シューマン, クララ:音楽の夜会
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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シューマン, クララ:音楽の夜会 | Soirees musicales Op.6 | 作曲年: 1835/36年 出版年: 1836年 初版出版地/出版社: Hofmeister |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | トッカティーナ "Toccatina" | 2分00秒 | No Image |
2 | ノットゥルノ "Notturno" | 4分30秒 | No Image |
3 | マズルカ "Mazurka" | 3分30秒 | No Image |
4 | バラード "Ballade" | 6分00秒 | No Image |
5 | マズルカ "Mazurka" | 2分30秒 | No Image |
6 | ポロネーズ "Polonaise" | 3分30秒 | No Image |
作品解説
「新ロマン主義」の伝統に基づく性格的小品。作品5とは異なり、それぞれのタイトルは個性的なものではなく、伝統的なジャンル名に倣っている。この作品6について、ローベルトは1837年9月12日の「新音楽時報」において、「色鮮やかな花びらを輝かしく展開する前の、魅力的で観照にうれしいつぼみ、それ自身の中に未来を包含したものすべてのようだ。」と詩的に表現した。
第1曲はイ短調のトッカティーナ。プレストで快活に進む。中間部は、同主調のイ長調で情熱的に歌い上げる。続くヘ長調の優しさにあふれるノクターンは、ショパンやジョン・フィールドの影響が見られる。この曲は、ローベルトの《ノヴェレッテ》第8曲<遠くからの声>へインスピレーションを与えたようだ。第3曲は、ト短調のポロネーズ。ポーランド的であるが、それはショパンによって様式化されたポーランド的要素に刺激を受けたものだろう。第4曲は、非常に表情豊なニ短調のバラード。この文学のジャンルである「バラード」を器楽曲へ初めて援用したのは、ショパン-この作品と同年1836年に出版された《バラード》第1番ト短調作品23-だと言われている。やはりここにも、ショパンの影響があるように思えてならない。生き生きとしたリズムが特徴的なト長調のマズルカ。この冒頭は、とても直接的な形でローベルトに引用されている。それは《ダヴィット同盟》の第1曲。左手による「クララ・ヴィークのモットー」で幕が開き、このモットーを変形させつつ曲が展開される。そして、この曲集はリズミックはイ短調のポロネーズで締めくくられる。
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