T書体フォント
T書体フォントとは、漢字フォントセットのひとつで、約12万字の漢字についてのデータを持った文字セットのことである。東京大学大学院情報学環坂村研究室が公開した。
T書体フォントはTrueTypeフォントの一種で、それぞれの文字について明朝体とゴシック体、ならびに楷書体の3タイプが用意されている。(フォントのデータは総計36万字となる)。
T書体フォントは、日本や中国で用いられる様々な漢字表記を網羅的に収録した世界最大の文字セットで、数多くの異字体、古代文献に登場する字体などを収録している。東京大学多国語処理研究会が制定した「GT文字セット」の文字をはじめとして、住民基本台帳に登録されている変体仮名、果ては古代文字の権威・白川静教授の著した『金文通釈』に出る金文文字までが収録されている。
住民基本代表に取材したことによって、人名の表記についてはT書体フォントで正確に表記できない人名がほとんど存在しないとされる。異字体も別個の文字として扱うので、アジア諸国で同じ漢字を用いる際に生じる表記の問題(いわゆるCJK問題)も解消する。さらに、金文文字をはじめとした古典文字に対応したことによって、日本や中国における古典文献の研究にも大きく貢献することができるとされる。
ちなみに、漢字のほかにも、変体仮名と呼ばれる派生かな文字や、あるいはマンガなどで用いられる濁点仮名(「あ゛」など)も、一個の文字として扱うことが可能となる。
T書体フォントは、OS「超漢字4」をはじめとして、Windowsにも対応しており、汎用的に利用することができる。東大・坂村研究室が管理するWebサイトにおいて、来春ごろに無償で提供される予定となっている。
参照リンク
東京大学大学院情報学環坂村研究室
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