MGC_(トイガンメーカー)とは? わかりやすく解説

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MGC (トイガンメーカー)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/23 16:39 UTC 版)

MGC (: ModelGuns Corporation) は、かつて存在した埼玉県の遊戯銃(トイガン)メーカー。海外製玩具銃の輸入・加工販売[1]からはじまり、1962年には独自開発による国産初[注釈 1]モデルガンであるワルサーVPを発売した。現在一般に用いられている「モデルガン」という言葉は、MGC創業者[要出典]による造語


注釈

  1. ^ 1960年には米国から輸入されたヒューブレー(英語)マテル製の玩具銃が販売され始めたが、国産の本格的なモデルガンを製造したのは、MGCが最初とされている。また、この時期に国際ガンクラブもモーゼルC96の中国製コピー品から採寸したモデルガン(1978年まで「ハドソン旧モーゼル」として販売継続)を発売しており、国産初のモデルガンは同品との説[2]もある。
  2. ^ 実際には紙火薬によるブローバックは不安定で、ほとんどのモデルで作動不良が頻繁に起こり安定作動は難しく、自分で工夫する事が当然で、それはそれで楽しみであった。
  3. ^ ただし、例外的ながらMGCの亜鉛合金製FN、ルガーP08及びモーゼルM96の3製品は、実物のサイズ・構造を忠実に再現していた。
  4. ^ 前年の1993年、銃刀法改正[9]
  5. ^ 当時のモデルガンは種類も少なく、戦後の闇市が存続していた上野アメ横の小売店で主に販売されていた。ほとんどの小売店は間口の小さな店舗で、自店にない商品を相互に融通したり、売れ線情報の交換などを行って存続しているような零細な経営環境であった。そうした小売店の中で米軍自衛隊の放出品を扱う中田商店が、社長のカリスマ的存在感もあって新橋の闇市時代から引き続きアメ横における代表的存在だった。一方でアメ横という限定された世界だけではなく、同人グループの会報(後の月刊Gun)を発行し、その通販部門から全国に顧客を開拓しつつあった国際ガンクラブ(インターナショナルガンクラブ〈後の国際産業〉)が台頭しつつあった。こうした小売店に、唯一の国産モデルガンメーカーであるMGCが自社の製品を供給していたのが、当時の業界の構図だった。中田商店は当初は住民票登録制への明確な賛否を示さなかったが、国際ガンクラブは通販での対応が難しい販売方法は、全国の同人参加者に影響を与えかねないと考えて、MGCの方針に断固反対の意思を表明し、会員に方針撤回への署名を呼びかけるなど徹底抗戦の構えを見せていた。
  6. ^ 住民票登録制販売の導入後、警視庁は、実銃と区別するためモデルガンに「王冠マーク」を付することを要請する行政指導を行った。MGCは、「王冠マーク」の付されたモデルガンを販売するにあたっては住民票登録制販売を採用する意義がないためこれを廃止し、住民票の提出を前提としない購入誓約書の提出を受けることで販売するようになった。
  7. ^ 業界分裂後のMGCが新規顧客層を開拓したことで最大の恩恵を被ったのは、皮肉にもN・K・G派の各社だった。MGC製品の模倣からスタートし、当初は粗悪品が多かった同派の各社も徐々に製品開発力をつけはじめ、ここから国際産業(国際ガンクラブ)、東京CMC(江原商店)、マルシン工業(丸真ダイカスト工業)、ハドソン産業(山田鍍金工業所)、マルゴー(丸郷商店)といった各モデルガンメーカーが成長したほか、中田商店社長にモデルガンを試作して見せた縁で六人部登がデザイナーとして登場し、MGCのライバル商品を続々と世に送り出すことになった。
  8. ^ モデルガン用の火薬は火薬類取締法施行規則の「がん具煙火」のうち、「平玉であつて、その一粒が直径4.5ミリメートル以下、高さ1ミリメートル以下のもののうち、爆薬(爆発音を出すためのものに限る。)0.01グラム以下のもの及び巻玉であつて、その一粒が直径3.5ミリメートル以下、高さ0.7ミリメートル以下のもののうち、爆薬(爆発音を出すためのものに限る)0.004グラム以下のもの」が適用される。
  9. ^ 駄菓子屋等で販売していた玩具銃(火薬銃)用のキャップ型火薬「カネキャップ」を製造していた。
  10. ^ 後に7mmシューターワン用(紫箱)も発売された。
  11. ^ ワルサーP5は東京CMCからも発売が発表され、競作となった。しかしMGC、CMC両社とも発売中止となってしまい、幻のモデルガンとなってしまった。くろがねゆうはモデルガンチャレンジャー誌にてニューモデル5におけるワルサーP5の代替としてSIG P220を開発したのではないかとの見解を述べている。
  12. ^ 「落ちたカートを拾わなくても気にならない安い使い捨てカートを」という考えは小林の長年のテーマであり、後年に独立後のタニオコバでデトネーター式プラカートが完成する事になる。
  13. ^ MGCは人にもセットできる小型デバイスとしての研究は行っていたものの商品化される事はなく、シューターワンは絶版となってしまった。
  14. ^ この事は小林太三は自身が興したタニオ・コバのWebサイト上[13]で確認できる。(前略)その後MGCもエアーガンへ路線変更。かといってパワー重視の単発銃はモデルガン的ではない。そこで私は“連射機能で、強い単発銃に立ち向かえる”DA連射のMGC・93Rを開発。以降、業界全体がDAガスガン時代となる。(後略)
  15. ^ Bタイプボンベが生産終了した後は、同寸のリチャージブル(大容量缶から液ガスを充填する)ボンベが販売された。
  16. ^ コクサイはロングストロークのダブルアクション、ウェスタンアームズはシーキャンプ風のDAメカを採用した。
  17. ^ そもそもM93R開発時にMGCはフロンガス式エアソフトガンを先行開発していたアサヒファイアーアームズに対し特許使用契約を結んでいたため、WAに対しても同様に使用契約を行う事を決断していた。しかし両社の事情により契約までに時間がかかった。特許に対して正式に使用契約締結を結ぶというMGCの企業姿勢はモデルガン時代にブローバック技術の特許侵害を多く経験し、その事で他社を公然と批判していた過去に由来する。
  18. ^ 例外として、モデルガンM4A1とM16A2タイプのアッパーレシーバーが製作されている。
  19. ^ 厳密にはアメ横に程近い場所であった。
  20. ^ 閉店後もこのカスタムは追加生産されている。しかし閉店記念カスタムには刻印に誤字があり、閉店後の追加生産版では刻印が修正されているために誤字のある店頭販売分はレアアイテムとなっている。
  21. ^ マルゴーはMGC製品のコピーから始めたかつてのライバルメーカーであり、当時のMGCは機関誌や広報で名指しで非難するほどの関係であったが、エアガンブームより前にメーカー部門を廃業し、アメ横の店舗販売部門のみ残る事になった。2016年12月閉店。
  22. ^ その他、福岡店では新日本模型在庫分のM31RS2の50周年記念モデルも最終販売した。新日本模型サイトではM31RS2の他、GM5系モデルガン7種も併売した。
  23. ^ CAWは32オートやウッズマンの他にも多数のMGC金型を保有しており、他モデルの商品化も可能な状態となっている。
  24. ^ 大阪ガンルームや上六ホビーと勘違いされているケースが多い。
  25. ^ 関連資料:『Gun』、巻次共有:『Striking : 銃・射撃・兵器』。注記=4巻2号から4巻4号までの副題「銃・射撃・兵器・サバゲ」
  26. ^ 別題『月刊コンバット・マガジン』『CM』。13巻10号までの並列タイトルは、『月刊コンバット・マガジン』。

