スタッグハウンド装甲車 概要

スタッグハウンド装甲車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/03 04:30 UTC 版)

概要

第二次世界大戦の序盤、北アフリカ戦線ドイツ国防軍と戦ったイギリス軍は、火砲搭載の装輪式装甲車の有用性を認識、アメリカ軍もその認識を同じくし、偵察用火砲搭載装輪装甲車がアメリカで開発される。フォードが6輪式T17、GMC(GMシボレー)が4輪式T17E1を開発、評価試験の結果T17E1の方が良いとされ、アメリカ軍ではT17E1にM6の形式名が与えられたものの、問題ありとして結局実戦使用されず、全てイギリス軍に供与された(米軍ではその後、M8装甲車を採用)。イギリス軍に引き渡されたT17E1は、スタッグハウンドと名付けられ、同軍で終戦まで使用された。T17E1は1942年~43年末にかけ、約2800両生産された。

最初に開発されたT17E1 = スタッグハウンドMk.Iは、37mm砲と7.62mm機銃を同軸配置した旋回式密閉砲塔を持っていたが、イギリス軍による改修で、Mk.Iの主砲を3インチ榴弾砲に換装したスタッグハウンドMk.II、砲塔をクルセイダーMK.IIIの物に換装し、75mm戦車砲装備のスタッグハウンドMk.IIIがそれぞれ製作され、使用された。またイギリス軍の要望によりアメリカで対空型T17E2が開発された。T17E2は、オープントップの砲塔に2連装M2重機関銃を装備し、イギリス軍ではスタッグハウンドAAと呼称された(AAはAnti Aircraftの略)。T17E2は約800両生産された。このほか、砲塔をM8自走榴弾砲に換装したT17E3が開発されたが、この車両は試作のみで終わる。また、一部スタッグハウンドMk.Iには砲塔側面にシャーマン戦車やファイアフライ戦車と同様、Tulip 対地ロケット発射機を搭載した。

スタッグハウンド装甲車は大戦中、イギリス軍の他、他のイギリス連邦軍でも使用された。終戦後、各国で余った車両が輸出され、様々な国で使用が続けられた。レバノン内戦では複数勢力により使用され、現地改修によりキューポラを増設した車両や、シールド付きM2重機関銃を砲塔上に設置した車両、更にはAEC 装甲車Mk.IIIの砲塔に換装された車両などもあった。







英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「スタッグハウンド装甲車」の関連用語

スタッグハウンド装甲車のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



スタッグハウンド装甲車のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのスタッグハウンド装甲車 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS