ピンボール 得点要素

ピンボール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/30 13:09 UTC 版)

得点要素

ピンボールの目的は得点を得ることであり、得点はターゲットに当てたり、ある場所を通過させたりすることによって得られる。得点を得られるものには以下のようなものが挙げられる。

スリングショット
アウトレーン(左)、リターンレーン(右)と通り道にそれぞれロールオーバー
ヒットターゲット
スリングショット
主に、最下部の左右フリッパーの斜め上に設置された、ボールが当たるとある程度の力で打ち返す装置。打ち返された球がアウトレーンに行く場合も多い。
ポップバンパー
ボールを弾くキノコ状のパーツ。別名ジェットバンパー、サンパーバンパー(thumper bumper)、ターボバンパー、マッシュルームバンパー、日本ではキノコバンパーとも呼ばれる。単にバンパーとも呼ばれるが、その場合スリングショットなどを含めた接触したボールを弾く装置全般を示す。近代ピンボールでは3個一組でトライアングル状にレイアウトされているテーブルが多い。
ホール
盤上に開いた、ボールよりやや大きい穴である。ランプやレーンの先に設けられていることも多い。それ自体では大きな得点を得ることは少ないが、一定の条件を達成した場合の最後の条件となることも多い。
入ったボールをその場で弾き出すホールはその形からソーサーとも呼ばれる。
ボールを落としてしまうとそのボールを失ったと判定される穴を特にアウトホールと呼ぶ。これによりそのボールでのプレイが終了するたびに、蓄積されたアウトホールボーナスが得られる。ただしアウトホールボーナスはティルトをとられた場合は得られず没収となるため、揺らしに対する一つの抑止力として設定されている。
キッカー
ボールを蹴り出す装置。ソーサーやホールに設置されていることが多い。
レーン
ボールが通るルート。途中に、さまざまな得点が入るスイッチ等が設置されていることが多い。特にスリングショットの外側にあるフリッパー上にボールを戻すレーンをリターンレーン、さらにその外側にあるアウトホールに落ちるレーンをアウトレーンと呼ぶ。
トップレーン
レーンのうち、プレイフィールド最上部に並んでいるレーン。通過することでライトが点灯して、全てのレーンのライトを点灯させる事でボーナススコアが獲得できたり、アウトホールボーナスの倍率がアップするなどのフィーチャーが主流。近代ピンボールではフリッパーボタンで点灯しているライトと消灯しているライトを入れ替えられたり、トップレーンの真下にポップバンパーがレイアウトされているテーブルも多い。
ランプ
レーンのうち、フリッパーで直接狙える登り坂のレーン。ランプレーンやスロープとも呼ばれる。ボールに勢いがないと登り切れずにボールが戻ってくる。ランプとは高低差のある場所を連結する道路の一形態を意味し、英語表記ではRAMPである。
ロールオーバー
レーンの床面に設置され、ボールが踏みつけることでその上を通過したことを検知するセンサー。
ロールアンダー
レーンの上に設置され、ボールがくぐることで通過したことを検知するセンサー。
一部のロールアンダーは片方からしか開かない一方通行のゲートになっていることも多い。
スピナー
ロールアンダーの一種で、ボールが通過するとその勢いで回転する薄い金属製の板状の装置。ボールの勢いが良いほど多く回転する。殆どの場合、特定の条件の完成でスピナーの得点単位が増える。
ヒットターゲット
ボールを当てることでセンサーが動作し、フィーチャーを得られる的。スポットターゲットとも呼ばれる。
ドロップターゲット
ボールとほぼ同じ大きさで、薄い長方形の的。ボールを当てることによってドロップ(落ちる)し、盤面から消えることから名付けられた。
セームターゲット
ヒットターゲットやドロップターゲットの内、(ほとんどの場合同種の)ターゲットが複数設置され、その全てを揃えることによってフィーチャーが得られるようなもの。
ヴァリターゲット
ボールをぶつけることで後退する、長方形の金属板状の特殊な的。より後退させるほど高得点になる。ヴァリターゲットを一番奥まで後退させることで完成するフィーチャーもある。
メッセンジャーボール
フィールド上のボール溜まりに封じ込められているボールで、下からぶつけることで、その奥にあるターゲットを間接的にヒットさせる。視覚的な効果以外はヴァリターゲットと似通ったターゲットである。

近代ピンボールでは、これらの組み合わせによりフィーチャー(役)を完成させることができる。また、多くの場合フィーチャーはいくつかのグループに分けられており、そのグループ全てを完成させることにより大きな得点を得ることができる。さらにこれを複数回行ったり、特定の順番で行ったり、複数のグループでのフィーチャーを達成したりといった一定の条件をクリアすることでマルチボールやジャックポットの権利を得られるようになっている。

単にターゲットに当てる点数に比べ、フィーチャーの完成を達成したときの得点は飛躍的に高くなる。さらにマルチボールではボールが増えることから得点する可能性そのものが上がるだけではなく、得点が倍増する要素が加えられることが多い。もちろん、ジャックポットを獲得すれば、単に的を当てるのとは比べものにならない高得点を稼ぐことができる。


  1. ^ 一般的には日本向けの場合で2回許容、3回目の作動でティルト発動。
  2. ^ 例えば1982〜1988年ごろのタイトーのビデオゲーム筐体にはティルトスイッチが組み込まれていた。このティルトスイッチはスラムティルトのものが流用されている。
  1. ^ a b c d 開拓者たちの時代”. 一般社団法人日本アミューズメント産業協会. 2020年4月21日閲覧。
  2. ^ a b 赤木真澄『それは『ポン』から始まった』アミューズメント通信社ISBN 4-9902512-0-2 C3076。
  3. ^ Pinball News article on Big Bang Bar”. Pinballnews.com. 2012年10月27日閲覧。
  4. ^ Pinball News article on Big Bang Bar update”. Pinballnews.com. 2012年10月27日閲覧。
  5. ^ Spain's Marsaplay Introduces Pinball Machine That Unites Classic And Modern Features - Articles - Vending Times”. www.vendingtimes.com. 2010年4月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月5日閲覧。
  6. ^ Plante, Chris (2013年2月28日). “No Place like Jersey: Inside the factory of the wizard of pinball”. Polygon. 2013年11月26日閲覧。
  7. ^ PinballDays -2017年のピンボール- 第二部 アメリカの文化を色濃く残す街並みが築いた聖地”. AUTOMATON (2017年4月12日18時0分). 2023年9月9日閲覧。
  8. ^ 消えつつあるピンボールを救うべく開発された新たなピンボールマシン”. GIGAZINE (2013年1月18日13時0分38秒). 2018年4月18日閲覧。
  9. ^ a b Pinball Days -2017年のピンボール- 最終部 -ピンボールの本場、アメリカに存在する殿堂のこれまでとこれから- 後編”. AUTOMATON (2017年5月30日18時0分). 2023年9月9日閲覧。
  10. ^ ピンボール・グラフィティ:月刊Beep 日本ソフトバンク ISBN 4-89052-064-3 C0076





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