サボテン・ブラザース
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/23 08:12 UTC 版)
製作
脚本はスティーヴ・マーティン、ローン・マイケルズ、ランディ・ニューマンが手掛けた。マイケルズによると、マーティンから映画のアイディアを持ちかけられ、共同で脚本を執筆して欲しいと依頼されたという。ワーキングタイトルは『三人の騎士』と同じ「Three Cabelleros」だった。ニューマンは脚本の他に映画音楽にも関わり、「The Ballad of the Three Amigos」「My Little Buttercup」「Blue Shadows on the Trail」を手掛け、その他の作曲はエルマー・バーンスタインが手掛けている。撮影はニューメキシコ州の他にカリフォルニア州シミバレー、コロナド国有林、オールド・ツーソン・スタジオ、ハリウッドで行われた。『サボテン・ブラザース』の編集作業中、ジョン・ランディスが『トワイライトゾーン/超次元の体験』撮影時の事故に関する裁判に巻き込まれた。この後、スタジオ側はランディスが完成させたファイナルカットを全面的に再編集している[3]。
『サボテン・ブラザース』は撮影開始までに何度もキャストが変更されている。マーティンは共同脚本家として1980年から製作に参加しており、この時点ではマーティン、ダン・エイクロイド、ジョン・ベルーシがスリーアミーゴス役を演じる予定だった。監督にはスティーヴン・スピルバーグが検討されていたが、彼はスリーアミーゴス役にマーティン、ビル・マーレイ、ロビン・ウィリアムズを希望していた[4]。また、ランディスはマーティン・ショートの出演が叶わない場合は、リック・モラニスをネッド役に起用していただろうと語っている[5]。後にエンクロイドがスケジュールの都合で降板したため、代わりにチェビー・チェイスが起用された。また、ベルーシ起用前には『私立ガードマン/全員無責任』のジョン・キャンディが検討されていたが、彼が巨体で乗馬できなかったため断念したという。キャンディは出演を辞退した後に、セカンド・シティで仕事を共にしていたショートをマーティンに推薦している。これをきっかけに、マーティンとショートは友人になったという[6]。
マーティンは拳銃を発砲するシーンの撮影後に耳鳴りを発症したといわれているが[7]、後年に受けた取材で、「耳鳴りは長年大音量で音楽を聴き、騒々しい群衆の前でパフォーマンスをしていたことが原因」と語っている[8]。また、撮影中はランディスと主演俳優3人の間に意見対立が起きており、中でもチェイスが「ダスティが間抜けに見えてしまう」という理由で作中でジョークを飛ばすことを拒否したことが知られている。これに対し、ランディスは「嫌ならショートにやらせる」と迫り、チェイスにジョークを飛ばすことを同意させている[6]。
2011年に発売された25周年記念版Blu-ray Discには複数の未公開シーンが収録されている[9]。却下されたオープニングでは、「サント・ポコ村がエル・グアポ率いる盗賊団に襲撃され、カルメンが助けを求める」という内容になっていた。スリーアミーゴスが映画スタジオとバックロットをさまようシーンは、3人のライバルである新人女優ミス・レネ(フラン・ドレシャー)が関わる未公開シーンへと繋がる予定だった[5]。彼女の未公開シーンは大半が廃棄され[9]、サム・キニソンが演じた山男の未公開シーンも全て廃棄されている[5]。
- ^ “THREE AMIGOS (PG)”. British Board of Film Classification (1986年12月19日). 2016年4月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年3月24日閲覧。
- ^ “Three Amigos (1986)” (英語). Box Office Mojo. 2010年2月18日閲覧。
- ^ Michael Reuben. “Three Amigos! Blu-ray”. Blu-ray.com. 2015年5月18日閲覧。
- ^ Evans, Bradford (2011年2月17日). “The Lost Roles of Bill Murray”. 2015年5月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年5月25日閲覧。
- ^ a b c Evans, Bradford (2011年12月15日). “The Lost Roles of Three Amigos”. Split Insider. オリジナルの2012年1月8日時点におけるアーカイブ。 2013年7月8日閲覧。
- ^ a b “15 Infamous Facts About ¡Three Amigos!” (英語). www.mentalfloss.com (2015年5月12日). 2020年6月12日閲覧。
- ^ “Tinnitus Sufferers and You: Do you hear that?!”. Dallas Ear Institute. 2014年4月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月3日閲覧。
- ^ “Steve Martin – Pitchfork”. Pitchfork (2015年10月27日). 2022年1月14日閲覧。
- ^ a b Three Amigos 25th Anniversary Edition (Blu-ray). 2011.
- ^ “Three Amigos!”. Rotten Tomatoes. 2021年5月31日閲覧。
- ^ Roger Ebert's review of Three Amigos on Chicago Sun-Times' website
- ^ Maslin, Janet (1986年12月12日). “Movie Review – FILM: 'THREE AMIGOS'”. The New York Times. オリジナルの2016年7月24日時点におけるアーカイブ。 2016年6月23日閲覧。
- ^ “Three Amigos! Review” (2006年3月3日). 2016年10月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月23日閲覧。
- ^ McNally, Neil (2012年11月20日). “Looking Back at Three Amigos”. Den of Geek 2016年6月23日閲覧。
- ^ Fraley, Jason. “BRAVO 100 Funniest Movies”. Bravo. The Film Spectrum. 2012年12月20日閲覧。
- ^ “Chevy Chase reflects on his best work”. EW.com. 2022年1月14日閲覧。
- ^ a b “『サボテン・ブラザース』が愛される理由”. ザ・シネマ (2021年3月9日). 2022年1月14日閲覧。
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