オートレース選手 選手のクラス分け

オートレース選手

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/10 17:05 UTC 版)

選手のクラス分け

選手は晴・雨等全ての競走の競走成績を対象として入着順位、競走タイム順位を得点化した審査方法により、全国統一ランキングによってクラス分けされる。

前年7月1日 - 12月31日の競走成績に基づくランクが新年度の4月 - 9月まで適用され、これを前期ランクと呼び、その年の1月1日 - 6月30日の成績に基づくランクが10月 - 翌年3月に適用され、これを後期ランクと呼ぶ。上位48名がS級、それ以下の232名がA級、更にそれ以下がB級、と分けられる。

S級第1位の選手は全国ナンバーワンとして、他とデザインの異なるナンバーワン勝負服を纏ってレースに出ることが許される[30]

選手寿命

オートレース選手の寿命はかなり長い。同じくJKAが管轄する競輪と比べて体力よりも技術(車両整備含む)に比重がかかる競技システムからであるが、一方で、事故による殉職や落車事故の後遺症などで若くして去る選手も少なからず存在する。平均化すると、デビューが20歳として、現役期間は大体30年から40年となる。

オートレース界には競輪と同じく成績下位者の選手登録を強制的に取り消す「新陳代謝制度」が存在し、競走成績が振るわない選手は自主的に引退していくという制度がとられている。特に飯塚オートレース場では多くのベテラン選手がほぼ一斉に引退し、平均年齢が大幅に低下した経緯がある。2005年の選手候補生募集が行われなかったこともあってか、現在新陳代謝制度は実質的に機能を停止していたが、30期生のデビューに伴い2009年3月に新陳代謝制度が適用されることになった。

2009年3月の新陳代謝においては、30期生が20人デビューするのに合わせて、過去2年間(2007年1月から2008年12月)の競走得点が低い選手20人が登録消除の対象となった。また、下位20人に入っていなくとも平均競走得点40点未満の選手も対象となるが、現在のところ平均競走得点40点未満の選手は数名程度である。なお、期間内に自主引退した選手(2007年1月から2008年12月まで12人)は20人の枠に入れて計算したため結果的に2009年3月では成績不振により下位8人が選手登録を消除された。

全日本オートレース選手会

オートレース界にも、プロ野球や競輪、中央競馬競艇と同様に、全日本オートレース選手会(以下 選手会)という組織が存在する。事実上、個人事業主である選手の労働組合という側面もある。オートレース選手は、選手会のレース場支部に所属している。選手へのペナルティを参加自粛要請という形で、JKAとは独立して行うこともある。

選手会の幹部も選手(プロ野球選手会などと同様)であり、他の選手と同様、順位に応じて競走に参加している。


注釈

  1. ^ 2016年の船橋オートレース場の閉鎖に伴い全国でオートレース場が5場のみとなったこともあって選手数の削減が図られており、2013年には450人以上の選手が登録されていたが、2020年11月時点では395名にまで減少している[1]
  2. ^ 特例受験者は運動機能に加え性格及び心理検査を実施する。
  3. ^ 養成所への入所時期はこれまで9月だったが、第36期より4月となった[8]
  4. ^ この他に、プロスポーツ選手や各界の専門家等の外来講師を招いた講義もある。
  5. ^ 規定タイムの100m/秒は、6周回走行タイムの小数点第3位を四捨五入の上算出したもの
  6. ^ 参考として、競輪選手は1407万9345円(女子は全登録選手191名で916万9054円。いずれも2023年12月31日時点)[25]競艇選手の平均年収は約1,800万円(2022年)[26]
  7. ^ 5名の中にはプロボクサーから転向した藤本梨恵も含まれている。
  8. ^ 33期の交川陽子、34期の信澤綾乃が候補生時代にオートレース選手養成所での訓練の模様等の密着取材がテレビ番組で放送された[35][36][37]
  9. ^ 新井の初優勝は、オートレース女子選手史上初の10代での初優勝で、女子選手史上最年少優勝記録(19歳8か月29日)と、女子選手最速優勝記録(当時デビュー1年5か月9日)を更新した[39]
  10. ^ 西は、この開催より2級車(500 cc)から1級車(600 cc)に乗り替わり、女子選手の乗り替わり初節での優勝は、元選手の益春菜以来となる[40]
  11. ^ 小椋は、デビュー初優出で初優勝、女子選手最速優勝記録(1年0か月30日)を更新した[41]
  12. ^ 各女子選手の通算優勝回数は、9回:佐藤摩弥(女子選手最多)、4回:益春菜、3回:岡谷美由紀、2回:藤本梨恵、1回:田崎萌・高橋絵莉子・新井日和・西翔子・小椋華恋・金田悠伽。
  13. ^ 日本選手権オートレース(2018年4月)、スーパースター王座決定戦(2019年12月、2020年12月)、オールスターオートレース(2020年4月、2021年4月)
  14. ^ 結果は8着。