出典

  1. ^ Gale, Cengage Learning. ©︎2019 All rights reserved.; Plus Media Solutions, ©︎2019 (2019-04-18) (英語). Full Court Decision: R v GILL – 2019 – SASCFC 22 (8 March 2019). Premium Official News. Supreme Court of South Australia. edsbig:A582922141. https://search.ebscohost.com/login.aspx?direct=true&db=edsbig&AN=edsbig.A582922141&lang=ja&site=eds-live&scope=site 2021年10月10日閲覧。 
  2. ^ 『月刊Gun』2007年4月号記事
  3. ^ 小池 勲「猟銃等のあらたな所持・使用等の規則について--銃砲刀剣類所持等取締法及び火薬類取締法の一部改正を中心として」『警察学論集』第19巻第10号、立花書房、1966年10月、10-28頁。NAID 40000915558、ISSN 0287-6345
  4. ^ 「銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案についての資料」『警察学論集』第24巻第3号、立花書房、1971年3月、149-157頁。NAID 40000913976、ISSN 0287-6345。
  5. ^ 関沢 正夫「銃砲刀剣類所持等取締法の一部改正」『警察研究』第42巻第7号、良書普及会、1971年7月、31-48頁。NAID 40000919781、ISSN 0287-6353。
  6. ^ 中島 治康「銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律について」『警察学論集』立花書房、1977年8月、第30巻第8号、24-47頁。NAID 40000916238、ISSN 0287-6345。
  7. ^ 中島 治康「模擬銃器の規制と罰則の強化--銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律(52.6.1公布,法律第57号)」『時の法令』財務省印刷局、1978年4月23日、第999号、5-10頁。NAID 40002681221、ISSN 0493-4067。
  8. ^ 佐野 国臣「銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律 (第九一回国会主要成立法解説〈特集〉)『法律のひろば』第33巻第8号、ぎょうせい、1980年8月、45-50頁。NAID 40003518275、ISSN 0916-9806
  9. ^ 中川 清明「銃砲刀剣類所持等取締法及び武器等製造法の一部を改正する法律 (第126国会主要成立法解説〈特集〉)」『法律のひろば』第46巻第9号、ぎょうせい、1993年9月、4-9頁。NAID 40003519947、ISSN 0916-9806
  10. ^ 広告」(jpg)『月刊Gun』1965年7月号、8月号、1965年。 
  11. ^ 広告」(jpg)『月刊Gun』1965年12月号、1965年。 
  12. ^ 中島 治康「銃砲刀剣類所持等取締法の一部改正について (銃砲,火薬類取締りの今日的課題〈特集〉)」『警察学論集』第32巻第3号、立花書房、1979年3月、1-22頁。NAID 40000916064、ISSN 0287-6345。
  13. ^ コバのトライアゲイン”. www.taniokoba.co.jp. 2021年10月10日閲覧。
  14. ^ 神保勉『MGCをつくった男』神保勉、2010年。ASIN B07SX1K64M 
  15. ^ 布川文庫所蔵雑誌創刊年順目録索引」(pdf)『参考書誌研究』第78号、国立国会図書館、2016年12月22日、235頁、doi:10.11501/10958312ISSN 1884-99972021年10月10日閲覧 - 国立国会図書館デジタルコレクション
  16. ^ 布川文庫所蔵雑誌創刊年順目録」、doi:10.11501/10958311、布川請求番号VGI1070、2021年10月10日閲覧 


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