ダーククリスタル 背景・用語

ダーククリスタル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/20 10:19 UTC 版)

背景・用語

異世界ファンタジー映画であるため、この映画にも独自の用語が多数存在する。(なお、用語は山田順子による日本語訳に準拠している)

ダーククリスタル

スケクシス族が本拠とするダーククリスタルの城の中心、最上階に位置する巨大な黒水晶。支えも無しに空中に固定されたかのように浮いている。その結晶構造の上部には、はるか昔に加えられた打撃による無残な亀裂がある。その直下は、ダーククリスタルの城を貫き、地中深く穿たれた竪穴となっており、遥か下に溶岩らしき炎の海が見える。ダーククリスタルは、スケクシスたちが斥候として放つ、クリスタルの蝙蝠が捉えた画像を映し出す受像機の役割も持っている。

本来、ウルスケク族が作り上げた破壊される前の大水晶は、三つの太陽からのエネルギーを変換・制御し、地殻変動を安定させ、三つの太陽を巡る惑星の複雑な軌道から来る激烈な気候を緩和し、生命力と言える波動を伝播する、惑星規模のエネルギーシステムというものであったが、中核となる大水晶がダーククリスタルと化した結果、それは計り知れない悪影響を惑星全体に及ぼすこととなった。大水晶がダーククリスタルと化して以降の時代は「暗黒の千年紀」(Dark Millenium)と通称されている。

クリスタルの欠片

この物語におけるキーアイテム。遥か昔、大水晶が破壊された際に分離した欠片(かけら)は、短剣状の透明の結晶体の小クリスタルとして、様々な種族の手を経て、スケクシス族にも所在が分からず行方知れずとなった。ダーククリスタルの放つ負のエネルギーを権力の源泉としているスケクシス族にとっては、欠片を破壊できなかったのは不本意なことだったが、代わりに偽の欠片を大量にばら撒き、どれが本物の欠片なのか分からないように欺瞞した。長い年月の末に、その試みは成功したかのように思われたが、ミスティック族は本物の欠片を見分けるための方法をそれとなくジェンに伝えていた。

本来、武器ではないが、短剣のような形状と、物理的に破壊不可という特性から、側面を刃のように使って物を切ったり、尖端を突き刺すような使い方は可能。

大合致

惑星トラから見て、複雑な軌道を描いて空を巡る三つの太陽も天頂にて、の状態となる時がある。二つの太陽による蝕を「小合致」、三つの太陽の蝕を「大合致」と呼ぶが、天窓から受けた太陽光をエネルギーへと変換としているダーククリスタルは、三つの太陽相互の陽光の増幅効果により、異常な高エネルギーのビームが降り注ぐ一種の臨界状態へと移行する。スケクシスたちはその瞬間を利用して、さまざまな邪悪な意図を達成してきた。三つの太陽が蝕となる「大合致」は、千年に一度しか起こらない。

夢幻展開(dreamfasting)

この世界でいくつかの種族が生来、備えている精神感応力。覚えているが、正確に意識できない記憶も含めて引き出し、文字通り互いの経験を疑似体験し、共有できる。

遺跡

ポッド族の村を襲撃したガーシムより、辛くも逃れたジェンとキーラが森の奥で、一夜を過ごした後、偶然に迷い込む遺跡。実は遠い昔に襲撃され、廃墟となったゲルフリン族の住居、それも王宮というべき規模のものだった。ポッド族は以前から、この遺跡の存在を知っていたが、「古き者」たちの住まう処として、立ち入りを禁じ、禁忌の地としてきたために、キーラもその実態を知らなかった。ゲルフリン族のためと思われる建物(廃墟)と玉座があり、遺されていた壁画により、ジェンとキーラは曖昧な「預言」の真の意味を悟り、スケクシス族打倒のための行動を決意する。


注釈

  1. ^ ただしインダストリアル・ライト&マジックの参加は異世界背景のマット画など限られたものである。
  2. ^ 短い尻尾を持っているが、映画本編では紹介されることはなかった。
  3. ^ なお、ジェンとキーラの誕生日は、ミスティック族の数霊術師の砂絵占いにポイントとして記されており、公式にジェンの方が歳上とされている。
  4. ^ 劇中、呼ぶ者によって、キーラの名は「キーラ」とも「キアラ」とも聞こえる。日本版小説では「キアラ」で統一されている。
  5. ^ ダーククリスタルの城で、「生命のエキス」装置から逃れて、ジェンを探しに行こうとするキーラに「友を探せ、(お前の)死を探せ」と語りかけ、最終的にゲルフリン族のジェンの手で、ダーククリスタルが癒され修復される過程で、キーラの自己犠牲による死が避けられないことを示唆している(マーベルコミック社より刊行されたコミック版には、より具体的に描写されている)。
  6. ^ このエピソードはよく知られているが、打ち合わせ相手の娘はリサ・ヘンソンとも言われる。
  7. ^ カーミットの声をジム・ヘンソンが担当していたことや、ミス・ピギーの声をフランク・オズが担当していることはよく知られる。
  8. ^ ウェンディ・ミッドナーはこれら作業の縁で後日、ブライアン・フラウド夫人となっている。
  9. ^ 毛皮の調達元はすべて古着の毛皮コート等である。
  10. ^ 『ダーククリスタル』の米国公開は、元来1982年5月28日を予定していたが、これら改変によって延期され、結局同年のクリスマス公開となった。A.C.H.スミスによる映画ノベライズは、完成試写版の映画脚本を元にしており、公開された映画とは若干の違いを見せている。
  11. ^ 公開当時ブエナビスタ社から関連商品として、発売されていたドラマ版LPはオウグラの声だけがオリジナルと違っていた。キャスト名が記載されていないため、詳細は不明ながら、変更前のキャストと思われる。
  12. ^ 映画で使われたキャラクターの人形の一部がソニープラザにて展示公開された模様。

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