出典

  1. ^ a b “森且行転身24年、守れた約束“日本一”/川口SG”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2020年11月4日). https://www.nikkansports.com/public_race/news/202011040000076.html?Page=2 2020年11月4日閲覧。 
  2. ^ オートレース第36期選手候補生合格者決定!”. オートレース オフィシャルサイト. 公益財団法人JKA (2022年2月15日). 2022年2月15日閲覧。
  3. ^ “オート第36期選手候補生、合格者13人を発表”. サンケイスポーツ (産経新聞社). (2022年2月15日). https://race.sanspo.com/autorace/news/20220215/atrnws22021517300001-n1.html 2022年2月17日閲覧。 
  4. ^ a b 第30期選手候補生の募集について オートレースオフィシャルサイト - ウェイバックマシン(2008年7月28日アーカイブ分)
  5. ^ 第31期募集候補生の募集について
  6. ^ オートレース選手養成所 第31期選手候補生入所式が行われました
  7. ^ a b c オートレース第36期選手候補生の募集について”. オートレース オフィシャルサイト. 公益財団法人JKA (2021年7月1日). 2021年7月1日閲覧。
  8. ^ a b c 第36期オートレース選手募集”. オートレース選手養成所. 公益財団法人JKA (2021年7月1日). 2021年7月1日閲覧。
  9. ^ 広報AUTORACE号外” (PDF). JKA (2022年7月1日). 2022年7月1日閲覧。
  10. ^ a b “卒業わずか3人…オートレース選手養成35期生が規則違反11人卒業できず”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2021年5月31日). https://www.nikkansports.com/public_race/news/202105310000389.html 2021年5月31日閲覧。 
  11. ^ 養成所の1年”. オートレース選手養成所. 公益財団法人JKA. 2021年7月1日閲覧。
  12. ^ 34期候補生訓練の記録 総合編 - YouTube autofficial 2019年7月17日
  13. ^ オートレース選手養成所第35期生の選手登録及び配属先の決定について”. オートレース オフィシャルサイト. 公益財団法人JKA (2021年5月31日). 2021年5月31日閲覧。
  14. ^ “オート35期候補生の規律違反に、JKA会長「再教育訓練を今後行う」”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2021年5月31日). https://www.nikkansports.com/public_race/news/202105310000407.html 2021年5月31日閲覧。 
  15. ^ “女子オートレーサー木田こころ選手登録 デビュー戦は9月2日”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2021年8月30日). https://www.nikkansports.com/public_race/news/202108300000718.html 2022年1月15日閲覧。 
  16. ^ オートレース第35期候補生実地訓練の開始について”. オートレース オフィシャルサイト. 公益財団法人JKA (2021年10月16日). 2022年1月15日閲覧。
  17. ^ オートレース第35期生の選手登録について”. オートレース オフィシャルサイト. 公益財団法人JKA (2021年11月29日). 2022年1月15日閲覧。
  18. ^ オートレース第36期選手候補生入所式が行われました!”. AutoRace.JP. 公益財団法人JKA (2022年4月14日). 2022年4月14日閲覧。
  19. ^ 競走車の輸送について - オートレースモバイル・2015年2月26日
  20. ^ “連続開催時、一度外に出れるの?”. オートレース モバイル. (2020年11月27日). https://sp.atrc.jp/column/detail/column_id/3961/sub_column_id/16504/page/1 2020年12月2日閲覧。 
  21. ^ 競走路における携帯電話使用事案について
  22. ^ 2009年の賞金ランク
  23. ^ RIDERS 選手を知ろう”. JKA. 2024年1月9日閲覧。
  24. ^ “夢のあるガールズケイリンに 貢献度釣り合う賞金へ”. 日刊スポーツ(nikkansports.com) (日刊スポーツ新聞社). (2019年3月27日). https://www.nikkansports.com/public_race/kidoairaku/news/201903270000171.html 2021年3月29日閲覧。 
  25. ^ 4. 2023年級班別賞金総額及び平均取得額” (PDF). JKA (2024年1月5日). 2024年1月5日閲覧。
  26. ^ ボートレーサーってどんな仕事?”. BOAT RACE OFFICIAL WEB. 2024年1月9日閲覧。
  27. ^ オートレースの記録 年別賞金取得第1位選手”. 公益財団法人JKA. 2022年1月6日閲覧。
  28. ^ 2022年オートレース賞金王は鈴木圭一郎選手(浜松:32期)!”. 公益財団法人JKA (2023年1月6日). 2023年1月6日閲覧。
  29. ^ 身に着けているものについて - オートレースモバイル・2015年4月23日
