得点である。目標はより高い得点を目指すこと。
名前 | アメリカ式スコア | イギリス式スコア |
---|---|---|
ノーペア | 0 | 0 |
ワンペア | 2 | 1 |
ツーペア | 5 | 3 |
スリーカード | 10 | 6 |
ストレート | 15 | 12 |
フラッシュ | 20 | 5 |
フルハウス | 25 | 10 |
フォーカード | 50 | 16 |
ストレートフラッシュ | 75 | 30 |
ロイヤル・フラッシュ | 100 | 30 |
アメリカ式のスコアは、ランダムにカードを選んだ時のハンドのできやすい方から順に点を高くしてあるだけであるが、それに対しイギリス式のスコアはポーカー・ソリティアを行った時のハンドのできやすさに基づいて点が割り振られている。
- 変形ルール
- いきなり25枚を抜き出すのではなく、裏向きに置かれたデックからカードを一枚ずつ表にしていく。次のカードをめくる前に今表にしたカードをどこに置くか決めなければならない。
- 地方ルールによっては、斜めの5枚カードの得点もつける。
- コンペティティブ・ポーカー・ソリティア
- コンペティティブ・ペーシェンスの一つ。2人で行う。一人25枚ずつカードを配り、各々ポーカー・ソリティアを行う。得点が高い方が勝ち。
- 関連ゲーム
- クリベッジ・ソリティア:ポーカー・ハンドの代わりのクリベッジのハンドを使って同種の遊びを行う。
ビデオポーカー
ポーカーの役のルールを利用して、コンピューターを相手に一人で遊ぶゲーム。手札を正しく交換し、高い役を作り多くの配当を得ることを目的とする。一意に最適戦略が決定することから、シリアスプレイヤーに好まれている。ただし、日本などではパチスロと同様の方式で役フラグを抽選し、それに合わせて配られるカードを制御する方式がとられる場合もある(これは、ラスベガスなどでは許されていない方式である)。この場合、いくら最適戦略をとっても、フラグのない役は絶対に揃わないし、狙い役と違う役を狙った場合にその役を取りこぼす(完成できない)ことがある。
単にポーカーといった場合、ビデオポーカーは含まれないことが多い。
- ^ Rules of Card Games: Poker Hand Ranking(pagat.com) にさまざまな変種を集めてある
- ^ “New Jersey Casino Control Commission - Chapter 46. Gaming Equipment”. state.nj.us (2006年7月30日). 2006年7月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年9月17日閲覧。
- ^ a b Parlett's Historic Card Games: Poker
- ^ Cowell (1844), p. 94.
- ^ 日本経済新聞社・日経BP社. “日本人初・ポーカー世界王者「勝利の極意は株式投資」|エンタメ!|NIKKEI STYLE”. NIKKEI STYLE. 2023年3月17日閲覧。
- ^ “ポーカーとは”. 内閣府認証NPO法人日本ポーカー協会. 2023年3月17日閲覧。
- ^ 『大辞林 第三版』(三省堂、2006年)
- ^ “ポーカープレーヤーのフィル・ヘルムートJr ポーカー殿堂入りを果たす”. www.afpbb.com (2007年7月6日). 2023年6月12日閲覧。
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