  30. ^ 青山周平選手  No.1勝負服のデザインが決まりました!【2021.10~2022.3】”. オートレース オフィシャルサイト. 公益財団法人JKA (2021年10月1日). 2022年3月24日閲覧。
  31. ^ 原田節子著『女子競輪物語 青春をバンクにかけて』(ISBN 978-4-286-14361-3) P.45
  32. ^ “岡谷美由紀と岸萌水が9日デビュー”. トーチュウ F1 express (中日新聞社). (2013年7月8日). https://f1express.cnc.ne.jp/bike_other/index.php?cat_id=308&teiko_id=257939&archive_flg=&now_page=1# 2021年6月6日閲覧。 
  33. ^ 女子オートレーサー・マヤ惜敗デビュー - デイリースポーツ2011年(平成23年)7月12日
  34. ^ 坂井宏朱選手の殉職について”. オートレース オフィシャルサイト. 公益財団法人JKA (2012年1月15日). 2021年6月6日閲覧。
  35. ^ 金曜プレミアム キビシー!”. フジテレビ (2017年3月3日). 2020年6月4日閲覧。
  36. ^ 8/25(金)19:57~21:49 フジテレビ「金曜プレミアム・キビシー!」全国放送でオートレース選手養成所第33期生デビューまでの続編が放送されます”. オートレースオフィシャルサイト お知らせ (2017年8月22日). 2020年6月4日閲覧。
  37. ^ 容赦なく飛ぶ、鬼教官の怒号!オートレーサー目指す20歳女子、超厳しい寮生活で奮闘”. テレ朝POST (2019年2月19日). 2020年6月4日閲覧。
  38. ^ “柴田善臣騎手三男の陸樹ら20人合格/オート候補生”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2020年5月28日). https://www.nikkansports.com/public_race/news/202005280000359.html 2020年5月29日閲覧。 
  39. ^ 新井日和選手(伊勢崎・35期)が女子レーサー史上初の快挙!10代で初優勝を達成しました!”. AutoRace.JP. 公益財団法人JKA (2022年11月14日). 2022年11月14日閲覧。
  40. ^ 西翔子選手(浜松・35期)が女子選手 史上8人目の優勝!”. AutoRace.JP. 公益財団法人JKA (2022年1月4日). 2022年1月4日閲覧。
  41. ^ “小椋華恋がデビューから1年0カ月30日の女子最速V達成!~川口オート”. サンケイスポーツ (産経新聞社). (2023年1月7日). https://www.sanspo.com/race/article/general/20230107-KF62TUP72RNELNH2RHZNKNKGSY/ 2023年1月7日閲覧。 
  42. ^ 金田悠伽選手(浜松・33期)が女子選手 史上10人目の優勝!”. AutoRace.JP. 公益財団法人JKA (2023年4月12日). 2023年4月12日閲覧。
  43. ^ “鈴木圭一郎9度目SG制覇 女子初V狙った佐藤摩弥を逆転/川口SG”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2021年4月29日). https://www.nikkansports.com/public_race/news/202104290000765.html 2021年4月29日閲覧。 
  44. ^ “【山陽オート・GⅡ山陽王座CC】松尾彩がグレードレース初優出「滑ってもいいからと思い、開けていきました」”. 東京スポーツ (東京スポーツ新聞社). (2022年7月17日). https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/234271 2022年9月5日閲覧。 
  45. ^ ご報告(^_^)かねだ”. オートレース33期女子オフィシャルブログ アメーバブログ (2020年2月5日). 2020年6月4日閲覧。
  46. ^ “オートレース金田悠伽と吉松優輝の同期生が結婚発表”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2020年2月5日). https://www.nikkansports.com/public_race/news/202002050001083.html 2020年2月6日閲覧。 
  47. ^ “鈴木圭一郎と吉川麻季の現役オート選手同士で結婚!”. 日刊スポーツ. (2020年11月17日). https://www.nikkansports.com/public_race/news/202011170000889.html 2020年11月17日閲覧。 
  48. ^ “鈴木圭一郎「交際3年、結婚意識したのは1年前」”. 日刊スポーツ. (2020年11月17日). https://www.nikkansports.com/public_race/news/202011170001036.html 2020年11月17日閲覧。 
  49. ^ ご報告*堂免沙弥”. オートレース33期女子オフィシャルブログ. アメーバブログ (2021年10月17日). 2021年10月17日閲覧。
  50. ^ 無事に*堂免沙弥”. オートレース33期女子オフィシャルブログ. アメーバブログ (2022年3月12日). 2022年3月12日閲覧。





英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「オートレース選手」の関連用語

オートレース選手のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



オートレース選手のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのオートレース選手 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS